今日の北海道、自分の地元はピーカンのお天気。
雪もいい感じで融けて、道路はようやくアスファルトが出てきました。
卒業シーズンになっても、花が咲いていることはほぼない北海道ですが
周囲の風景がサラサラの新雪ではなく、ザラザラで土が少し混じった雪をみると春が近いなぁと実感できます。
今日のブログのタイトル、ちょっと物々しい感じがしますかね?
実は先日、読んだ本のタイトルです。
堀潤さん 『災害とデマ』 株式会社集英社インターナショナル
せっかくですから、裏表紙も。
著者の堀潤さんは、元NHKのアナウンサー。
リポーターや報道番組などを担当し、現在は退局されていますが
毎週月~金曜の午後6時から、TOKYO MXで放送されている『堀潤 LiveJunction』に出演されているので
堀さんをご存じの方がきっと多いのではと思います。
数あるニュース番組や報道番組を見ていても
番組のメインMCとして、ニュースの原稿を読んだり
現地取材している記者さんと中継をつないで、状況を伝えるキャスターの方はたくさんいらっしゃいますが
堀潤さんは、ちょっと違う。
いや、実はちょっとどころじゃないか、かなり違うかも。。。(変な意味じゃないですよw)
メインMCの堀さんは、国内外問わず、何か重大な事件、事案があったときは
ご自身が可能な限り、スタジオを飛び出して、自ら現地へ取材に向かわれます。
能登半島地震、東日本大震災の福島の原発、熊本地震、西日本豪雨など
堀さんは、しっかりと自分の目で現場を見て
地元住民のみなさんから、知って欲しいこと、伝えてほしいという声を大切にくみ取り
カメラの前で、伝えるべきリアルな情報を伝えてくださっています。
今、SNSのめざましい発展で、いくつもの情報が瞬時にして得られる世の中。
便利になっている、その背中合わせで、本来伝えるべき情報が埋もれてしまうほどの過剰情報社会に。
堀さんは、この著書の中で、知られるべき情報がなかなか伝わらないのは何故なのかと読者へ問うています。
あらゆる情報が溢れすぎて混沌とする中、善意の情報もあれば悪意の情報も。
何気なく発信したものが瞬く間に拡散されてしまい、本人の意志に反して誤解を招く情報も。
被災地では特に人命にもかかわることもあるだけに
数々の現地で取材した経験をもとに、拾い上げた沢山の声を
堀さんは「メディアリテラシー」の大切さとともに、「デマの実態」を語っています。
SNSを利用しているからこそ、自分はいつでも「加害者」にも「被害者」にもなりうること。
誤認情報と知らずに拡散してしまうかもしれない危うさ。
災害に限らず、得る情報、自分が欲している情報との向き合いかた。
堀さんが取材した現場での出来事を通して見えてくる、さまざまな課題や学ぶべきことが丁寧に記されています。
伝えなければいけない情報を。伝えて欲しいと願う現地の声を。
堀さんの信念がこもった数々の取材記録。
今後も何らかの災害が起こる可能性はあると思います。
この本はきっと「天災の防災」のみならず「情報の防災」のための指南書にもなりうる1冊かなと思いました。
皆様、ぜひ読んでみてください。
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