素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダー響鬼 四十之巻「迫るオロチ」

2017-02-04 08:00:00 | 仮面ライダー響鬼
初めてヒビキから名前で呼ばれた明日夢は喜びを隠し切れない。京介はヒビキへの弟子入りを懇願するが相手にされない。そこで京介はイブキに弟子入りを願い出る。一方、不思議な森による被害が発生。森の話を聞いたおやっさんは深刻な表情を浮かべる。


うむ。京介くんな。
「だいたい、レベルが低すぎるんだよ、うちの高校の授業はさ。退屈すぎて、死にたくなるよ」
とか。もうお前何様のつもりだよ!やっぱこいつ、超絶イヤなヤツだよ!!!
とギャー!ってなったんですけど、どうやら前回のヒビキさんに弟子入りを断られた件で、
ヒビキさんお気に入りの明日夢にドヤ顔されるのが嫌で登校拒否してたのが判明。
そういうとこは可愛いよな。いや、ドヤ顔しないけどね、明日夢くん。

そして。一度断られたら諦めるのかと思いきや、ヒビキさんに土下座して懇願。
さらにイブキさんにも弟子入り志願。
さらにさらにトドロキさんにも弟子入り志願。
挙句、あきらにまで弟子入り志願するという、ガチのガチで本気。

格好悪い姿なんて絶対見せたくない派であろう京介くんが
なりふりかまわず、手段選ばず、ここまで本気で鬼になることを望んでいるのである。
だんだん応援したい気持ちが高まってまいりました。ヒビキさん受け入れてあげなよ、話はそれからだ。

一方のヒビキさんと言えば。
「とにかく・・・もう、ダメなものはダメなの!わかる!?」と理不尽すぎる断り方をした挙句、
目の前で土下座してる京介くんを置いて逃亡。これは人としてダメです。

挙句にイブキさんから「どうして弟子を取らないんですか?」と責められるヒビキさん。
そりゃ当然だよね? 37話で悩むイブキさんを「自分で答えを出せ」と突き放したくせに
当の本人は弟子も取らず、責任も負わず、「俺は未熟者だし・・・」なんてヘラヘラしてるんだから。

「ヒビキさん、もしかして、どこかで逃げてるんじゃないんですか?」

後半になっていちばんキャラ変わったのはヒビキさんだな。
確かになんか逃げてる感じ、向き合ってない感じがある。
前半は、鬼としての弟子じゃなくとも、人生の弟子として明日夢くんと関わっていたのになぁ。

「少年はさぁ、少年のままでいいんだよ」

その言葉の意味は。
明日夢くんは明日夢くんらしく、無理に鬼の道を選んだりせず、自分らしい道を歩めばいいよってことなのか。
「一人前の人間として名前で呼ばれるべき存在」なんてならずに、半人前のままでいれば良いってことなのか。

いや、後者とかおかしな話なんですけど、
今のヒビキさんのグダグダっぷりだと、後者の意味もありそうな気がして、なんかもやっとするな。

そんなモヤモヤした展開の中、あきらが弟子をとることを了承。
そして、鬼へと変化します。これは予想外の鳥肌展開! ここで!ここで次回に続くのかよ!

仮面ライダー響鬼 三十九之巻「始まる君」

2017-02-03 08:00:00 | 仮面ライダー響鬼
音撃の効かない魔化魍・ヨブコの前に力尽きる響鬼。魔化魍に囚われた明日夢とみどり。「たちばな」では京介はみどりの研究室に入り込み、変身音叉を手にして・・・。


「ありがとな。明日夢」

最後の最後に全ての感想が吹き飛んだぞ。
ヒビキさんが、ヒビキさんがとうとう「明日夢」って呼んだ。
これは・・・これは良いことなんだろうか、明日夢くんは喜んでいるけれど。

「自然には、全てのものに『響き』がある」というヒビキさんの教えを体現した明日夢くん。
新しくヒビキさんの弟子入りを志願する京介くん。
名前で呼ぶ、弟子に名を与えるという行為は、独り立ちを認めたということでは?
そういえばタイトルも「始まる君」である。

居場所を見つけられず途方に暮れていた明日夢くんにとって、
憧れのヒビキさんから名前を呼ばれたこと、認めてもらえたことは200%嬉しいことなんだけど、
二人の関係がひとつの時代を終えた感じがして、見ていてなんだか寂しい気持ちになったり。

さておき。
米村さん脚本後編。序盤の「おしるこで酔っ払うトドロキさん」とか
「俺が・・・獅子?」「いや、そうじゃなくて」っていうトドロキさんと勢地郎さんの掛け合いが楽しくて、
あぁコメディな感じが得意の人なのかな?とか思ってたら
中盤以降の名台詞の連発に言葉を失いましたよ。
米村さんが脚本担当されてるカブトとディケイドへの期待が高まるばかりである。素晴らしい。

あきらを探すイブキさんと、自分に答えが出せずイブキさんに会えないあきら。
自分を必死で求める声を聞きながら、イブキさんの気持ちを理解しながら、身を隠すことしかない辛さ。

「いま、君が悩んでいるように、僕も悩んでいる。本当に僕は弟子を取るに足る人間なのかどうか。
 そしてその結論は、僕も自分で出そうと思う。だからあきら、君も自分で結論を出すんだ。
 鬼になるかならないか。決められるのは、君だけだ」

真摯だよな。年上だからとか、師匠だからとか、そういうの関係なく
自分の心をさらけだして、真正面から応えるイブキさん。
後半になって作品のスタイルを変えた響鬼ですが、やっぱり芯の部分は同じ感じがする。
やっぱりこれは、変わらず「響鬼」だよなって感じがする。

「ザンキさん。俺、一人でやったっす。だから俺、負けたけど、負けてないっす」
「・・・」
「こないでください!俺だってそんなに・・・そんなにヤワじゃないっすよ。
 ザンキさん・・・いままで、いままで本当に、本当に、ありがとうございました!」

最後は笑顔を作ったトドロキくん。すごい頑張った。

「負けるのがわかってるのに戦うなんて、意味ないですよ!」
「それが、意味あるんだよ。待ってるやつがいるからさ」

負けん気が強すぎて、確実に勝てる勝負しか挑まない京介くんですが、
ヒビキさんに勝負を挑んだということは、ヒビキさんを「勝てる相手」と踏んだのかな?
京介くんにこそ、トドロキくんの「負けたけど、負けてない」という戦い方を見て欲しかった。

もうさ、後半が名シーンの目白押し。最終回直前か。
37話を見たとき「これは響鬼で最高の回だな」と思ったのに、既にそれが揺らいでる。これも最高の回だぞ。
ほかにもいいぞと思った部分がいくつかありましたが、全部あげてたら30分全解説になってしまうくらい良い回です。

仮面ライダー響鬼 三十八之巻「敗れる音撃」

2017-02-02 08:00:00 | 仮面ライダー響鬼
ヒビキの弟子になるという京介の宣言と、吹奏楽部の合宿に必要ないと言う部長の言葉に落ち込む明日夢。そんな明日夢にみどりは補欠の子を集めて自分達で合宿をすればいいと提案。一方、響鬼は音撃が通用しない魔化魍・ヨブコに大苦戦を強いられていた。


あれ?ホイッスルの練習って、野球部の応援歌限定じゃないの?
もう夏の甲子園は終わってるよね?・・・って放映日を確認。10月30日だよ。
つーか、吹奏楽部の合宿っていう季節でもねーぞ(笑)

38話。朱鬼さんのヘヴィーな話が終わって井上御大の脚本はちょっとお休みです。
放映日を調べるついでにWikipedia眺めたら、38−39話のみ米村正二さん脚本で
あとは最後まで御大が担当される模様。楽しみ。
米村さんはこの回がライダー初脚本で、次作カブトではメインライターを務めるのか。なるほど。

さて今回のテーマはすれ違う師匠と弟子。
イブキさんとあきらちゃん。
前回の朱鬼さんの一件で、あきらちゃんの心は宙に浮いたままだし、
そんなあきらちゃんの心が全く見えないと、無力感に打ちひしがれるイブキさん。

「もともと僕には・・・師匠をする資格なんてなかったんです」

などと逃げ腰なことを言って、ザンキさんに殴られます。

うん・・・まぁなんていうか、人の親をやってるとわかるような気もします。
自分なんかが人間育てる資格あるんだろうか?って思ったりもするけど、
いやもう、資格があるとかないとか、そういう問題じゃないからさ。
始めたからには、途中で投げ出せないから。最後まで育てる責任があるからさ。
いまさらつまんねーことグダグダ言ってんなよ!っていうザンキさんの気持ち、わかる。

一方、ザンキさんとトドロキさん。
ザンキさんがイブキさんを殴るところを見てしまったトドロキさんは、
嫉妬?嫉妬なんだろうな。「やっぱ俺、ザンキさんと一緒に戦いたいっす!」と
甘えたことを言い出します。いや、今さっきザンキさん、体調悪そうにしてただろうが。

挙句に「だったら!俺も殴ってくださいよ! イブキさんみたいに思いっきり! お願いします!」
と、なんかもう、なんかもうまったくもう、体育会系はなんでも体当たりしかできないのかよ!っていう
ダメダメ発言連発で、ザンキさんも愛想を尽かした感じで去っていきます。うーん。

いや、この二人はなんやかや言っても体育会系だから、時間をおけばあっさり解決しそうなんですが、
このあとザンキさんが、アレしてアレするっていう大まかな流れは把握しており、
あぁぁ、これがきっかけで坂道転がり落ちるんじゃねーの?という悲しい顔になっている。いま。

童子と姫に襲われる明日夢くん。

前半の魔化魍は山奥でしか活動してなくて、明日夢くんともほぼ接触がなかったんですが、
ここへきて、童子&姫に拉致られちゃうとか。なんか見慣れない絵面です。

仮面ライダー響鬼 三十七之巻「甦る雷」

2017-02-01 08:00:00 | 仮面ライダー響鬼
ノツゴの攻撃を受け川へ落下したあきらは再び鬼の姿となったシュキによって助けられていた。両親を殺されたことで鬼を目指したあきらにシュキは「憎しみを忘れるな」と言う。その頃、イブキに吉野から鬼祓いの命令が下る。


うーむ。
これは響鬼の中で一番好きなエピソードになるかもしれん。

「私はこの手で何人もの鬼を育ててきた・・・言ってみろ」

この「言ってみろ」の言い方が、なんだろう、なぜかすごく特徴的だなぁと感じたんですが、
のちに「本当の年齢は、お前のおばあちゃんより上だろう」というザンキさんのセリフでなんか納得。
もうさ、なんか人のことわりから外れた物言いって感じがある。

そして、あきらも魔化魍に親を殺された、朱鬼と共通する身の上があると知って
「憎しみを忘れるな、憎しみが前を強くする」と、ザンキさんとは正反対の言葉を伝える。
これはなぁ、もうな、ザンキさんの言葉よりずっとまっすぐにあきらの胸に突き刺さってくるよな。

「あなたは憎しみで動いている。鬼であってはいけない人だ」というザンキさんに対する
「なぜ悪い」という短くも完全なる否定が、すっげぇ良かった。
ああもう違うんだこの人は、っていう。もう完全に違う世界で生きてるんだって感じがすごい。

だからそのあとノツゴが現れたとき、あきらをエサに使うんじゃないかって思った。
でもまず、あきらを逃すんですよね。
誰かをエサにしないと倒せないノツゴだけど、でもエサになれとは言わない、思わないんですよ。

まぁ結果的にあきらは捕まるし、
朱鬼さんは「待っていたぞ、このときを」とか言ってあきらもろとも撃破しようとする。
人としてアウトなんですけど、とっさに犠牲を切り捨てる判断ができる強さがすごい。
人としてはアウトだけど、強い。

とは言え。以前ノツゴをザンキさんもろとも倒そうとした時には、
急所を外してしまったせいで取り逃がしていたわけで。「鬼」にはなりきれていなくって。

いまも。弟子入り志願するあきらに対し、一瞬だけ微妙に和らげた表情をして、受け入れるんですよね。
そして、古の鬼が持っていたという力をあきらに見せて「いずれお前にも教えてやる」と。
復讐のためだけに生きてるのに、それでいて、自分の技を未来に伝えようともしている、

闇に在りながら、その目で未来を、光を、見てるんですよ、まっすぐ。
なんかもう、なんかもうすごい。うん。

そんな朱鬼の生き様に圧倒されつつ、
サイドストーリーで展開されてるイブキさんの話も何気に濃いんですわ。

鬼祓いのサポートをヒビキさんに依頼するんだけど、いつものように二つ返事で了解してくれると思ったら
まさかの無言。そんなヒビキさんの拒否を目の当たりにしたイブキさんの表情がね!素晴らしいですよね!

「お前が自分で答えを出さないと。あきらのためにも」

こんな局面で突き放すかヒビキさん。
っていうか、鬼祓いが宗家の役目っていうのはすごく納得いくんだけど、
要は「人を殺せ」と言ってるわけでしょ?ひどいよね。そりゃイブキさんも悩むよね。
それに対し、自分で解決しろと突き放すヒビキさんも鬼すぎる。鬼だけど。

んで、たった一人で朱鬼と対峙するイブキさん。朱鬼の傍に立つあきらに向かって
「こっちへ来い、あきら」と命令。あのイブキさんが命令!

「君には鬼の影の領域に踏み込んで欲しくないんだ。あきら、来るんだ!!」
「いやです!」

そして即決拒否ですよ。
今まであんなに強い信頼関係で結ばれていた二人がこんなことになってしまって、
続きが気になります。すごく良かった。すごく良い回だった。

仮面ライダー響鬼 三十六之巻「飢える朱鬼」

2017-01-31 08:00:00 | 仮面ライダー響鬼
神社から鬼の鎧が盗まれ、その鎧をまとった何者かに裁鬼が襲われた。立ち去る謎の鎧に、ザンキはただならぬ雰囲気を感じとる。一方、京介に鬼の弟子としての甘さを指摘されたあきらは、鬼になることへの疑問を感じ始める。悩むあきらを、イブキはザンキに預ける。


家族愛的なものに飢えた男、京介くんが
調和を保っていた「たちばな」界隈に石を投げまくりです。
悪意、とかではないと思うんだ。ただ彼は、誰かに認めてもらいたくて、
明日夢くんやあきらちゃんを引きずり下ろせば、自分がその位置に立てると勘違いしてるんだ。

・・・うん、悪意とかなくても、大変迷惑な話ですよね。

そこで京介くんの攻撃をくらったあきらちゃんは立ち止まって考え始める。
っていうか、あきらちゃん、「両親を魔化魍に殺された」んですね。

「イブキさんは憎しみを捨てろって言うんですけど、本当にそれで良いんでしょうか?
 憎しみが魔化魍を倒すエネルギーになるってことも、あると思うんですけれど」
「鬼になるっってことがどういうことか、お前にわかるか?」
「それは・・・体を鍛えて、技を磨いて、心を強くもって」
「あぁ、だがそれよりも大事なことがある。自分の中の鬼を殺すことだ」

復讐のエネルギーを糧にしなければ鬼の修行ができないのなら、鬼になるべきではない、
そうあきらちゃんに告げるザンキさん。
ヒビキさんも「鬼であるってことは、鬼であっちゃいけない、ってことかな?」と答えていて。
一方で「鬼をやめさせられた」と言われる朱鬼さんは、内なる鬼に負けてしまったのだろうな、と。

うーん、鬼はどんだけ聖職なんだよ!って話ですが、
強い力を持つ者は、それだけ強い自制心を持たねばならぬということですよね。
なんやかや言っても、毎回きっちりテーマを投げかけてきますね。続く。