映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回はベニチオ・デル・トロ主演の国際援助活動家に扮した「ロープ/戦場の生命線」です。
舞台は、停戦直後のバルカン半島。ある村の井戸に死体が投げ込まれ生活用水が汚染される恐れがあり、国境なき水と衛生管理団が派遣される。死体を引き上げるロープが切れ、ロープを探しに行くことに。地雷や武装集団が待ち受ける紛争地帯の中で、ある少年と出会い、ロープが見つかるが、そこには思いかけない事実に直面することに。
衛生管理団のリーダーを演じるのは、こうした無法地帯に登場する役柄が似合うベニチオ・デル・トロ。ワイルドな風貌にクールな性格を併せ持つ使命感にあふれるボランティアのリーダー役は、また違う雰囲気を持ちかっこいい。
ロープを探す目的だけのシンプルなストーリーもリアリティーがあり緊張感にあふれていました。スペイン映画としては、異色な作品ですが、サスペンス的な要素もありスペインの秀作らしい作品でした。ちなみに、本作はスペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞の最優秀脚本賞を受賞しています。
国境なき云々と言えば、ノーベル平和賞を受賞した国境なき医師団を思い浮かべましたが、医師団以外にも、紛争地帯で活躍するボランティア団体の存在を知る機会を与えてくれ、国際情勢をつぶさに知る機会となりました。その意味でも、ぜひ観てほしい作品です。