映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。河瀬直美監督の最新作「2つ目の窓」です。
カンヌ国際映画祭で新人監督賞、グランプリと2度の受賞と日本人初の審査員も務めた河瀬直美。彼女ほど日本の情景美を今に伝える事にたけた監督はいないと思います。
今回の最新作は監督自身の最高傑作の呼び声高い作品で、個人的にも過去の2作と比べても好きな作品でした。萌の朱雀やもがりの森の2作はふるさと奈良を舞台に描かれ山のイメージを強く持っていましたが、今回は海の奄美大島を舞台に高校生の男女を中心に、若い二人の抱える様々な感情の機微を自然の情景と重ねながら描かれています。
物語は、8月のある日溺死体と発見しながら証言できない界人のあるわだかまりと島の祭祀のユタ神様である母が死期を迎ええながら、死への疑念を抱く杏子の二人の日常が進みます。両親の離婚、母の女性としての性。多感な時期の少年が抱くは母への思い。いのちをつなぐことへの杏子の界人への求愛など。純粋な若い男女の姿が生き生きと描かれていました。