abymanの思考の旅日記2

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

太陽のこと

2021-08-26 23:34:25 | 日記

ダリア

むかし、むかしのことだ。

縁側に長い夕陽の影が差していた。
祖母はハルピンにいた幼い頃、藁をいっぱい積んだ荷車に祖母の母と一緒に乗っていたことを思い出した。
その時、祖母は三歳になったばかりだったという。

ボクも三歳だった。
祖母と縁側で夕陽を観ていた。
「ハルピンの夕陽は、日本と違う太陽だったんだよ。太古の昔、太陽は八つあったんだ。あの夕陽は長男の太陽だとばあちゃんは思うんよ」
ボクは首を捻って、
「じゃ、今見ている太陽は何個目の太陽なんかな?」
祖母の膝に座ってボクは思った。
「ねぇばあちゃん、今見ている太陽は何個目の太陽なの?
三歳のボクは恐る恐る祖母に訊いた。
祖母は笑い声をあげて手を叩いた。
「ばあちゃんにも分からんさ」

今でもボクは、
太陽は八つ在るんやろな。
と、思っている。


ビッグフィッシュのこと

2021-08-24 05:54:35 | 日記

コスモスを折り始めました。

何年前だろう?
十年ほど前だったと思う。

ボクは、鶴見川のほとりでひとり佇んでいた。

何も考えない時間、
ボクは川面をボッーと眺めていた。

干潮だったせいで川底が見えるほど水の流れが穏やかだった。

辺りには人気がなかった。

突然だったと思う。
ボクの目の前に体長二メートルほどもある金色のビッグフィッシュが浅瀬に填まったのか、ゆらゆら揺れながら佇んでいた。

ボクは思わず立ち上がり、
ビッグフィッシュを呆然と見ていた。

「嗚呼‼️あなたはこの川の主なのですね?」
ボクはビッグフィッシュに手を合わせた。

辺りを見合せた。
誰もいなかった。

ビッグフィッシュは、
二十分ほど浅瀬に佇ずみ、
そして、悠然と深瀬の方へ泳いで行った。

ボクは、その場に呆然と立ち尽くしていた。

ボクは川の主に出逢った。



夏祭りのこと

2021-08-17 20:07:26 | 日記

デイの夏祭り、
二ヶ月前にボクが企画した。

ビンゴ大会、
職員みんなで作った
手作りの景品、
利用者の個人対抗ゲーム、
職員のやる演芸会、
ボクが書いたコントの練習、
今日の本番。

帰り、
利用者のおばあちゃんが、
「今日はホントに楽しかったよ」
と、
ボクに微笑んでくれた。

祭りの後の喜び。
祭りの後の侘しさ。

そんなものを噛みしめている。



知らないこと

2021-08-13 20:15:23 | 日記

猫がキョトンとボクを観ている。
ボクもキョトンと猫を観ている。
ボクは、この猫のことを知らない。
猫もボクのことを知らない。

「無知の知」
というソクラテスの言葉、
「ボクは知らないということを知っている」
この言葉から哲学が始まったんだな。

そうか、そうなんやな!
と思ってしまう。


ねえのこと

2021-08-05 22:14:36 | 日記

「ねえ、あのね」

バカバカしいほど好きな人がいる。

会えないし、
これからも会えないかもしれない。

でも、
大好きなのは変わりないんやと思う。

その人のしあわせを願う。

降りてくるものがある。

「ねえ、大好きだよ」

と、呟いてしまう。