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札幌・円山生活日記

札幌国際芸術祭2024 LAST SNOW 「明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌」~札幌芸術の森美術館~

札幌で世界の最新アート作品に出合える特別なアートイベント「札幌国際芸術祭」。6年半振りとなる「札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)」は札幌市内6ヵ所を主要会場に2024年1月20日〜2月25日の会期で『LAST SNOW』というテーマの下で開催されます。「札幌芸術の森美術館」では他会場に先駆けて「明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌」と「メディアアーツ都市・札幌って知ってました?」が開催中です。

本日は「札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)」鑑賞です。「札幌芸術の森美術館」では、「メディアアーツの森」という会場テーマのもと、展示室にて「明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌」、B展示室にて「メディアアーツ都市・札幌って知ってました?」が開催されています。大雪で敢えなく途中撤退した「野外美術館 芸森かんじきウォーク2024」 の後にやってきました。こちらは大変見応えのある展示で十分に楽しませていただきました。
「芸術の森」入口付近から除雪された小径を美術館に向かいます。
「札幌芸術の森美術館」。
受付でスマホに格納された「札幌国際芸術祭2024」デジタルチケット(市民・道民パスポート)をピッと読み取らせて入場。
「明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌」ちらし。
洒落を効かせて楽器とアートを融合させる芸術ユニット「明和電機」。
白シャツネクタイに青い作業服で身を固めた独特の姿で、自作の奇天烈な楽器を演奏するパフォーマンスもまた魅力のひとつ。
本展は1993年の創立以来の「ナンセンスマシーン」を一堂に集め、プレゼンテーション自体をアートにしてきた活動の軌跡を紹介します。
出品者「明和電機」。
土佐信道プロデュースによる芸術ユニット。様々なナンセンスマシーンを開発しライブや展覧会など、国内外で広く発表している。音符の形の電子楽器「オタマトーン」などの商品開発も行う。
2019年7月には明和電機のおかしな楽器ばかりを集めた「明和電機ミュージックマシーン店」を秋葉原にオープンした。2023年はデビュー30周年を迎える。
展示会場。「明和電機(めいわでんき)」は中小電機メーカーに「擬態」した芸術ユニットで土佐信道氏が筑波大学在学中に『魚器シリーズ』の源流となる作品を発表し兄の正道氏を引き入れて結成したそうです。展示会場は『魚器(なき)シリーズ』『EDELWEISSシリーズ』『ツクバシリーズ』『ボイスメカニクスシリーズ』の順にシリーズ作品(明和電機では「作品ではなく製品」)群が展示されています。会場内は写真撮影OK。冒頭の作品は『魚器シリーズ』の《魚立琴(なたてごと)》(1994年)。
 なお展示内容についてはフォローさせていただいている「散歩日記XX」さんのブログに判りやすく解説されているのでお勧めします。
『魚器(なき)シリーズ』の展示室。同シリーズは人間を魚に比喩し単純化することで理解することを目的にした魚骨をモチーフにした作品群。明和電機の代表作だそうです。
その一つ《弓魚(ゆみな)3号カブラヤ》(1994年)。脊髄が矢になった魚骨型の弓矢。スタイルが目を惹きます。
『EDELWEISSシリーズ』の展示室。同シリーズは土佐信道氏自身の「女性とは、そして生物的なメスとは何か?」という疑問がテーマ。 女性の持つ「子宮、遺伝子、表層、ファッション、エロス、母性」などの特徴を架空の結晶の花「EDELWEISS」に象徴させ、その花を探すためのアイテムとして創り出した作品群だそうです。判り難いかも?でも見て楽しいです。
胎児『サバオ』の造形による壁《サバオ・ウォール》 (2016)と《ニュートン銃》(1998年)。
《プードルズヘッド》(2004年)。エンジンで駆動するナイフが並んだアゴでメスを噛み砕く装置だそうです。
これも難解な感じですがショッピングセンターかどこかで稼働させている映像が放映されています。かなりのインパクトで大うけのようでした。

『ツクバシリーズ』の展示室。同シリーズはアナログな動作を特長とする楽器シリーズで舞台パフォーマンスや音楽活動に用いられているとか。この楽器群を用いて制作された音楽ジャンルを「ツクバミュージック」と自称しCDも発売されているそうです。
その舞台パフォーマンスの再現のようす。
毎時15分から2分程度の演奏です。

明和電機の創業からの歴史が再現ビデオで放映されています。社訓「やったもんがち、とったもんがち」が掲げられています。

『ボイスメカニクスシリーズ』の展示室。声が持つ「機能性」と「呪術性」という二つの面をモチーフとして開発されたナンセンスマシーンだそうです。中央は《バウガン》(2011年)。脇のボタンを押すと『バウ!』と犬のように吠えるライフル。

《オタマトーンジャンボ》(2010年)。ライブステージ用に開発された大型の電子楽器オタマトーン。人気商品化された元の作品。
最後のコーナーでは明和電機が「アートからマスプロへ」を目指して開発されたおもちゃ類やグッズが展示されています。

これらの多くは第二会場(工芸館)で購入可能です。

続いてB展示室「メディアアーツ都市・札幌って知ってました?」。
ユネスコ創造都市ネットワークに「メディアアーツ都市」として加盟している札幌市は、「アート」のみならず、「産業」「テクノロジー」「都市空間」といった幅広い領域を対象に、さまざまな活動を行ってきました。
本展では札幌から生まれたテクノロジーやクリエイティブ産業に今一度目を向けて、札幌の「メディアアーツ都市」を紐解きます。
ロボットコンテストに出場したロボットYukikaze Technology「Kamuy」。
雪ミク(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社)。
第二会場(工芸館)の「明和電機ナンセンスマシーン展グッズショップ」。隣では工芸品展「暮らしのとなり」を開催中。バスの時間まで拝見させていただきました。大変中身の濃い充実した展示でした。ありがとうございます。

「芸術の森入口」からバスです。それ程の遅れも無くバスが運行されていたのには助かりました。
 
「札幌国際芸術祭2024 / SIAF2024」
会期:2024年1月20日(土)~2月25日(日)[37日間]
※札幌芸術の森美術館会期は下記のとおり
※さっぽろ雪まつり大通2丁目会場会期は2024年2月4日(日)~2月11日(日・祝)
会場:未来劇場(東1丁目劇場施設)、北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、札幌文化芸術交流センター SCARTS、モエレ沼公園、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場 ほか

「明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌」
会期:2023年12月16日(土)~2024年3月3日(日)時間9時45分〜17時00分 
※入館は閉館の30分前まで会場
会場:札幌芸術の森美術館
休館日:月曜日(1月8日、2月12日は開館)、年末年始(12月29日~1月3日)、1月9日(火)、2月13日(火)
主催:札幌芸術の森美術館(札幌市芸術文化財団)、札幌国際芸術祭実行委員会、札幌市
特別協力:STV札幌テレビ放送(明和電機 ナンセンスマシーン展 in 札幌)
(20244.1.19)

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