65オヤジのスタイルブック

映画「海洋天童」

以前茶々丸オヤジのブログでも紹介して公開が待ち遠しかった映画「海洋天童」を観てきました。

北京ヴァイオリンで、一躍脚光を浴びた中国の女性脚本家、シュエ・シャオルーの初監督作品の「海洋天童」は、彼女の14年間にわたる自閉症支援施設でのボランティア活動を元に生まれた作品で、その原作を読んだ、ジェット・リーが、ノーギャラ、ノーアクション、ノーヒーローで出演。撮影には、ウォン・カーウァイ作品を手がける、クリストーファー・ドイルが、音楽は、久石譲が加わる話題作です。

自閉症の息子と二人暮らしのジェット・リー演じる父が末期がんの宣告を受け、彼の死後、残された息子が生きていくための術を教える過程を淡々と描いています。

水族館で働きながら、泳ぐことが大好きな息子を常に見守りながら、仕事の合間を縫って奔走する父の平凡な日常の中ににじみ出る父の愛情が静かに心を打ちます。

自閉症の子供を持つ親が抱える問題に真正面から、取り組みながら、言葉ではなく、父の姿で表現した無言の説得力を感じる映画です。

最近アイデンティティを過大に強調するあまり、他者のアイデンティティを否定する動きが集団的に行われることに恐れを感じます。

しかしながら、海洋天童のような、人間愛や家族愛を描いた作品を観るにつけ、そうした恐れはなくなり、他者のアイデンティティの奥にある共通のものを引き出す勇気を持ちます。

表面的な事象にとらわれることなく、国内外の優れた名作の出会いを重ねて行きたいと思ってます。

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