健康であれば健康についてなど考えない。
健康社会になれば、医者も病院も、そして薬も要らない。
健康人が多くなれば、社会はずっと楽しく、将来の不安も激減して預貯金の心配も無くなる。
病気が多いから医療保険も高額支払いが止まらないし、税金もそれに使われるので社会保障費が減額される。
つまり40兆円もの医療費を使うから、他に金が回らなくなる。
じゃあ、もっともっと安くて効果があり、しかも安全だというような医療をどしどし保健制度に組み込むことだ。
こんな当たり前のことが出来ないのは何故だろうか?
それは
今の現代医学一偏頭の医療政策で出来上がった社会構造そのものが利益独占体制になってしまったからです。そこには当然、利権がうまれそれを取り巻く構造はもう超巨大化して、一般人の生活(仕事)にまで食い込んでいるので、改革などおぼつかない。
自ら潰れるという(自壊作用)、いくら三千年の屋久杉が巨大でもいつか倒れるというように、人間がどうにか出来るようなものでは無くなってしまったような気がします。
それは、日本の終戦間近の上層部と国民の関係に似ているようです。
どうして、早く終戦にできなかったか・・という原因のひとつに、「もう誰も止められない」というような「空気」があったようです。(NHKスペシャル、特攻)
戦争は開始するよりも収束させる方が何倍も難しい
というように、今の日本の医療制度は始まってから相当期間過ぎて、社会に定着してしまったのと、国民の意識がそれに頼り切っている現状では、生半可の改革案など焼け石に水。
どうせなら、一度ぜんぶ壊れてしまったほうが、早く次の優秀な保健制度ができるのでしょう。もちろん、安全、安心、無料という今では考えられないほど進化すると思います。
しかし、潰れるまえに吾らは何がどうなのか?その全体象を知っておかないと直ぐ次の制度に移行できません。無知なままでは再び人任せの利権が絡んだ制度が出来上がってしまいます。
この療術についてもいろいろなものがありますが、絶対的基本はヒポクラテスに帰れということです。
「自分自身を治すのは自分の内なる力だ」という柱をもって、各種療法はあくまでその自分の治癒力を高めるものでなければならないからです。
治療そのものが次の病を造り出すなどは言語道断、今までの薬剤中心の医療は過去の遺物となるかも知れません。
日本の各種療術等についての記事の終盤に入ります。
ーーーーーーーーーー以下引用ーーーーーーー
松本英聖著 医学と生命(一九九四年出版)より
222P
療術の現況
現存する療術は、電気・光線・刺激・温熱・手技の五種目があるが、これらの概要を簡単に述べて置く。
①手技療法
現行法が公布された当時(昭和二二年)、手技療法としては「指圧」と「脊椎調整法(カイロプラクチック)」の二流派があったが、どちらも禁止された。しかし、その後の法改正において、「指圧」については「ツボ」に対する施術(東洋系技牽ということで「按摩マッサージ」業務に吸収されたために、現在の手技療法は脊椎調整法(カイロプラクチック)(欧米系技撃が主流となっている。
余談になるが、この法改正指圧の吸盤を審議する国会で、「按摩と指圧は何処が違うか」と香貝から厳しく追及されち答弁に立った当時の医西周長・東龍太郎氏夜の部知書は「按摩は按摩でございます」と答弁にならぬ名(迷)答弁をしたため大騒ぎとなった。とどの詰まりは「あん摩マッサージ指圧師」(現行法の正式名称は句点なしの棒読みであることに窒息)という苦肉の策を高じることで漸く一件落着した。知る人ぞ知る法改正の内幕であるが、結局、療術禁止自体に無理があるため、こうした混乱が生じるわけだ。
カイロプラクチックは英国系のオステオパシー(整骨術)を源流とするもので一八八五年米国のダニエル・ダヴイッド・パーマーによって脊椎関節の機能不全(サブラクゼーション)を調製する(アジャストメント)手技療法」として創始された「欧米系技療法」である。しかし、その歴史は苦難の道で長年に亘って正統医学から不当に迫害されたが、再三述べたように現在では全米各州で合法化されている。現在の制度は、州によって多少の違いはあるが、カイロプラクチックの専門大学(四年制が多い)を卒業し、免許試験(州政府が毒に合格すると免許が公布される仕組みになっているので、日本の鍼灸制度とほぼ同じと考えて良いだろう。
では何故、日本ではアメリカのようにカイロの合法化が進展しないのであろうか。
実は、この間題の本質は国民の「医療選択の自由権」に関することであり、これに対する認識が未成熟な日本では、国民のコンセンサスが容易に得られないからであるが、それはさて置き、現在厚生省では、「カイロも指圧も手技を手段(ハード)とする点は全く同じであるが、施術原理及び施術方法等(ソフト)は全く異なるものであるから、単に外観上の類似性だけを以て、一律に論じることは出来ない」との見解を示している。
この点について、昭和四五年宮城県衛生部長から「カイロを指圧に含めてよいか」との照会に対して、厚生省医務局長より「カイロプラクチック療法は脊椎の調整を目的とする点において、按摩マッサージ指圧と区別され、従ってこれらの業務に含まれないものと解する」と解答されていることを見ても明らかである。
なお最近、カイロが全国的に普及していることから、厚生省でも放置できず、カイロの禁忌症を各都道府県に通知するなど、カイロの適正化を図る動きを見せ始めた。
しかし、カイロが飽くまでもアメリカ的な制度化を主張する限り、アメリカの例に倣って国民の「医療選択の自由権」を確立する国民運動が必要であり、その自覚と覚悟によって新しい時代が開けるであろう。この意味で、カイロプラクダーの使命は重大であり、奮起を期待して止まない。
*米国議会技術評価局が民間療法(非正統療法)の公的研究助成体制を早急に整えるよう求めた七項目の提案を政府・ガン研・医学界に提出(一九九〇年)するという画期的動きが始まったことは既に述べた。
223P
②刺激・温熱療法
刺激・温熱療法とは、機械的または温(冷)熱などの刺激作用を応用する療法で、器具としては単純であるために多里多様なものが創意工夫されている。
しかし、皮内に針等を刺入したり、皮膚面を焼灼することを目的とする器具(または、その恐れのある器具)を使用する行為は療術の範囲を逸脱するもので、鍼・灸または医行為となり、また薬品など(化学的または生物学的)の刺激作用を用いる場合も、物理的刺激手段の範囲を超えるもので、時には医行為に属する行為として医師法違反に問われることがあるので注意が必要である。
なお、刺激・温熱については、既に「禁止は出来ない」旨の答申が厚生省に出されており、その際に誇大広告防止に留意するよう付記されている。当然なことである。
③電気・光線療法
電気・光線療法は十八世紀ヨーロッパで発祥した物理療法で、電気学の発達と共に新しい療法が続々と開発され、現代医療においても理学療法の一環として広く応用されている。そこで療術禁止の際に、電気・光線療法は、医師の業務の範囲であるとして、既得権者以外の施術は一律に禁止されてしまった。ところが昭和二十六年に福島県で無資格者(既得権者でない者)による電気治療違反事件(HS無熱高周波療法事件)が起こって裁判となった。
HS無熱高周波療法は電気療法の草分けである杉田平十郎氏(福井県出身)が大正年間に創始したものであるが、この療法に心酔した被告(後藤博氏=茨城県出身の元常磐炭鉱勤務)が、講習を受けて福島県に帰り、一回百円で治療したことが、無資格治療に当たるということで起訴された。かくして福島簡裁、仙台高裁、最高裁と十年に亘る裁判闘争を経て、遂に最高裁で「無害な療術は適法」という歴史的判決を勝ち取ったのである。同氏の不境不屈の信念は、まさに療術史における巌窟王と言うべきで、こうした先人達の苦難の歴史から新しい療術の道が開かれたことを忘れてはなるまい。
因みに、この裁判は法理的には「職業選択の自由」書法二二條)を巡って争われたものであるが、その後の差し戻し審では、当該療法が「有害か、無害か」を巡って再び最高裁まで争いが続いた。しかし、この差し戻し審の最高裁判決において、HS無熱高周波療法は「有害の恐れがある」という鑑定結果が出て、最終的に罰金刑千円が確定したことを付け加えて置かねばなるまい。
この鑑定結果は、有害論(検察側証人)と無害論(弁護側証人)の両証言について最高裁が職権で選任した鑑定人(大島良雄・東大教授)の下した結論である。
つまり、無害な療術は適法であるが、しかし、その無害性は客観的に評価されたものでなければならない、ということである。
そこで、問題はその無害性の客観的判定基準であるが、現在では電気・光線などの医療用具は、薬事法によって安全性その他について厳重に規制されているから、認可製品を使用することが重要な用件と考えられる。
なお、電気・光線療法を医用電子工学の立場から分叛したものを次表に掲載した。表中で家庭用治療器として認可されたものは、一般人が使用しても危険性がないように開発された治療器であるので参考にされたい。
※ 図表略
227P
療術の今後の展望
病なき世界を目指す『アルマ・アタ宣言』以来、世界の医学は従来の医療一辺倒の保健政策から「健康づくり」の時代へと着実に転換すると共に、民族伝統医学を尊重する医療の多極化時代を迎えたことは既に述べた。こうした世界の潮流の中で、日本の保健政策もこの方向に向けて軌道修正が図られ、療術に対する考え方も大きく変化した。
その手初めとして昭和六三年五月十七日、厚生大臣が(財)全国療術研究財団を認可し、厚生省指導の下で同財団に「療術研修所」が設置されて、同財団による自主規制の体制づくりを固めた。即ち、療術教育の適正化とレベルアップ、終了者に対する療術師の「認定書」交付等である。
なお、厚生省ではこれと平行して、(財)鍼灸研修試験財団、(財)柔道整復研修試験財団を設置して、従来免許者のレベルアップを困り、東洋医療の国際化時代に備える体制づくりを進めている。このほか、厚生省生活衛生局では(財)日本エステティック研究財団を認可し、エステ業務の適正化と自主規制(資格認定等)の方向づけも図っている。
一方アメリカでは先程紹介したように、これまで非正統療法として蔑視されてきた民族伝統医療(中医学・インド医学・イスラム医学等)や各種民間療法(療術等)を正統に評価(有効性や安全性)する動きが出て来た。
このようなわけで、時代は既に医療の国際化(多極化)と国内的には「健康づくり」の体制づくりに向けて大きく転換しているが、こうした流れの基本となるのは、国民の「医療選択の自由」(基本的人権)の確立であり、この方向こそ今後の日本の医療制度改革(健康づくり)を導く指導理念であり、そこから、「病なき世界」への新しい道が開けてくるであろう。
ーーーーーーーーーーーー引用終わりーーーーーーーーーー
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