
1986年のSpectacular SPIDER-MAN (“Spec”) の117号、一つ飛ばして119号をレビュー。(118号は昔買っていて読んでいるはずなのだが覚えていない。非常に強力な力を手に入れたAlex少年の話)
117号の筋書きをRick Buckler、118号の台詞と119号の筋書をPeter Davidが担当、117号の画をDwayne Turner、119号の画をRick Buckler、インクをBob Mcleod他が担当。添付画像は117号のもの。確かにDOCTOR STRANGEは出て来るのだが、こんなシーンは中身にない。アメコミではよくある話。表紙右手にも書いてあるのだが、この月に発売されたSPIDER-MANには彼が出て来ない。Turnerの画は結構良いな。忘れていたけどWOLVERINEを一時期描いていたんだね。
次に粗筋。117号ではBlack CatがDOCTOR STRANGEの家へ乗り込む。一方、Black Catが事務所から盗んだものを取り返すため、暗殺者集団のボスForeignerが彼女の家へ乗り込む。そこで彼女と鉢合わせ。119号ではPeterを盛り上げるため、PeterのアパートでMary Jane Watsonがパーティーを開く。そこにSpec 116号でケチョンケチョンにされたSabretoothがSPIDER-MANへの仕返しに現れる。
Spec 117号でDavidが話作りに参加してないからか、台詞が無茶苦茶面白い。二つほどForeignerの台詞を紹介。まずは、Black Catのお酒を勝手にいただいているにも関わらず、ケチをつけた一言。”No bottle aged much past this morning.”ワインにしろ、ウィスキーにしろ、年代ものに目がないと思われるこの犯罪者。年代ものがないことを憂いている。
もう一つ。”Men called me the Foreigner. Woman call me frequently.”後半は、女性から頻繁に電話があると自慢している。そこにすかさずBlack Catが突っ込んだのも見逃せない。女性にモテる彼が、どうして女性である彼女の家に不法侵入するのか。
Spec 116号では、アパートの整理をしているPeterがBlack Catの写真を破り捨てる一方、Black CatもSPIDER-MANの写真を川に捨てるシーンがある。二人が次の人生を歩み始める決意をしたことを示唆する演出は面白い。
SPIDER-MANがSabretoothを仕留めたが、119号ではBlack CatがSabretoothを徹底的に痛めつけた。最後にはビルの屋上から見守るSPIDER-MANにウィンクを送る一コマもある。余裕だね。
119号では、PeterとMary Jane Watson (“MJ”)の仲が急接近するなかなか素敵な演出が好き。上記の一件をMJも見ているわけで、彼女はBlack Catに対し嫉妬を感じていることに気付いている。