風の向こうに  

前半・子供時代を思い出して、ファンタジィー童話を書いています。
後半・日本が危ないと知り、やれることがあればと・・・。

夢草子 四の巻

2010-06-10 22:20:16 | 大人の童話其の弐

四小は、一小と二小の方を向くと、ニコッと笑いました。そして、

「ふぁ~、ここがこれからわたしのいる世界なの?わたしの姉さんたち?

はじめまして、これからよろしく。」

と、上品にあいさつしました。二小は、

「わぁー、かわいい声。うれしいな、妹がもう一人増えて。これからずっといっしょに

いられるね。これからずっとよろしくね。」

と、ニコッと笑って四小に言いました。四小は二小に向かって、かわいらしく笑って

「はい、二小姉さん。」

と、お行儀よく返事しました。二小は、もうたまらない、という感じで、

「わ、ホント、か~わいい!ウフッ、うれしいな。こんなかわいい子が妹になって

くれて。」

と、満面の笑顔で言いました。二小の喜びようは、それはもう、大変なものでした。

生まれたばかりの四小の周りを、ピョンピョンはねまわって、体全体で喜びを表して

いました。


夢草子 参の巻

2010-06-10 11:31:04 | 大人の童話其の弐

やがて、四小に光が射し始めました。そう、精霊の生まれる瞬間です。二小は

「わぁーっ」と言い、四小の光を覗きこんでいました。光は、どんどん大きくなって

いきます。やがて、光が校舎全体を包み込むと、パァーッと一気に金色の光線が

走り、周囲は金色の光でいっぱいになりました。そして、光の中から、かわいい

精霊の顔が覘きました。そう、四小です。四小は、まぶしそうに目を細めながら、

不思議そうに辺りをキョロキョロ見まわしています。二小は、すかさず、

「はじめまして、四小。この世界へようこそ。わたしは、あなたの姉になる二小よ。

これからよろしくね。」

と、生まれたばかりの四小にあいさつしました。続いて一小も、

「はじめまして、これからよろしくね、四小。わたしが、一番上の姉の一小よ。まあ、

なんてかわいらしいきれいな子だこと。」

と、あいさつしました。