
デイの昼下がり、
「ちゃんとやってんのか?」
ボクの折り紙の一番弟子で、来年80歳になるというショウジちゃんが、ちょっと口を尖らせて云う。
「そうなんやよね!」
ボクはヘラヘラ笑ってしまう。
「だからさ、3ヶ所のデイでおばあちゃんが150人、母の日に一人3本カーネーションや薔薇を贈るとすると450本に成るんよね!」
「だからさ、3ヶ所のデイでおばあちゃんが150人、母の日に一人3本カーネーションや薔薇を贈るとすると450本に成るんよね!」
「はぁ~?」
ショウジちゃんは俯いて、また口を尖らせている。
ショウジちゃんが目を上げた時、ボクもショウジちゃんも笑ってしまう。
「しょうがないな?やるしかないんだろう!」
ボクは思わすショウジちゃんの胸を揉む。
「バカやろう!くすぐったいよ」
ショウジちゃんは、そのあと黙々とカーネーションを折り始める。
「オレはお前に感謝してるんだ」
「え~?」
「お前が折り紙教えてくれなければ、一日ぼ~とした年寄りに成ってたと思う。だからさ、お前に感謝してんだよ」
ボクは俯いてしまう。
「オレも来年80歳だから引退だ」
「エ~止めなくても良いんでない?」
「バカ、この世から引退するってことさ」
ボクはまた俯いてしまう。
そして、また胸を揉み、禿げた頭をなぜた。