映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、茶々丸オヤジの好きな10年前に上映された作品「北京ヴァイオリン」です。
中国の片田舎に住む男が、天才ヴァイオリニストの息子のために、北京に住み働きながら、息子のために孤軍奮闘する物語。
北京で出会う過去に傷をもつ大人たちが、息子の屈託のない姿と言葉に次第に心を開いていくのが、とてもコミカルに描かれています。
主演は、父親役のリウ・ペイチーですが、息子役のタン・ユンは、音楽学校の生徒で、演技には素人だったとか。かえって、僕にとっては演技をしない自然さが心打ちました。
ちなみに、監督のチェン・カイコーが、二人目の先生である音楽教授役で出演しています。
中国題や海外題では、あなたと一緒にの意味があり、繰り広げれる親子関係に、目を向けていくと、観るたびに思わぬ発見が出てきます。
北京の雑踏と街で生きる人々のエネルギー、クラシックの練習風景にあわせて淡々と描かれて、ラストを迎えるまで、都会に生きる人々のショートストーリーのような雰囲気ですが、最後に明かされる、父と母、そして息子との過去が、ヴァイオリンの鮮烈な音色と共に激しく展開され、知らず知らすのうちに涙が止め処もなく流れてきます。
音楽をテーマにした、後世に残したいヒューマンドラマの名作だと確信します。