突然、大地の一部が切り取られ空中へと浮上した。ジャマトグランプリ最終戦「天国と地獄ゲーム」が始まったのだ。ポーンジャマトに襲われた人々は様々な色の円陣に逃げ込むが、円陣の色の選択を間違えた人々は地上に落ちてしまう。非情なルールに憤る英寿と景和。しかし、ベロバはこのゲームこそが“世界の縮図”だとうそぶく。ベロバの言葉の意味とは?真意を探る英寿はついに衝撃の事実を知ってしまう。
「そもそも、世界中の幸せの総量ってのは決まってる。
誰かが金持ちになりゃ、誰かが貧しくなるようにな。
つまり、デザグラで失われた幸せが、別のデザ神の幸せに変えられてたってことさ」
「幸せの総量が決まってる」っていう大前提に、めっちゃモヨモヨするわけですよ。
だってさ、幸せの基準って人それぞれじゃん?
たとえば世界中に10人の人間がいて、
その目の前にコップ一杯の水があったとした場合、
「水だ!ありがたい、助かった!」と思う人と、
「一杯しかない、これじゃ助からない」と思う人がいますよね。
10人がみんな前者であれば、世界は幸せな人で満たされるし、
逆なら、世界には不幸な人しかいなくなる。
見方ひとつ、考え方ひとつで、幸せの総量なんて幾らでも変動するのでは。
さらに。誰かのコップを奪い取って、他の誰かに与えたとしても
もらった人が幸せになるとも限りませんよね。
ある人は、他人の幸福を奪った罪悪感にさいなまれるだろうし
また別の人は、一杯が二杯に増えたところで焼石に水だと絶望するだろうし。
そもそも「幸せの総量が決まってる」が前提だとすると、
「すべての人々が幸せになれるようにデザインされた未来の世界」は
どうやって辻褄をあわせてるんだろう?って疑問も出てくるわけで。
・・・って考えたところで。前々回の放送、祢音がオーディエンスたちに
一方的に罵倒されてたシーンを連想しました。
「他人の不幸と比較することでしか、自分の幸福を認識できない」ということであれば
幸せの総量が云々という話も、あり得るのかもしれないなぁと。
下衆いんだわ(苦虫を嚙み潰したような顔で。
「女神の支配からは逃げられない。
人よりも幸せでありたいと願うやつがいる限り、
争いは終わらない。
だったら、勝者になるしかない。
女神を利用して、理想の世界を手に入れるためにな!」
まぁ、現時点で繰り広げられているのが「問題提起」に当たるパートで
ここから、「幸せってそういうもんじゃないだろ?」っていう展開に
持っていくのかなぁ。持っていってくれ。
みんなが幸せになれない世界だなんて、一部の選ばれた人しか幸せになれない世界なんて
夢も希望もないんだから。
ということで、総量の話はいったん置いといて。
「そう。本来、君は生まれるはずがない人間だ」
「お前たち未来人と俺たち現代人の間でこどもが生まれるはずがない、
そういう意味か?」
「そもそも体の構造が違うからね」
「だとしたら、母さんはどうやって俺を生んだのか」
「あったのさ。可能にする術が」
「その方法があったとすれば、ただひとつ」
「本来結ばれるはずのない未来人と古代人。
誰よりも幸せになりたいと願った彼女は、
忌まわしき力を手に入れた。
人々の幸せを奪い、大いなる理想の世界に作り替える力を」
「そして、かつて人々の幸せを犠牲にして誕生したのが、君だ。
女神の申し子、浮世英寿」
未来人と現代人って、体の構造が違うんですか!!!(まずはそこから。
ということは、これは人魚姫みたいな話なのかもしれませんね。
未来人であるミツメが、古代人に恋をして、
「何か」を犠牲にしてその想いを遂げ、英寿を授かったと。
しかし、まぁたいてい禁忌をおかすように唆すのは
悪い魔女だと相場は決まっているわけで。
ミツメが禁忌をおかす代償として差し出したのは、彼女自身の身体であり、
悪い魔女によって、彼女の身体は「創世の女神」に作り替えられてしまいましたとさ。
みたいな。
「これまで数えきれないほどのゲームで多くの犠牲者を生んできた。
彼らの幸せは女神のもとへと集められ、
たったひとりの勝者の大きな幸せに変えられる。
それが、デザイアグランプリの真実」
「敗者の幸せを奪って勝者だけに与える。
そうやって人々の幸せを支配してきたのが、創世の女神だ」
純粋に、ただ幸せになることだけを願った彼女の身体は、
単なるシステムとしての存在に、
エネルギーを変換するだけの装置に変えられてしまった。
しかし、それだけの奇跡を可能にするとか、
ミツメのポテンシャルすごいな!って話ですよ。
未来人ひとり分の身体には、それだけの価値があるよってことかもしれないし、
あるいは、ミツメの得たもの(英寿)がとてつもない幸運で、
それと引き換えにしたからこそ、彼女は女神と呼ばれるだけの権能を得られたのかも。
まぁ、なんていうか。こういう設定を妄想するのすごく楽しいんですけど、
考えれば考えるほど、「そうさせたヤツはクソだな!(暴言」ってなりますね。
悶々。
あと。超絶いまさらなんですが、
手段を選ばず英寿をゲームから追放しようとしていたギロリの行動も
いま考えてみれば納得というか。
デザイアグランプリから引き離しておくことが英寿のためなのだと判断したのなら
ギロリも悪い人じゃなかったのかも。
ほら、劇場版でめっちゃ良い人ムーブを見せていたのも
そういう事情なら「なるほどな!」って、腑に落ちるってもんですよ。
なんなら。ギロリがミツメの関係者(つか、信奉者)だったりして、
ミツメの忘れ形見である英寿を守りたいと思ってたりして、
そんな英寿に、デザイアグランプリの景品としてでも
一時だけでも父親と呼んでもらった・・・なんて考えると、めっちゃエモい。エモいな!
景和関連。
「デザグラで犠牲になった町の人たちの中には、
世界がつくり変えられても救われなかった人たちがいて」
「お前の両親のようにか」
「そのときのデザグラで、ライダーが全滅したからって聞きましたけど、
どうして」
「世界をつくり変える力に変えられたんだよ」
直接的な関係ではないにしろ、
運営のリソースとして消費されてしまった両親がいて、
一方で、そのリソースを使って「スター・オブザスターズ(略」になった英寿が
目の前に、いる。
そんなことに、自分の両親の命が使われたとか
マジふざんけんなよ!って。そりゃキレるわ。さすがの景和もキレるわ。
・・・的外れでも、ありますけどね。
元凶は、そんなシステムを喜々として動かしてるデザグラ運営だから。
ラスト。アルキメデル。
「理解不能だね。自分自身を肥料にするなんて」
「あの人、ピュアだから。
ジャマトを愛でたくて愛でたくて、仕方ないのよ」
なんか既視感あるなと思ったら、
エグゼイドのバガモン&作さんペアだ。いいですよね、あの二人。
それはさておき、冒頭の「幸せの総量」という設定に対して
アルキメデルの「自己犠牲のうえに成立する幸せ」っていうのは
なんらかのカウンターとして機能しないかな?と期待しています。
奪い合う幸せじゃなく、分け与える幸せこそ、あって欲しい。ね。ちゃんちゃん。