夢が、長年の疑問が解けて一人感激に浸っていると、またまた六小の大きな声が
響きました。
「ちょっと、夢ちゃん!今行くって言ったくせに、どうしちゃったのよ。もう夕方だよ。
わたしと話す時間、なくなっちゃったじゃないのよ。ん、もう!」
六小は、資料室に入ってから全然自分を相手にしてくれない夢に、とうとう完全に
怒ってしまったようです。夢は、
「ごめん、ごめん。」
と謝りながら資料室から出てくると六小に言いました。
「懐かしくて、つい夢中になっちゃった。でも、おかげでいいものを見つけたよ。」
「何?いいものって。」
六小は、夢の「いいもの」と言う言葉に強く興味を持ったようで、体全体に光を
あふれさせ、キラキラしながら訊いてきました。
「うん、あのね、六小さんのチャイムの疑問が解けたの。」
「えっ、チャイムの疑問って、あの時、夢ちゃんがいいって言ってくれたわたしの
チャイムの。」
夢の言葉を聞いて、六小は驚いたようですが、とてもうれしそうでした。光をさらに
大きくして体全体を包み込み、キラキラとまぶしいほどに光っています。夢もそんな
六小の姿を見てうれしくなりました。
「うん、あの時は何のメロディーかわからなくて、今までずっと気になってたんだけど、
わかってよかったわ。今日、六小さんに会いに来てよかった。」