「仮面ライダークロニクル」のラスボス、ゲムデウスがついに降臨。同時にゲーム病の感染が拡大、パンデミックが引き起こされた。どうやら正宗が感染者を増やすようプログラムしたらしい。ゲムデウスを倒せば感染者は治る。永夢とパラドは、エグゼイド、パラドクスに変身してゲムデウスに立ち向かうが、あらゆるバグスターの力を使いこなすゲムデウスに苦戦して・・・。
さてさて42話を見た足で劇場版トゥルーエンディングを見てきまして。
ぶっちゃけ、本編の内容に直接絡んでくる内容ではなかった印象だったので、
劇場版のネタバレに触れることなく、本編の感想が書けます。良かった。
ただ、感想を書こうとすると、トゥルーエンディングの内容が浮かんできて、
42話とつながってるところも多くて、やはり直結したストーリーだと思うし、
うーん・・・まぁいいや。このあたりは、もしかしたら視聴後感想で書けるかな。
というわけで。通常どおり本編感想。
「黎斗の実験体にして作った、ゲムデウスウィルスの抗体を作った。
最強のゲムデウスワクチンだ!」
「レーザーとゲンムが生み出した力・・・使わせてもらうぜ!」
いやもう、胸熱ですよね!
かつて、不死のゲンムを攻略するためにレーザーのリプログラミングが活用され(23話)
永夢の乗っ取りを企むパラドを防ぐためにゲンムのウィルス抑制機能が活用され(30話)
そしていまここで。二人の理論と技術力が結集して、ゲムデウスウィルスのワクチンが作られるという。
熱い、熱いな!
というわけで。今回はもう、この二人のやり取りがほぼすべてですよ。ありがとう。ありがとう。
「自分もお前もバグスターとして、本来よみがえるべきじゃない命を手に入れた。
その命に課せられた運命が何なのかを、ずっと考えてた。
フッ、ようやくその答えが見つかったよ」
自ら望んでバグスターとなった黎斗とは違い、
正宗により一方的に復活させられた貴利矢。
彼自身の軽佻浮薄に見えるその態度からは察することもできなかったんですが、
やはり彼なりに自分の在り方について悩んでいて、でもちゃんと答えを見つけていた。
「いま自分がここに在ること」の意義を見つけられた。それは本当に素晴らしいことだ。
「これは、私への仕返しというわけか。
ハハッ、私を痛めつければ懺悔するとでも思ったか!」
「仕返しはもう終わってる。自分のリプログラミングでな。
それにお前の懺悔なんて、もはやなーんの価値もない」
「だったらなんのつもりだ!?」
「おまえに、最初で最後のチャンスを与えてやってんだ!」
かつて自分の命を奪った、そして大事な友人の命を奪うきっかけを作った黎斗に対して
「永夢が信じているから」というだけでは済まされない想いがあるだろうと思ってたんですが、
それもとっくに乗り越えていた。貴利矢の無念は、永夢たちが晴らしてくれていた。
そして。そのうえで。
「お前自身が作ったゲムデウスウィルスで苦しめ。
くやしかったら生き延びてみせろ。ライフを使い切る前にな」
「どういうつもりだ、君も無事では済まされないぞ」
「ハハッ、お互い、一度は死んだ身だ。一緒に潔く散ろうぜ」
「グラファイトが順応してるのを見て確信したんだ。
バグスターの体こそが、ゲムデウスウィルスの抗体を作るための実験体になるってな!」
「つまり、ウィルスに順応し、生き残った方がゲムデウスを制する」
「そういうこと」
短時間で抗体を作りだすために、黎斗に対して大量のゲムデウスウィルスを浴びせかける。
思えば。飛彩と大我が「グラファイトを倒す」と息巻いていたときに
「そんなこと言ってられる状況かよ、
ゲムデウスウィルスに感染しているグラファイトは貴重な存在だ」
と言っていた貴利矢は、すでにこの状況すら予見してた可能性が高いわけで。
グラファイトから抗体を取り出せていればベストだったんだよな。
しかしそれがない今、どちらか一方だけでも、ゲムデウスウィルスに打ち勝たなければならない。
「一度は死んだこの命を、医療の未来にささげようぜ!」
画面上ではゲンムとレーザーとの一騎打ちに見えるけれども、
その実は、ゲンムとレーザーの二人がお互いを鼓舞しながら
ゲムデウスウィルスと戦っているという、その構図が熱い。熱いしか言ってないけど本当に熱かった。
余談ですが、脚本では当然ゲンムの残りライフ数を計算して書かれているんですが、
撮影現場で勝手にゲンムを殺してしまうので、劇場版との関係で
ライフの計算しなおすのが大変だったという裏話を読みましたよ。そんなノリなのか現場。
そんなこんなで。
レベル0(ウィルス抑制)の力を持つ二人でも最強のゲムデウスウィルスを抑制することかなわず
グラファイトがあれだけ長時間苦しめられていたものを数時間で克服するという
無理ゲーに挑み、それに成功する。さすが黎斗。
そして、「仕返しじゃない」と言いながらも黎斗をいたぶり焚き付けてきた貴利矢を、
まさに命が尽きようとする瞬間に、無言で助ける黎斗が本当に良いし。
消える覚悟をしていたのに黎斗に助けられ、一瞬悔しそうな顔をしながらも
一瞬、満足そうに笑う貴利矢も良いし。
貴利矢の命を助けたことに何ひとつコメントせず、倒れる彼に手を貸そうともせず
「やはり私は不滅だー!」と笑う黎斗も良い。この人たち本当に良い。
こうして作られたドドクターマイティXXガシャット。
プレミアムバンダイで音声試聴が可能なんですが、
この犬猿の仲みたいな二人が完璧なユニゾンを見せてるボイスとか最高だし、
二人がセリフをかけあう部分も、本当にもう素晴らしくて
アイテム収集にはさほど情熱のない私も、このガシャットは欲しくてたまらないのである。
この音声だけブルーレイの特典映像に入れてくれないかな(真顔)
んで。肩で息をしながらも黎斗がガシャットを作り上げるのを見守った貴利矢が
完成した途端に「じゃあガシャットはもらってくぜ」と笑うオチが最高of最高でした。
こういう流れ、裏技込みで3回目かな。
ラスト。
「新檀黎斗という名前はもう捨てた。いまの私は、壇黎斗神だ!」で次回へ続くんですが、
ツイッターで「クロト神はギリシャ神話の生命をつかさどる神ですよ」という指摘があって、(参考:wikipedia)
なんかもう「最初からか!最初からこの流れに持ってくるつもりだったのか!」と震えている。
生命、寿命、死をつかさどる神の名前をもったキャラが
人の命をバグスターに変換し、死ぬことのない命を与えるとか、なぁ。どうなの。
檀正宗氏。
望みを達成するためなら、自らバグスターになることも厭わぬその姿勢が
「やっぱり黎斗のお父さんだな」としか言いようがない。マジで親子。
「檀正宗は人としての命を終えた」
「あいつ、バグスターになりやがった」
ていうか、今まで本当に人間だったんですね!(そこにびっくり)
本業は俳優さんじゃないのに、黎斗ばりに絶叫して高笑いする貴水さんがすごい。素晴らしい。
大我。
「息子さんには、母親が必要です。あなたも生きないと」
「俺一人が犠牲になればいいんだ」「俺には何も残されていない」と、
ずーっとつぶやき続けてきた彼が、けして自分が一人きりではないこと、
自分の命を捨てるのではなく、生きることで誰かを助けることができることに気づいた。
このときの大我は、エピソード0で見た、五年前の大我だった。
「お前がいて助かった。『医師免許がない』・・・それだけのことだ
お前ほどのドクターは、そうはいない」
医師免許がない、ただそれだけのこと。
いやもちろん医師免許は大事なんですけども、
それを紙切れ一枚の些末な問題だと言う飛彩が、さ。
今回はもう本当に、良いエンディングでした。良かった本当に良かった。
まぁ大変なことになってますけどね引き続き。