見出し画像

札幌・円山生活日記

最近街中でよく見かけるもの~2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会誘致活動~

2022年に市制施行100周年という大きな節目を迎える札幌市。2030年の2度目のオリンピックと初めてのパラリンピック開催に向けた誘致活動を本格化しています。一連の取組は❝50年後、100年後のまちの礎となり、未来を切り拓いていくためにも重要なものである”とか。誘致成功には市民の理解促進が不可欠です。

最近の街中で良く見かけるものです。札幌市が招致活動を熱心に進める「2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会概要(案)」とその関連のパネルやポスターなどです。コロナ対策や除雪作業等への市民の不満が高まっているこの時期に何故やるの?・・逆効果ではないかとも思ったのですが北京大会でオリンピックへの関心が高まる時期に合わせての実施なのでしょう。来月には市民の意向調査も実施されるということですが結果に大いに関心ありです。


最初に見かけたのは地下鉄東西線「円山公園駅」構内に掲示されているポスターでした。


次に報道で知った地下鉄東西線「西11丁目駅」近くの「大通公園」内に設置されたオリンピック・シンボル。1972年札幌オリンピックの開幕日(1972年2月3日)からちょうど50年を迎える記念の日に設置されました。誘致活動の一環として実施されている「札幌オリンピック50周年記念事業」の一つのようです。 

1972年大会の聖火集火・歓迎式は大通公園で実施され、当時のブランデージIOC会長をはじめ約14,000名の観衆が大通公園に集まったそうです。


地下鉄「大通駅」のホームドアです。すべてのドアにこのポスターが掲示されています。


地下鉄「大通駅」改札周囲にも大きなポスターが掲示されています。

さらに「地下歩行空間(ち・か・ほ)」へ行くとすべての柱がオリンピアン・パラリンピアンで占用された感じです。
さらに「ち・か・ほ」北1条交差点付近には「札幌オリンピック50周年記念都市装飾」として7色の虹色が背景に施された1972年の札幌オリンピックの選手の競技写真も飾られています。

「ち・か・ほ」北3条交差点広場では「冬季オリンピック・パラリンピック・パネル展」が開催されています。こちらは左側の北京オリンピック代表選手の等身大パネル。「ロコソラーレ」頑張れ!
中央には市内の小学生を対象として作品を募集した「札幌オリンピックこども絵画展」の作品が展示され・・。
さらに右側には「1972年札幌オリンピックの思い出コーナー」として当時の写真とともに「札幌の恋人」ジャネット・リンさんのメッセージも掲示されていました。


「ち・か・ほ」北2条のモニターにもオリンピック関連の映像が映し出され最大限活用です。

向いの「ち・か・ほ」北2条交差点広場では・・。

「2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会概要(案)」理解促進のためのパネル展示の会場となっていました。

各種冊子が配布されていました。各1部いただいて参りました。

「2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会概要(案)」。その概要と感想です。

「オリンピック」は2030年2月8日(金)~24日(日)の17日間(想定)で7競技109種目を、「パラリンピック」では2030年3月8日(金)~17日(日)の10日間(想定)で6競技80種目を実施するとしています。

その狙いです。秋元札幌市長のメッセージででは“50年後、100年後のまちの礎となり、未来を切り拓いて いくためにも重要なものである”と招致の意義を訴えていますが具体的にはどんな効果を狙うのでしょうか。
「大会概要(案)」では「大会において目指すまちの姿」として先ず「スポーツによる健康で活力のある社会」「世界に躍進する魅力あふれるまちづくり」を挙げ、そのレガシー (大会によってもたらされるもの)として「 健康寿命の延伸」「世界に誇れるスノーリゾート・ 国際都市札幌」の認知等を掲げています。

「スポーツによる健康で活力のある社会」はオリンピック開催が一つの契機になるとは言えオリンピック開催が必須という訳ではありません。そのための予算を講じれば実行できるものです。一方「世界に誇れるスノーリゾート・ 国際都市札幌」の実現はオリンピック開催により世界の人々の注目と関心を高める効果が期待されます。とりわけ企業の立地戦略を考えると第二次産業:製造業の集積地となるのが難しい北海道では第一次産業(農水産業)と第三次産業(観光・サービス業)を組み合わせた経済活性化策を考えるのが現実的かつ効果的だと思われます。ただオリンピック開催だけで観光客が来るかどうか?・・29年延伸開業の新幹線の魅力向上策も含めよほどの工夫が必要でしょう。


さらに「大会において目指すまちの姿」として「全ての人にやさしい共生社会の実現」「次世代が豊かな自然を享受できるまち」を、そのレガシーとして「バリアフリーの推進」「再生可能エネルギーの利活用」を掲げています。

⇒これも予算配分の問題でオリンピックが必須というわけではありません。ただ「バリアフリーの推進」の観点からは多くのパラリンピアンを実際に街中で見かけ、またボランティア等で接する機会が増えれば「心のバリアフリー」につながることもあるかも知れません。


そして予算関係です。「開催概要(案)」では大会運営費には「税金は投入しない」こととし、「施設整備費」には既存施設を最大限活用することにより「すでに使われている施設を今後も使っていくための更新・改修」の費用として800億円、うち国の交付金を除いた札幌市実質負担を450億円としています。

⇒この450億円について札幌市の広報誌の座談会では「さっぽろ創生スクエア建設費用の7割くらいで郊外の施設が数か所きれいになる」という判りにくい例えをしています。先般、某所で食事をしていた際に隣のテーブルの人が「コロナ対策も中途半端で除雪対策が全くダメな中でオリンピック誘致なんて絶対止めて欲しい!」と言っていましたが多くの人の実感かも知れません。
調べると札幌市の道路除雪費が年間160億円程度のようですのですのでその数年分を施設整備に使うということでしょうか。短期の施策と中長期の施策をどう考えるかということもありますが限りある予算を有効的に活用して欲しいと考えるのは市民として当然です。なお、札幌市は2026年札幌冬季五輪・パラリンピックの開催を誘致しようとしていた際には、道内への経済波及効果が8,850億円、市内に限定した場合は経済効果6,447億円、雇用創出は5万2000人と算出していました。 
一方、予算とは関係のないことですが国内の既存施設を最大限活用すれば慣れ親しんだ日本代表選手には使い勝手が良くなることが期待されます。今回の北京大会のように“氷に足をとられる”ような不運もなくなるでしょう。やはり日本代表選手の活躍は楽しみです。

(ご参考)

札幌市の「雪対策費実績」(令和3年度の予算)。
https://www.city.sapporo.jp/kensetsu/yuki/library/budget.html


最後に「大通公園」のオリンピック・シンボル(上掲)のライトアップでした。

「2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック」の招致を目指す札幌市では来月10日から北海道民を対象に賛否を問う意向調査を実施する予定のようです。札幌市民1万人を郵送方式で調査するほか、市内・市外あわせて5000人はインターネットで、また札幌や帯広などの街頭でも2500人から意見を聞く計画だとか。秋元市長は「賛成反対のうち、どういう理由で賛成なのか、反対なのか、今後の活動の参考にしていきたいと思っている」と述べていますが意向調査が決して通過儀式=アリバイ作りに終わることのないよう有権者の声によ~く耳を傾けてもらいたいものです。個人的には色々と思うところはありますが市民の理解と支持なくして今後の円滑な市政運営も大会の成功もあり得ないでしょうから。よろしくお願いします。 

「2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会概要(案)」
札幌市スポーツ局招致推進部調整課
〒060-0002 札幌市中央区北2条西1丁目1番地7 ORE札幌ビル9階
電話番号:011-211-3042
ファクス番号:011-211-3048
https://www.city.sapporo.jp/sports/olympic/taikaigaiyouann.html
(2022.2.20)

最新の画像もっと見る

最近の「生活」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事