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最近はX-MENとその姉妹誌たちより面白いSPIDER-MAN。今回はNon-stop SPIDER-MAN 3号~5号を読み終えたのでレビュー。
筋書をJoe Kelly、画をChris Bachalo、5号の途中からCory Smith、Gerald Sandoval、インクをTom Townsend他がそれぞれ担当。添付画像は、3号の普通の表紙。David Finchの作品。
粗筋をざっくり紹介。Peterの大学院の仲間が麻薬中毒で死亡。その謎を調査する彼とネットメディアのNorah Winters。二人を執拗に追跡するZappata Brothers。そしてその後にはBaron Zimoが現れた。Zappataが唐黷ス後にはナチズムの権化Wulfなる悪党も登場。
タイトル通り息もつけぬアクションを売りにするこのシリーズ。Zappata兄弟の執拗な追跡シーンは凄いな。特に彼等が乗っているトラックと地下鉄の衝突シーンは3号のハイライト。こいつらタフ。かつSPIDER-MAN曰く昔の彼等と違いえらく頭が良い。同じ麻薬をやっているのか。SPIDER-MANの知性をもってしても手こずるのは面白い。
SPIDER-MANのWisecrackingは健在。マスクを被った敵の冗談も面白いな。Kellyは元々Amazing SPIDER-MAN (“ASM”)の筋書担当者だったので、水を得た魚だね。Bachaloも度々ASMの画を描いてきたので、違和感はない。今までアクションシーンが得意って感じじゃなかったが今回の画は凄いな。例えばビルから降り注ぐ破片を、SPIDER-MANが蜘蛛糸を使ってくるんで、下にいる人の安全を図るシーンなんかはよく考えられていてとても好き。
論理ではなく情に訴え、Zappata兄弟をNorahが止めたシーンは考え深い。犠牲者が移民の子供で兄弟と境遇が一緒だからね。
そんなNorahをかばい、追跡者の注意をSPIDER-MANに向けたことに対する台詞。”Do not damsel me again.” 難しい。恐らく若い女性だからと言って若い女性のように扱うなということだろう。
NSS 4号。瀕死の重傷を負ったZappata Brothersを助けるためDOCTOR STRANGEに電話をかけたSPIDER-MAN。知らないはずの電話番号を知った理由を説明する台詞。”I saw Tony call you once. I memorized it.” 良いねこういう単純な説明。
もう一つちょっと好きなのは彼の説明的な台詞。“They have no idea that I stash caches of web fluid all around the city exactly for this scenario.” SPIDER-MANのピンチの一つの理由は蜘蛛糸の原液が途中でなくなること。確かにニューヨークを拠点とする彼であれば、この作戦は有効だ。これまで誰もこれ思いつかなかったんじゃないかな。
と、4号まではとても楽しめた。しかしだ、5号で失速。途中からBachaloに代わって描いた二人の画が残念。そして、Kellyの話の終え方はもう一歩。(例外はWulfの正体かな。ナチズムや純粋主義の解釈が人によって違うというのは面白い。)
最終ページは一体何なんだ。Non-stopだから終わりはないってことか。あー。