アメコミとラーメン

箸休めなのに現行のSPIDER-MANより面白い


Roger Stern時代のThe Amazing SPIDER-MAN (“ASM”)のレビューはまだまだ続く。今日は1982年に出版されたASM 237号のレビュー。
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構想はStern、筋書をBill Mantlo、画をBob Hall、インクをFrank Giacoiaがそれぞれ担当している。表紙は御用達Mycomicbookshop.comによると、John Romita Jr. (“JRJR”)にGiacoiaがインクを入れたもの。中身の画のHallの画は、1960年代から1970年代ぐらいまでの平均的なアメコミの画でそれ程惹きつけられない。このJRJRの表紙が一番良い。(それでも彼の作品の中では退屈だな。)

粗筋をさらっと紹介。ダメダメ悪人のStilt Man。彼はこれまでさんざん負け続けてきた。唯一勝利したのはSPIDER-MANとの対決のみ。しかし、マスコミはSPIDER-MANを記事にし続けている。彼は、Stark社の工場に忍び込み足が伸びるスーツを再び作り出す。そこでSPIDER-MANは、彼と再び対峙する。

いつものように今回も気に入ったシーン、台詞等を紹介。今回はこの当時のMay伯母さんの彼、Nathanの言葉。ちょっと長い。”Trouble with the world today is that people spend too much time thinking and not enough time doing.”良いこと言うね。これが書かれたのは前述の通り1982年。時代も進み、科学が発達しても、人類は変わらない。前回紹介したVulture (ASM 224号)でVultureを勇気づけたのもこのNathan。このキャラクター良いな。

2回目に悪人が登場した時には、ヒーローも悪人も、相手のことを研究している。今回SPIDER-MANはStilt Manの毒ガス攻撃に対し、息を吸わないことで凌いだ。一方Stilt Manは蜘蛛糸が張り付かないように、スーツにシリコン塗装をしている。当たり前だけど、こういう細かい配慮は大切。そうしないと、話が前と全く同じでつまらない。

最後のStilt Manの屁理屈の「さげ」が、好きなので、紹介。SPIDER-MANは身を挺してStilt Manの命を救う。そして、気を失った彼をStilt Manは殺さなかった。これを持ってStilt Manは、”We are even”(借りを返した。)と言っている。屁理屈なので、何か腑に落ちないんだけど、面白い。Sternは悪人の中に何か良い部分を描いているな。

標題のように、この作品は次のArcまでの間の箸休め的な作品。正直画も良くないし、悪人にも魅力はない。言っちゃ悪いがStern時代のASMでは平均以下の作品。だけど、現行のASMより読み応えがあって面白い。
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