突如現れたレイダーによって消防訓練対決が行われたビルで本物の火災が発生。救助される役として参加した福添副社長らがビルの中に取り残されてしまった。今度は福添らをいち早く無事に救助することをルールに勝負再開。ヒューマギアの119之助と消防隊長・穂村はビルへと突入していく・・・。/span>
燃える火の輪の中で戦う、金と赤金の仮面ライダー。
いやもう完全に趣味の世界ですね!
踊り狂う炎を反射してきらめくう二人の姿が、
善悪を超越して、ただただ美しかったです。良かった。
さてさて本編。
人命を守るために炎の中に身を投げ、機能を停止した119之助。
こういうのはもう、問答無用に刺さりますよね。
こどもの頃に読んだ絵本「幸福な王子」を思い出しました。
みすぼらしい姿になった王子の像は、心無い人々によって柱から取り外され溶鉱炉で溶かされたが、鉛の心臓だけは溶けず、ツバメと一緒にゴミ溜めに捨てられた。 wikipedia「幸福な王子」
灰にまみれてかき出された「鉛の心臓」(確か絵本では可愛いハートの形をしていた記憶)を
唐突に思いだしました。懐かしい。
「人間を助けるために」「自分の持てる全てを失い」「炎に焼かれ金属の塊に還る」
いや、もうね、幼児期に心にヒットした絵本の1ページを思わせるシーン、
刺さらないわけがない!とても良かったです!!
それはそれとして、ですね。
「バックアップで復元できるのに、なぜそこまで・・・」
「頑張ってくれた社員をほっとけないだろ」
序盤でも思ったんですが、ヒューマギアへの思い入れが深い、深過ぎる或人は
なんか危ういなぁと、思うんですよね。
言ったらアレですけど、復元可能なんですよヒューマギアは。
死んでしまっても、代替可能なんです。
だから、「いくら殺しても大丈夫」とまでは言いませんけど、
今回みたいな生きるか死ぬかの究極のシチュエーションにおいては
やはり、まず最初に犠牲として選ばれますよね。
或いは、ヒューマギアの犠牲を前提とした、ヒューマギアの命を踏み台にした救出作戦だって、
当然のようにたてられる訳で。
つまり、人間と比べて圧倒的に消費されやすい存在だと思うんです。
だから深く関わる人ほど、そこは割り切っていかないと、
人間と同じように扱っていたら、いつか自分が壊れてしまうんじゃないかと。
一方で。劇場版に登場したウィルは
「ヒューマギアの労働に対しても報酬が支払われるべき」と主張してまして。
「報酬って具体的に何よ?」って思うんですが、たぶんお金じゃないだろうし
高価なオプションパーツ? 最先端のシステム?っていうのもピンと来なくて
やっぱ「大事に扱ってもらう」「人間と同レベルの待遇を得る」ことなんじゃないかと。
いや、わかんないですよ?
そうなんじゃねーかな?っていう話で。
だとすると、或人のそういう対応こそ
ウィルが、迅が、全てのヒューマギアが求める「報酬」なのかもしれない。
でもさー。なんかとにかく危ういんですよ。バランスが悪いというか、
あの生き方が正解とは思えない。
さらに深読みすると、先代の是之介社長も同じようにヒューマギアに傾倒していて、
そんな是之介の在り様を心配した天津垓が、
ヒューマギアそのものを廃し、ZAIAスペックでその代わりを補おうとした?
・・・っていうと、美談すぎるし、流石に無理があるけど(苦笑。
天津垓。
「社長、彼の意見も一理あるかと」
「キミの意見は聞いていない」
「はい・・・すみません・・・」
東映公式で「冷静に見えても少しずつ綻び始める精神状態」と記述されてた天津垓ですが
唯阿の意見を一蹴する態度は、異様というか、
歯車狂ってきてる感じが、すごく不穏で。
今回のレイダーは、天津垓が準備したものじゃなく
ZAIAの研究員が自発的に動いたってことなんでしょうか。
愛社精神に富んでるな。
「君は・・・どこの部署の人間だ?」
「開発部です! ヒューマギアが勝負に負けるように仕向ければ
社長のお役に立てると思って、会社からレイドライザーを持ち出して・・・」
結果、ZAIAでレイドライザー作ってたことがバレてしまったので
京極さんむしろミステイク!って感じです。
あの1000%社長、「全てはシナリオどおり」と謳う天津垓のことだから
社員がレイダー化したのも想定内じゃないの?って感じですが
その結果、追い詰められてる姿には、普段の余裕なんてなくて。
なんかな、ああいうマッドサイエンティストみたいな敵役は
計算高いのが魅力的なんであって、
それが自己崩壊しちゃったら、収拾つかなくなるんじゃないか?
どうなんのかな、天津垓が崩壊したあとには、それを背後から操る真の敵が!?
みたいな展開になるんでしょうか。やだなー。
「レイドライザーの価値も知らずに・・・。
危険なヒューマギアに対抗するためにA.I.M.S.が使う兵器がショットライザーなら、
民間人が使う兵器がレイドライザー、
つまり、人命救助のための正義のテクノロジーなのですよ」
しかし。お仕事5番勝負はチェックメイト寸前で、
飛電インテリジェンスを買収しちゃえば、ヒューマギアなんて一掃できるんですよね?
「危険なヒューマギアに対抗する」必要もないと思うんですが、
なぜか、民間人用の兵器まで開発してるとか。
天津垓の見てる「シナリオ」では、
民間人がヒューマギアと戦争する未来が描かれているんでしょうか。
事前に兵器まで準備してるとか、その段取りの良さからすると
何かしら信用性が高いソースがありそうな気配も。話が読めないぞ。
まったく関係ないけど、遠距離からスナイピングしてくるパンダレイザー、
その攻撃スタイル、怪人にしては珍しく感じました。
だってほら、遠距離攻撃用の武器つかって近接攻撃してくる人ばっかりじゃん(笑。
副社長&専務ペア。
「副社長・・・お先に失礼します・・・」
「逝くなー!まだ勤務時間だろー!」
こういうセリフ、大好きです。
「人間とヒューマギアが手を取り合う未来は、かなわない夢なんでしょうか」
「信じよう・・・119之助を」
この勝負に負けたら飛電インテリジェンスは終わりなんですけど、
「負けたら自分の肩書きは」「収入は」を気にするんじゃなく、
是之介社長が目指していた「未来」を最初に考えるっていう。
劇場版を見てるから、この二人が意外とあぁ見えても
ちゃんと会社のことを愛してるんだなってことを知っていますが、
やっぱね、そういう態度をちょくちょく出してもらえると
好感度あがりますよね。最終回までバタバタ元気にやってる立ち位置ですね。