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なんで、Blackなのかわかった、X-MEN Black全5号




Uncanny復活までのつなぎ、X-MEN Black全5号を読み終えたので早速レビュー。 ただし、納得出来たのは、一部の話のためそれを中心に書く。一番良かったのは、Apocalypse Degeneration。これは5号に渡って続いた話。

Apocalypseの筋書をZack ThompsonとLonnie Nadler、画をGeraldo Borges、彩色をRachael Rosenbergがそれぞれ担当。それから、5号の中で思わずニヤリと笑ったのがEmma Frost号。筋書をLeah Williams、画をChris Bachaloが担当。添付画像はそのEmma篇の表紙。5号全部J Scott Campbellが描いている。ワンパターンって言っちゃそれまで。だけど見る人を不快にする画じゃないよね。オイラは結構好きだな。

粗筋をお浚い。南アメリカの孤島で、科学的に進歩し、ほぼ不死身の知性体Celestialの技術を使いさらに自分を進化させようとしているApocalypseがその実験の結果どこかの惑星に飛ばされる。そこで自分は退化していく一方で、その惑星の下等な生物やCelestialの技術を使う住民と戦う。Emma篇では、EmmaがX-MENと接触。彼女が悪の秘密結社、The Hellfire Clubを殲滅する作戦へと誘う。Emmaの目的はSebastian Shaw一人。

Borgesの画が凄く良かった。退化していく身体の描き方、遠近法をしっかり使った景色、死ぬんじゃないかと思った瞬間の恐浮フ表情は格別。そして、Rosenbergの色がその品質をさらに高めている。相乗効果ってのはこういうことだな。一冊の本にしたら、昔のグラフィック・ノベルみたいになる。異世界の景色が超SFチック。

ThompsonとNadlerの話の進め方も好き。最初は人間を無慈悲にも実験台に使用するApocalypseを描いている。そして、後半部分では、Celestialの技術を使ったその惑星の住人がApocalypseに同様の仕打ち行う。普通の話だったら、そこで自分のこれまでの行いを恥じ、反省しまともな人間になるって展開。そこで夢が覚めるとかね。Apocalypseは悪人なんでそういう展開にはならない。それより彼の生存本能の方が強い。

その惑星の生物をことごとく絶滅させちゃうのも彼らしい。”Survival of the Fittest”が彼のモットーだからね。ところが、一つの生物がそんな中、生き残っちゃうのもSFチックかな。”END?”って最後に付けてね。しかし、結局彼はどこへ行っちゃったんだろ?謎。

Emma篇。Bachaloの画は相変わらず素晴らしい。もう彼は大ベテランだよね。一番好きなページは、1枚の中で、彼女がエレベーターに乗って上へと上がる経過が描かれている。各フロアで、そこにいる人々を彼女のテレパシーを使いキス(本当はもっと先までだけど)、ダンス、喧嘩、睡眠を命令する。見ていて楽しい。喧嘩のシーンはその動作を描くのではなく、血が飛び散っている様が描かれている。ナイス。

Emmaがテレパシーを使い、X-MEN内のチームミーティングを傍聴するシーンも良いな。彼女が傍聴した会話を声に出している。

ニヤリと笑ったのは、結局EmmaがX-MENを使って、手を汚すことなく反対勢力を一曹オた点。この号だけ何故Blackと銘打ったのかがわかった。彼女が新Black Kingだ。流石オイラのお気に入りのキャラ。

もう一つ好きなシーンがあった。彼女の2番目のミュータントとしての能力全身水晶化。彼女の水晶の腕をレンズとして使って、レイザービームを集中させ破壊力を付けたシーン。これも良く考えられた細工だ。

その他気にいった話としては、Magneto篇。筋書を担当したChris Claremont。改めて今のアメリカの負の部分(自分と違うものへの不寛容から差別へと繋がる流れ)を語っている。しかし、彼の話を上手く進められなかったのが画を担当したDalibor Talajic。下手ではない。だけど、読者を惹きつけ、説得し、納得させる物語に出来なかった。
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