風の向こうに  

前半・子供時代を思い出して、ファンタジィー童話を書いています。
後半・日本が危ないと知り、やれることがあればと・・・。

夢草子 弐の巻

2010-06-08 21:20:03 | 大人の童話其の弐

二小は、朝からそわそわしていました。

「四小、早く生まれてこないかな。四小が生まれたら、わたし、うんとかわいがって

あげるんだ。」

二小は、そんなことを言いながらうれしそうに、姉である一小のまわりを、

ピョンピョンとはねまわっていました。

「これ、二小。少し、静かにしていなさい。あんまり騒いでいると、四小が生まれて

これないわよ。」

うれしさで落ち着かない二小を、一小が姉らしくたしなめます。それでも二小は、

今度は、四小の精霊が入る校舎の周りを、ピョンピョンとはねまわっていました。