四月、夢は二年生の始業式を新しい学校・六小で迎えました。ですが、まだ校舎が
できていないので、一学期間は四小と東中にお世話になります。東中は、四小と
同時に開校した学校で四小のお隣りです。四小と同じく、まだプールも体育館も
ありません。夢たちは、二つの教室間の仕切りをとった、打ち抜き教室と呼ばれる
所で式を行いました。六小には、四小の他二小からも子どもたちが来ています。
夢は、二小から来た子たちと並んで先生の話を聞いていました。初めて会う
校長先生他の先生たち・友だち、夢の心には期待と不安が入り交じっていました。
不安な気持ちを察したのでしょう。どこからか四小の声が響きます。
「大丈夫よ。今までと同じにやれば。」
そうです。四小と夢の心の交流は、学校が変わってもまだ続いていたのです。夢は
うれしいのと感動とで、声をあげて泣きだしそうになりました。そんな夢の様子を、
四小は静かに見守っていました。夢が四小の側にいる限り、交流はできるようです。
ならば、あと四カ月は交流できます。夢はにこやかな顔になって、そっと心の中で
言いました。
「ありがとう。これからまた、少しの間だけど、四小さんよろしくね。」
と。