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札幌・円山生活日記

旭川の歴史ある老舗喫茶店~「珈琲亭ちろる」(その2)~

旭川の老舗にして有名喫茶店の「珈琲亭ちろる」。三浦綾子氏の代表作の小説「氷点」にも登場するお店です。73年続いた歴史ある雰囲気は今も当時のままとか。スペシャルティコーヒー豆使用の自家焙煎珈琲とこだわりの北海道産食材使用の手作りフード/スイーツが自慢です。

本日から“日本で一番早く紅葉が楽しめる”という【「大雪山旭岳/旭岳温泉」への1泊2日旅行】です。JR旭川駅前から旭岳まで行くバス便「いで湯号」は1日に4便しかなく時間調整も兼ね駅周辺でランチです。そこで向かったのが老舗喫茶店の「珈琲亭ちろる」。本年3月に「旭川日帰り小旅行」で「旭川市旭山動物園」訪問の後にお伺いした際に食べられなかったパンケーキを試すこと、そしてマスターに教えられ狸小路商店街裏手の「カフェランバン」を訪問した際のことを報告するためです。場所は「JR旭川駅」から「平和通買物公園」を北へ歩き「3・4仲通」に右折し少し歩いた右手にあります(地図)。

「珈琲亭ちろる」の外観。「3・4仲通り」に北向きに建ちます。歴史感じる趣のある外観です。店外に幟が出ていますので営業中のようです。
壁を覆う植栽と店前のベンチです。

植栽の《ツリバナ》の実が開いていました。


引き続き時短営業中で10時開店で17時閉店。前回は16時過ぎの入店だったのですが今回は11時頃。パンケーキなどの食事ものも大丈夫の時間です。

かわいいフクロウの取っ手を押して入店です。

1939年(昭和14年)創業の「珈琲亭ちろる」の店内。現在のマスターは3代目で2011年9月に引き継ぎオープンした際にソファの張り替えやカウンター席の移動等の変更を行ったものの三浦綾子氏が出入りしていた創業時の雰囲気はそのままだそうです。

自家焙煎珈琲店で店で取り扱うスペシャルティコーヒー豆の販売もしています。水出しコーヒーもあるようです。

歴史を感じさせる店の一角。長い歴史を刻んできたような古い時計は止まったままです。


今回は店奥の薪ストーブ前のソファ席に着席。そこから入り口方向を見たところ。前客は近所のご婦人風とモーニングサービスを食べる若者の2組。我が家の後からは近所のご高齢の婦人や旅行者風の客が途切れることなくやってきました。ご近所さん御用達でもあるようです。


メニューには店のスペシャルティ珈琲への拘りが書かれています。長くなりますが引用します。

【スペシャルティコーヒー豆の酸味】
スペシャルティコーヒーの酸味とは「さわやかな味わい(アシディティ)」です。
高地産アラビカ純粋種が本質的に持つ各種有機酸(アッシド)の味わいで、
揮発性の物も多いので、気体となって口から鼻に上がってくる香り(アロマ)の嗅覚的味わいや、口の中をサッパリさせてくれるような触覚的な味わいもあります。
酸味は生産地の地理的・気候的条件で大きく変わります。スペシャルティコーヒーのスペシャルティとは「その産地(農園)ならではの美味しさ」でその珈琲豆が持つ「酸味の質」がスペシャルティなのです。

【日本のスタンダードコーヒーの酸味】
日本でコーヒーの酸味と思われているものは、ほとんどが「すっぱい味(サワー)」です。
焙煎・粉砕後の経時劣化したすっぱみ、生焼けのすっぱみ、欠点豆(未熟豆・発酵豆)の出すすっぱみ等があり、いずれも珈琲本来の味ではなく、(栽培・精製・焙煎・保存)上の不備に因る舌に刺さるような刺激的な味です。
このすっぱみを珈琲の酸味と勘違いした為に「日本人は酸味が嫌い」=「日本人は低地産低級品を好む」と生産国に思われ、良い酸味を持つ高地産の高品質珈琲が20世紀の日本には入ってこなかったのです。

【ニュークロップにこだわったコーヒーを取り揃えてまいりたいと思います】
日本では「新米」「新茶」「新そば」「新酒」が美味しいといわれています。
『古米・古古米等が美味しい』といわれることはありません。
新しいもの好きと言うわけではなく、新米等には香り・味がたくさん含まれていて美味しいということを我々は知っているからです。
紅茶・ワインなどの発酵したものに関しては熟成をしたほうが美味しいということもありますが、コーヒーは発酵食品ではないため鮮度が重要です。
新豆(ニュークロップ)の中に含まれた香り・味は水分の減少に伴いぬけてしまいます。
1年落ちの豆(パーストクロップ)、それ以上の豆(オールドクロップ)は特別な場合を除き、私は決してよいとは思いません。

自慢のコーヒーです。ただマスターが3代目店を開店する際に自家焙煎機械の使い方を教わりに通ったという「カフェランバン」ほどの高価なものはありません。安心していただけそうです。
コーヒーメニューです。コーヒーは豆によって浅煎り、中煎り、深煎りがあります。税込み600円のブレンドコーヒーも100%スペシャルティグレード豆使用です。
フードメニュー等。マスターいわく提供メニューが少ない分だけ出すものには北海道産食材(小麦、チーズ、牛乳、かっぱの健卵)を使用し手作りに拘っているそうです。

「サンドウィッチ」のドリンクセット。同1,100円。

「サンドウィッチ」の具材はタマゴ、野菜チーズ、ツナから2種類選べます。オーダーはタマゴと野菜チーズ。タマゴは比布町の健康卵「かっぱの健卵」使用だそうです。

ドリンクは「インドネシア (マンデリン)」(甘い香り、クリアなテイスト。酸味はほとんどなく、なめらかな口あたり、長い余韻。最高級のマンデリン) の「深煎り」。セット価格に+130円。ロイヤルコペンハーゲンのカップで提供されます。

妻のオーダーの「銅板焼きふわふわリコッタパンケーキ」のドリンクセット。同1,300円。
「銅板焼きふわふわリコッタパンケーキ」にはハニーナッツバター、バナナ、生クリーム、メープルシロップがつきます。メニュー名の通り‘ふわふわ’の薄焼きパンケーキが3枚です。4種類のサイドもので味変していただけます。

ドリンクは「浅煎り」好みの妻が頼んだ「東ティモール(レテフォホ)
(フローラル・キャラメル・ココナッツ・レーズン・クリーンでマイルドな酸味とこく、しっかりとした甘味、長い余韻 )。セット価格に+100円。ロイヤルコペンハーゲンのティーカップでの提供です。


「ミニソフトクリーム」。食事ものと一緒の注文で同250円。“おこっぺ牛乳を使用し原料に安定剤や添加物などは一切使わない自家製のこだわりソフトクリーム”だそうです。拘り品大集合です。

そして前回いただいて気に入った「スフレチーズケーキ」。同400円。もちろん北海道産食材に拘った手作りケーキです。程よい酸味としっとりコクのある美味しいチーズケーキでした。

会計時に販売していたスペシャルティグレードコーヒーの「オリジナル ドリップパック(深煎り豆)」を2P購入しました(1P同250円)。会計カウンターの柱時計も年代ものでした。なお「カフェランバン」訪問時の模様も無事にマスターに報告できました。

バス便の出発時刻まで暫くあるので「平和通買物公園」を散策。8条通り付近の木内禮智氏・作『手』。奥は7条緑道にそびえ立つシンボルタワー・中井延也氏・作『開拓のイメージ』。
JR旭川駅前。「平和通買物公園」まで続く一帯に17日(土)より開催される北北海道最大の食のイベント『北の恵み 食べマルシェ」 の物販テントがたくさん用意されていました。それでは「いで湯号」で大雪山旭岳で紅葉めぐり!】へ向かいます。

旭川の老舗喫茶店「珈琲亭ちろる」は珈琲の美味しさとともに歴史感じる風情と落ち着いた雰囲気の良い店です。改めて実感しました。1939年(昭和14年)創業で三浦綾子氏の小説にも登場という老舗が現役というだけでも有難い存在です。加えてスペシャルティ豆の自家焙煎珈琲にフードやスイーツまでに拘り店の魅了をより高めようとするマスターにも敬服です。そんな姿勢がご近所の皆さんにも支持されているのでしょう。また今回は自慢のパンケーキも食べることが出来満足です。また来ます。ご馳走様でした。

「珈琲亭ちろる」
旭川市3条通8丁目左7 (3・4仲通) 0166-26-7788
営業時間 8:30~18:00(現在時短営業で11:00~17:00)
定休日 日曜日
http://cafe-tirol.com/index.html
(2022.9.15訪問)

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