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先月届いたThe Amazing SPIDER-MAN(“ASM”)の残りの3冊、642号~644号について。642号から新しいArc(複数話で完結する話)Origin of Speciesが開幕した。まずは表紙が面白い。642号~644号の表紙が繋がっている。読み込む時に表紙が斜めになったりしたので、添付画像では、うまく繋がらなかったけど、イメージはわかるはず。
今回は筋書きをMark Waid、画をPaul Azacetaが担当。このコンビは、4月にレビューを書いたASM623号624号を担当していた。Paulの画は前回も褒めたけど、今回も良い。SPIDER-MANことPeter Parkerの同居人Michelleとのドタバタ喜劇を滑稽に描くには彼みたいなちょっとクラシックな画を描く人の方が合っている。
さて、もう少し筋書きのコアな部分について書こう。表紙を見てもわかるように、今回のArcでは、これまでに登場したSPIDER-MAN の敵役が数多く登場する。陰で糸を引いているのはDr. Octopusだ。(もう一人いるのは、Octopusの基地を提供しているChameleonかな。)なんやら理由がわからないのだが、Dr. Octopusは、SPIDER-MAN の仇敵Green GoblinとMenaceとの生まれたばかりの子供をほしいらしい。SPIDER-MANが邪魔することがわかっているので、Dr. Octopusは、その他大勢の悪人どもにそれを阻止するよう依頼した。(正確に言うと誘拐した者には賞金をあげるというのが交換条件。)
642号では、お金のないPeterが自分のカメラを売ろうとするシーンでの友達Bettyの想いやりあふれる会話が好きだな。644号最後のシーンも良い。すなわち、変装の名人ChameleonがSPIDER-MANを騙すところ。SPIDER-MANとRhinoとの対決も良かった。Rhinoは金目当てじゃなくて、SPIDER-MANを心底憎んでいるんだね。(逆恨みだけど)SPIDER-MANがそのRhino説得して、戦いを避けるところは、ぐっとくる。
それから、Peterの新しい彼女Carlie CooperとPeterとの関係も新鮮だな。確かにMary Jane Watson(“MJ”)がベストなのだが、MJはSPIDER-MANの正体を知っているのに対し、Carlieは知らない。だから、Dr. Octopus が喫茶店で大暴れした時にPeterが突然姿を消したことに疑問や不信感を覚える。この辺は本当に古典的な展開ながら、ヒーローものでは必要不可欠だと思う。MJとのシーンではこんな展開を使えない。
一方、あまり好きでないところも今回はハイライト。Brand-New Day(“BND”、PeterとMJの結婚生活がちゃらになってからの話)以降に登場した悪人の中でも嫌いなキャラクターの出演が気に入らない。Freak、New Vultureと前述のMenaceだ。全部正直気持ちが悪い。Freakは生理的に受け付けない。Vultureは強酸性のゲロが下品。Menaceは、精神的に弱いところは良いが、妊娠しているのに暴れ回らせる常識のなさが嫌だね。BND以降新しく出てきた悪人の内でもMr. Negativeは結構好き。表では慈善家、裏ではヤクザという設定が良いね。