戦後間もない1947年(昭和22年)に屋台で創業した「旭川らぅめん青葉 本店」。“元祖旭川ラーメン”と呼ばれることも多い伝統の味を守り続ける老舗の名店です。懐かしさを覚える素朴な味わいとおばあちゃんの優しいサービスに心和みます。
本日は「旭川市旭山動物園」名物のペンギン雪中散歩見物を主目的とする「旭川日帰り小旅行」です。昼前に特急ライラックで「JR旭川駅」に到着後「旭山動物園」にでかける前に「旭川らぅめん青葉 本店」でラーメン・ランチです。昨年7月の「富良野・美瑛・旭川観光旅行」の際も来たのですがバスのエンジン・トラブルで到着が遅れて店は仕込み休憩中。残念ながら“元祖旭川ラーメン”を食べることができなかったのでリベンジ訪問です。場所は「JR旭川駅」から北へ5~6分ほど歩いた「緑橋通り」沿いにあります(地図)。
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「2条通り」と「3条通り」の間のブロックで「緑橋通り」に東向きに面する「旭川らぅめん青葉 本店 」の店頭。
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「麺道一路 青葉」の看板が誇らしげです。
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「旭川らぅめん青葉」は初代が1947年(昭和22年)に屋台で創業しニ代目の時代に現店舗に移転してきたとか。カウンター10席とテーブル席7席のみの小さな店舗で現在は三代目がご店主です。当日は12時前で待ち客が2組いたのですが回転も良くそれほど待たずに着席できました。
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店内には有名人の写真やサインが至る所に貼られています。店奥にはニ代目ご主人と思われる方が店を見守っておりその奥様らしきおばあちゃん(と呼ばせていただきます)がフロア担当で現役です。そのおばあちゃんが極めて優しくフレンドリーで「こちらの席にどうぞ」と案内され店内を見ていると「あれがね中曽根さんでホテルへ出前したのよ、その隣のサインは麻生さん(元首相)よ」と解説してくれました。
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メニューを拝見し注文を決めます。まずは創業の味の「正油チャーシューらぅめん(税込み950円)」に「野菜らぅめん」をと言うと・・「ごめんなさいね・・野菜終わっちゃたのよ」とおばあちゃん。代わりに「塩らぅめん(同800円)」を注文しました。
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しばらくして「それじゃあ醤油チャーシューと塩いくよ!」と三代目ご主人は調理開始です。何故かカウンター上にはロイヤルセランゴール製のマーライオンの置物がありました。
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ラーメンを待つ間に「伝承75年の味」の解説や三代目ご主人の新聞記事(下)を読みました。
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この間もおばあちゃんのお話は続き後方テーブル席の男性客に「学生さんで旅行なの。旭川は良いところよ!」とか「その席は最近〇〇さん(某有名人)が来て座ったのよ。写真撮る?」とか店の雰囲気を和ませ続けます。
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そうこうするうちに先ずは「正油チャーシューらぅめん(税込み950円)」が登場。おばあちゃん「味が濃かったら言ってね」と出されます。味が濃いと感じた時はスープを追加してくれるとのことです。スープは澄んだ醤油色で油(ラード)が浮いています。スープを冷めにくくするための工夫で旭川ラーメンの特徴の一つだとか。 具材はバラ肉ロールタイプの自家製のチャーシュー3枚にメンマ・長ネギ・海苔と非常にシンプル。 海苔には「旭川らぅめん 青葉」という文字がプリントされています。
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豚骨、鶏ガラ、利尻昆布、鰹節、煮干し、各種野菜を沸騰させずに弱火でじっくり煮出したというスープは創業以来のやり方を守る伝統の味だとか。化学調味料は一切使わない拘りも変わりません。醤油のまろやかさが特徴のどこか懐かしさを感じる素朴な味です。
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麺は自家製の中太縮れ麺。低加水で作っているそうでスープの旨味をどんどん吸収し色と味わいが増します。ズルズルっとどんどん食べ進めます。
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こちらはよりシンプルな「塩らぅめん」。
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同じく表面に油が浮きますが澄んだスープは出汁の味わいが明確です。朝からでも酒の後の〆にでも良さそうな優しい素朴な味です。
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麺は基本正油らぅめんと同じですがスープの色がそのままの澄んだ色をしています。正油が伝統の味ということですが塩も仲々でした。会計をしようと準備するとおばあちゃんは「急がなくても良いのよ」「うちは正油と塩と味噌しかないので次は味噌を食べてね」と最後まで親切でした。
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お店の左側にはおばちゃんが「寒い中外で待ってもらうのが悪いので待合室を作ったのよ」という待機場所があります。
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「お客様待合室」の表示。
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当日は客の流れが順調で利用者はいないようでした。確かに寒い日でも外で並ばなくて済むのは嬉しいです。有名店にも係わらずありがたい心遣いに感心しました。
久しぶりの「旭川らぅめん青葉 本店」。旭川ラーメンが始まった元祖の味を堪能させていただきました。以前来た際は娘と三人で食べたラーメンの懐かしいの味でした。また優しいおばちゃんの接客にもとても心和ませるものがありました。こうした心遣いが三代続く老舗を支えてきたのだと感心です。良い店でした。ご馳走様でした。*なお「青葉」の味が素朴で物足りないと思われた向きには近くに「らーめん山頭火 (さんとうか) 旭川本店」 がありますので2杯目にトライして下さい。
「旭川らぅめん青葉 本店 」
旭川市2条通8丁目 0166-23-2820
営業時間 9時半~19時半(日・祝日は18時半まで)
(14時~15時30分は仕込みで休憩)
定休日 水曜日(祝日の場合は翌日)
(2022.2.25訪問)