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札幌・円山生活日記

「森彦(café MORIHICO.)」~『カフェがなくなったら・・・』~

札幌・旭川で10店舗以上のカフェ/レストランを多店舗展開するコーヒーカンパニー「森彦」(MORIHICO.)の創業店。築80年近くの古民家を改装したという小さな店はリピーターが絶えないカフェ好き/コーヒー好きの「聖地」とか。地下鉄東西線「円山公園駅」徒歩数分の住宅街の中にあります。

今日は約1年ぶりの「森彦(café MORIHICO.」です。我が家から地下鉄東西線「円山公園駅」への往来や「マルヤマクラス」などでの買い物の際などに店先を通ると多くの日で入店待ち客が並んでいます(地図)。そんな繁盛ぶりでも「森彦」は営業努力として季節毎に特色を出した商品の看板を店頭に出しています。今は冬季限定の「玄米餅の白いおしるこ」です。本日はその冬季限定品を楽しみつつMORIHICO.CEO市川草介氏の著書『カフェがなくなったら・・・』での記述を店内で改めて観察しようとやってきました。何となく「森彦」信者になったようで「聖地」訪問です。そのため「月曜日の午前中なら客も少ないだろう?」と勝手に決めてやってきたのですが開店1時間もするとほぼ満席になりました。相変わらずの繁盛ぶりに「聖地」の人気を再確認しました。


「森彦」の外観。煙突から薪ストーブの煙が出ています。この木造の古民家は築80年近く経っていとか。市川草介氏が現在「円麦」のある場所に父親が開設したデザイン事務所に通っていた時から気になっていた建物だとか。当時は“小さな建物がポツーンと孤立していた”とか。今は周囲のコンクリート・マンション群の中にあって際立つ風情のある建物となっています。
「玄米餅の白いおしるこ」の看板。


上記のMORIHICO.CEOの市川草介氏の著書『カフェがなくなったら・・・』(2019年現代書林)。以下の“-”(カッコ)斜体書きは同著書からの引用です。市川CEOの店への想いを感じてください。


「森彦」入口の暖簾と古い看板(左)。“入口にかけた暖簾も春、夏、秋、冬でそれぞれ4色と染めわけた”とか。今は冬色なのでしょう。

看板の“「森彦」という字も自分でしたためた。栗の大きな1枚板にノミで掘ったものだ”そうです。暖簾をくぐりガラガラと2重の引き戸を開けて入店します。


入店すると「2階へどうぞ」と案内され階段をあがります。“店内には2階にあがる急な階段がついている。それを見たゲストは一様に驚く。もちろん安全のために手すりは取り付けてある”。確かに急な階段ですが古い民家は皆このような階段だったそうです。


2階フロアには中央の吹き抜けに面して2人掛け丸テーブルと奥に4人掛けテーブルがあります。その右側には昔は「押し入れ」だったというスペースに2人掛けテーブルがあります(後掲)。


“2階の吹き抜けと出窓の間に人気の席がある。このテーブルも自前で、ここを改装した際に出てきた廃材で作った”という窓際の人気の席です。


“例の吹き抜けから下を臨むとこういう絵になる。小さな古民家の中から見られる景色ではない”。2階中央の吹き抜けから見た1階のキッチンとレジ付近です。「森彦」を代表する絵です。

中央の吹き抜けに面した2人掛け丸テーブル。手すりの古いコーヒーミルも風景に欠かせない小物です。

昔は「押し入れ」だったというスペースの2人掛けテーブル席。席毎に置かれている呼び鈴等の小物類もそれぞれです。


2階の窓から見える鳥の餌台。“ある時、二階の窓辺に鳥の餌台を置いた。コーヒーを飲みながら野鳥観察ができれば素敵だなぁと思った。実際にはここにヒヨドリが来た”そうです。今は高く雪をかぶっています。借景のお隣さんの庭も雰囲気を壊すことなく建て替えが完了しつつあります。


“「森彦」の宝物。「森彦ノート」という落書き帖と鉛筆。優に数百冊がある。ゲストがおもいおもいのことを書いていっている”これを読みながら時を過ごす客も少なくないそうです。


店内紹介は小休止してメニューを拝見。コーヒー等の飲み物のほかケーキ類があります。森彦で提供されているスイーツは「Marie Pierre(マリ・ピエール)」製。「シマエナガ」をイメージして作られた土日限定の「しまちゃんのココアティラミス」で人気の系列店です。


こちらは冬季限定のメニュー「玄米餅の白いおしるこ」と「円麦」の食パン使用の「パンメニュー」。左の呼び鈴を「チリン」と鳴らし「ケーキセット」と「パンセット」に「おしるこ」を注文しました。


「ケーキセット」と「パンセット」の「チーズトースト」。飲み物は「フレンチブレンド」(税込み638円。ケーキとセットで100円引き)で“直火窯でカフェオイルが染み出るまで深煎り。甘い香りと濃厚なコクが特徴のコロンビア、モカ、マンデリンのブレンドです”という濃い味の森彦コーヒーです。
「チーズトースト」。「円麦」とのコラボ商品で“オーガニック小麦の香りひろがるもっちりと柔らかい食パンにたっぷりとチーズを乗せカリっと焼き上ます”。ふわふわカリカリのチーズトースト。
ケーキは冬限定の「ショコラルージュ」(同605円)。“果実味のある赤ワインのムースに甘酸っぱいベリー、濃厚なチョコブラウニーを組み合わせました”。良く出来た洗練されたケーキです。ちなみに「ケーキセット」は638円+605円-100円と少しお安くなります。


「玄米餅の白いおしるこ」(同825円)と「デカフェ」(同770円。パンセットで50円引き)。「デカフェ」は‟カフェインを取り除いても品質の変わらないコロンビア原産生豆とMORIHICO.独自の焙煎技術が結晶した美味しいデカフェ”です

「玄米餅の白いおしるこ」は“白あんと豆乳のやさしい甘さのおしるこです。豆とあられをアクセントに新潟の玄米餅をこんがり焼き上げました”。玄米餅が通常の餅よりも味わい深い感じでした。甘さもしっかりで寒い日にはぴったりです。


「利用は1時間を目安に」と書かれていますがそれ以前に会計です。昔は“最長5時間いたゲストもいた”そうですが周囲の皆さんも1時間もしないうちに退店されていきました。


1階の店内です。以前は台所だったというコーナーに置かれている黒電話等。“突然「リーンリーン」と鳴ってゲストの若者が飛び上がって驚く。黒電話を今の若者は知らない”と書かれていましたが受話器を上げて回線を確認しましたが今は使われていないようです。


1階左奥の大きなテーブル席。“傷ついたテーブルとおばあちゃんの家にあった足踏みミシンーすべてが「森彦」に必要なアイテムである。・・”

“・・「森彦」がオープンした時、これでネルを縫っていた”というミシンが中央に置かれています。こちらは元居間で左奥のウイスキー・カウンターは開店当初は夜はバーとしても使っていた頃の名残だそうです。


更にその足踏みミシンの下部を利用したカウンター席です。


そして‟「ヨツール118」というノルウェー産の薪ストーブ。寝る前に長い薪を突っ込んでおくと朝までしっかりと燃える”という薪ストーブです。1階・2階ともにこのストーブ以外に煖房器具もないのに建物全体が暖かでした。高い煖房効果なのでしょう。


「森彦」のある小道を出て「マルヤマクラス」を見たところです。通常は2車線の道路なのですが今は行き交うのも大変な道幅です。車道脇の雪山も高くなり歩道は凸凹ですので車道を歩く人がほとんです。周囲のマンション管理人さんや一軒家は雪かきが大変そうです。

今や超有名となったコーヒーカンパニー「森彦」(MORIHICO.)の創業店はCEO氏の深い拘りが感じられる「聖地」でした。一種の観光名所的な側面もあるのかも知れませんが多くの人を引き付ける魅力的な空間です。この空間への拘りが「森彦」(MORIHICO.)グループ成功の大きな要因なのでしょう。そんな1年に何度かは訪問したくなるようなお店でした。ご馳走様です。

「森彦」
札幌市中央区南2条西26丁目2–18 011–622–8880
営業時間 平祝日:10:00〜21:00(L.O. 20:30)
土日:8:00〜21:00(L.O. 20:30)
*【1/27(木)〜2/20(日)】は全日 10:00-19:00(L.O.18:30)
定休日 : なし *年末年始休あり
(2022.2.14訪問)

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