映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は天才・舞踏家ピナ・バウシュの舞台を描いたドキュメンタリー作品「夢の教室」です。
ダンサーを描いた作品が好きな僕にとって、今回の作品は異色でした。
舞踏家として、また振付師として数々の栄光に輝く、ピナ・バウシュが09年に68歳でガンにより突然この世を去った彼女手がけた演目コンタクトホープ。その舞台を演じるのは、ダンス経験のない40人の高校生たち。
10ヶ月後の舞台に挑む練習期間と本番の舞台を描いたドキュメントは、性格も家庭環境もまったく違う子ども達の葛藤と成長を映し出されていきます
現代舞踊の振り付けと演出は、子ども達の発想を超えるもので、経験以上に内在する感情が生み出されて、可能性が増幅される感覚を覚えました。
ピナと言う、子供達には無知な存在の彼女により、ダンスを通じて人間的に成長できたことを、インタビューから伺い知ることができます。それは、ひとつのものを作り上げ完成した時に味わうことが出来ると歓喜が人を大きくしていくことの証と言えます。
その感動は、フィナーレの舞台で見るものまでも歓喜の渦に巻き込みます。彼女を知らなくても、その舞台が雄弁に語っていました。