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札幌・円山生活日記

札幌で最もディープな私設博物館?~「レトロスペース・坂会館」~

札幌市西区二十四軒にある「レトロスペース・坂会館」。1911年(明治44年)創業の澱粉工場を前身とする老舗菓子メーカー「坂栄養食品株式会社」が運営する工場併設の施設博物館です。自己紹介は“昭和が、猥雑が、暗がりが”。札幌で最もディープな博物館だそうです。

今日は少し怪しげで懐かしさも感じる「レトロスペース・坂会館」です。館の存在は師匠のブログで知りました。場所は小樽への往来に利用する高速バスの路線上にあり車中から眺めて“こんなところにあるんだ!”と確認しました。ネットで検索しても“札幌で最もディープな私設博物”とか“ヤバすぎる札幌の珍スポット”と紹介されており、同館の公式Facebookの自己紹介でも"昭和が、猥雑が、暗がりが”と書かれていて自他ともに認める普通ではない施設のようです。そんなところに以前より関心があったのですが今般漸く訪問することができました。予備知識があったので極端な驚きはありませんでしたが深いカオスとディープさを感じる印象的な施設でした。場所は地下鉄東西線「二十四軒駅」から南西方向へ向かい「北5条・手稲通」に出て少し北に歩いたところ、駅から徒歩10分ほどです(地図)。

「レトロスペース坂会館」の外観。1911年(明治44年)に士別市で創業した澱粉工場を前身とする「坂栄養食品株式会社」の本社および工場。かつてはレストランも併設されており跡スペースを「レトロスペース坂会館」として活用しているそうです(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 )
「レトロスペース坂会館」の入口。展示されているのは、テレビ、カメラ、冷蔵庫、ストーブといった日用品から、人形、模型、雑誌、写真、下着までのありとあらゆる身の回りの品々、特に昭和の時代を彷彿させるようなものです(際どいものをありますのでご注意を)。
入館は無料ですが「運営継続のためビスケット類のご購入をお願いしております」。

一歩館内に足を踏み入れればディープな世界です。人がすれ違うのも難しいほど狭い通路の両脇に所狭しと展示物が並べられています。

いきなり刺激的で恐縮ですが入ってすぐ右手の棚に並べられているのは大量の縛られたリカちゃん人形。傷んだ部分を目立たないようにとの配慮(?)だとの説もあるようです。
 

「レトロスペース坂会館」の館長は「坂栄養食品」創設者一族の坂一俊氏。ある日電車で優先席を譲られた坂氏は席を譲られる立場になったことを自覚すると道端に棄てられているマネキン人形を老いた自分と重ね合わせて憐れに思うようになったとか。そのマネキン人形を拾ってきて展示をはじめたことが博物館のはじまりだそうです。以来、閉店する店のものを譲り受けたり、また私物が寄贈される機会もあり、古いものを大事にして集まったコレクションが増えていったそうです。そんなコレクションを無料で開放している館長の想いを踏みにじるような不心得もいるようです。


館内展示は似たような属性のものは同じ場所に集めているようですが種類と数が多いのかほとんどカオス状態です。

人形ケースの上に防毒マスクが並べられたりします。


こちらの部屋はカオスそのもの。中央にあるのはウイスキーのミニチュアボトルのコレクションですが・・。

右側の壁には昭和のアイドル・女優(今も現役で活躍されている方もいました)の若い頃の写真が貼られていたり・・。

その奥には山口百恵さんのサインやレコードジャケットに『なかよし』『少女ブック』等の雑誌。

手前には当時の人気女優を表紙にした雑誌がモデルの女優さんの写真とともに置かれていました。


その隣のコーナーは応接セットにブラウン管テレビなどが置かれ・・。

反対側のカメラコーナーには指原莉乃さん(名前がパネルに書かれていたので年寄りでも判りました)の等身大(?)のパネルなどがありました(隣の健康そうな女性モデルは誰でしょう?)。

こちらのコーナーでも盗難被害があったようです。

次のコーナーも何でしょうか?赤ちゃんのおもちゃから覆面レスラーのマスクなどなど。

一角にあった山口百恵さんのポスターは状態の良さそうなものでした。

奥のコーナーではマリンリン・モンローさんとペコちゃんが並んでいます。


これはレアものでは!と思ったのが右手前。北陸銀行のノベルティのようでモデルは“お嫁さんにしたい女優N01”と言われた頃の竹下景子さん。


こちらの通路は懐かしの日用品が並べられているようです。
化学調味料にタッパーウェアに足踏み式ミシン・・。

円筒形をした板金製石炭ストーブの通称′ルンペンストーブ’。
ここにも山口百恵さんがいました。さすがの人気です。
そして1970年代(昭和45年~)に空前のボウリングブームを日本中に巻き起こした立役者の 一人「さわやか律子さん」ことプロボウラーの中山律子さん(たぶん)。 ♪律子さん 律子さん 中山律子さん・・というシャンプーのコマーショルが思い出せる人は60才以上でしょう。


そして奥のコーナーには女性の下着が展示されていました。よくわかりません。

「レトロスペース坂会館」の隣は「坂栄養食品」ビスケットの直売所となっています。
北海道民には馴染みという人気商品「しおA字フライ」(160円)と「北海道ビスケット」(160円)です。

最後は直売場の出入り口から館外に出ました。

確かにかなりディープな博物館です。万人向けではありませんし特にR-15世代にはご遠慮いただいたほうが良いでしょう。それでも恐れを知らぬB級品・珍品好きで昭和の懐かしさを想う世代には大受けするかも知れません。気が向いて訪問する折には館維持のためにもビスケット類を購入しましょう。ありがとうございました。

「レトロスペース・坂会館」
札幌市西区二十四軒3条7丁目3-22
電話番号:011-632-5656
営業時間:11:00~18:30
定休日:日・祝(土曜日不定期休)
入場料:無料(ただしカンパやビスケットの購入を希望)
(2022.9.28記)

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