ダイナミックなアクションはないが、Buggs Bunnyのような昔の米国アニメ的な表現が楽しかったX-MEN 27号とその前の26号を読み終えたので、レビュー。
今回の添付画像もMark BrooksによるCorner Box Variant。26号のものだが、26号の中にこの中のメンバーは誰一人登場しない。そりゃないよ。
筋書をGerry Dugan 、X-MEN 26号の前半の画をJim Towe、後半をJavier Pinaが、27号の画をPhil Notoがそれぞれ担当。Toweの画は並み。後半の数ページのみをPinaが担当しているが彼の画と比べられると可哀そうかもしれないけど。Notoさんの画は安定的だ。ワンピースのように目玉の周り全てに白目を描いているアーティストが世の中に結構いる。これは悪人面と昔から決まっている。そんな表現が嫌い。一方Notoは違うね。目を使って驚きに変わったKittyを上手く描いている。
粗筋から。X-MENの敗退後、地下に潜伏中のKittyやEmma。EmmaはHellfire ClubにいるTony Starkと情報交換。Kittyは仲間を裏切ったFIRESTARの暗殺を企てる。27号ではKittyはミュータントの収容所に潜入。JuggernautやCYCLOPSを発見した。X教授とMagnetoが奪ったMR. FANTASTICの記憶を探る旅にMS. MARVEL等が出発。
気に入ったシーン、台詞を紹介していく。X-MEN 23号で登場のKingpin。X-MENの中で持て余し気味のキャラだが、優れた部分を紹介。Emmaに助力を申し出た後の、彼の怖さみたいのが現れている台詞。”前略。But no mistake. You work for me again.”同等の立場にいないことを確認している。againというのが気になる。EmmaはかつてKingpinと関わっていたかは、Devil Reignという奴で語られているらしい。ちょっとこの話気になるな。
KittyとFIRESTARとの一騎打ちは見応えあり。戦いながらもFIRESTARが二重スパイとして敵の基地に潜入していることをわからせるのは良いな。どこか映画っぽい。
26号のハイライトはStarkのEmma(Ms. Kendelという第三者に扮している)に求婚する嵌めになっちゃったシーンか。残念なのはこの後の展開はIRON MAN 10号に続くところだ。敢えてIRON MANは買わない。
続いて27号。あまりに、キャラが多すぎて追っていくのが大変なのだが、未来から来たミュータント?というより、フランケンスタインの怪物的な怪人Chimera。能力はともかくブッキラボウな態度は良いな。Chimeraにぶっ飛ばされたThe THINGの台詞。”Well usually I don’t care for hitting dames but…”とやる気満々の彼を再びChimeraがぶっ飛ばすシーンは後半の一番の見せ場か。前述の昔日の米国ニメ的な表現ね。
地下に潜伏するミュータントを称して、”We’re all X-MEN.”というKittyが非常にカッチョ良い。虐げられたものの団結心みたいなものを感じる。ユダヤ人としての彼女だからこそでもあるが、最近のユダヤ人は迫害する側になってしまって何だかな。
囚われの身のCYCLOPSの姿は昔なんか見たことあるなと思ったら、Uncanny X-MEN 251号の表紙だ。(1989年秋の作品。)そっちの方はWOLVERINEが磔になっている。いずれにせよ、CYCLOPSを十字架から外すと爆弾が爆発するという仕掛けはあり勝ちだが面白い。
Kittyが一旦撤退して出直すという展開は準備不足という点から正しい選択。しかし、潜入したことがばれれば監視がさらに強まるわけで、もう少し時間的に早めることができなかったのかと余計なお世話的感想。