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Frank Miller時代のDAREDEVIL(“DD”)、しかもElectraの最期の号を取り上げた181号、182号をレビュー。181号は高値で売られていて仕方なく2019年に再版されたFacsimile Editionというものを取得した。非常に紙質が良くてしかも紙の厚さが通常のコミックブックより厚い。1982年当時の定価は$1.00。40年後には$4.99。物価は5倍だ。
筋書と画をFrank Miller、画の仕上げをKlaus Jansonがそれぞれ担当。添付画像はへそ曲がりなので、182号のものを添付。Millerの作品。DDの正体Matt Murdockの気持ちを表現したこの表紙の方が断然良い。
まずは粗筋から。刑務所から脱獄したBullseye。狙うは宿敵DDの命。彼はその前にKingpinの殺し屋の座を奪ったElectraの命を狙う。182号ではElectraの死を納得できないMattの常軌を逸した行動。半分はPUNISHERが脱獄してKingpinの麻薬取引を止める話。
気に入ったシーンや台詞を書いていく。181号前半のBullseyeの並々ならぬDDへの恨み節が可笑しくもあるな。”You’ve hurt me. You ruined my reputation. That’s not the worst of it. (中略)You saved my life.” 肉体的に傷付けられたり、評判を貶められたりしたことより、彼のプライドを傷付付けられたことが、DDへの恨みの本源。
Millerの画は上手いのかそうでないのか時々わからなくなる。だけど、動作の連続を描く力は凄いな。前半のDDのトレーニングシーンやElectraとBullseye、DDとBullseyeとの戦闘シーンは件pだ。それと影の使い方だな。「必殺シリーズ」に匹敵する。182号でも居ても立っても居られず、Electraが生きている証を探しに行くDDの描写なんかは凄く良い。
Mattの相棒NelsonがElectraに狙われると知り、Mattのことも調べ尽したBullseyeの台詞。”I start thinking about how much he (Matt) look like you (DD).” 凄いね。Bullseye.
ちょっといただけない点。その後彼はMattがDDの正体であると知り、それをKingpinに伝えたこと。オイラだったらそんなこと誰にも喋らない。たとえKingpinにも。そんな誰も知らない情報は、後々何に使えるかわからないお宝だからだ。
182号良かったのはDDがKingpinの招集した会議の場に現れElectraの所在を聞くシーン。Kingpinの心臓の動きを聞き、無駄骨だったことを悟るところかな。それでも諦めない辺りは、DDが人間であるが故か。
DDが去った後のKingpinの台詞。”One man I feared might prove an obstacle is off chasing phantoms.” 冷静なKingpinらしい。そして何やら憐憫の情まで感じられる。
最後にはElectraの墓までMattは暴くわけだが、そこにFoggyが現れるシーンも良いな。友達思いなんだよね。