先月に引き続き、THORについて。そして、2週連続で末ナについてでもある。
今回は小学館集英社プロダクションから出版された「マイティ・ソー:アズガルドの伝説」(以下「アズ伝」)を読み終えた。先週は最近のアメコミ末{はストライクはずしてないかと、疑問を呈したら、そうじゃないとの反論があったな。基本的に考え方を変えたわけではないのだが、今回のこのアズ伝説、久々のストライクです。ど真ん中。
筋書きをStan Lee、画をJack Kirbyが全編を担当。まさに1960年代のゴールデンコンビだ。表紙画は、最近のTHORの画と言ったらこの人というOliver Coipelさんが担当。かっちょ良いね。だけど、この表紙に惹かれて買っちゃうと中身の画は全然違うんで気を付けてほしいな。この本はJackの画を堪能するための本だからね。
「アズ伝」という題名からもわかるように、THORが地球に来てからの話ではなく、北欧神話の世界を描いた作品。どうも一話一話の話が5頁と短いので、本編とは別のオマケの話の総集編みたいだな。北欧神話と書いちゃったけど、それを下敷きに、時には忠実に、時には大胆に話を変えて進めているな。これは、小野耕世さんの本かなにかの受け売りだけど、原作Stan Leeと書いてあっても、本当はJackがほとんどの話を作っていて、Stanは台詞だけみたいだったらしい。何時からかは知らないけどね。
個人的には、Absorbing ManとかWreckerとかが登場する地球に降りてきてからの話を読みたかったのだが、「アズ伝」でも良いかな。北欧神話って何冊か読んだはずだけど、ほとんど忘れていたので、思い出したよ。
一番好きなのは、最後の長編でTHORの子分Warrior Threeとの冒険譚かな。北欧神話なのに、途中からアラビアンナイト風の話に変わったり、山に行くはずが、山は地中に埋まっていたり、奇妙奇天烈な話。また、悪人は極悪なのに諦めが早かったり、のんびりした話。その一方で、この辺になるとJackの画が凄くなってくる。何かヘルメットとか武器とかがやたら大袈裟なんだよね。
1950年代にはJackは活動していたと思うので、そこそこ経験は積んでいる中での作品なのだが、1960年代後半の方が良い作品がある気がするな。特に光文社版で紹介されたGalactusが登場する話は最高に好き。Jackの趣味のコラージュを多用した表現方法は今読んでも新鮮。
そうそう、「アズ伝」のおまけに、登場人物の紹介やAsgardの紹介があってこれ1冊でTHOR辞典みたいだ。また、歴代のTHORの画家の表紙画も楽しめる。大好きなWalter Simonsonの作品もあるな。Walterの作品なんかも末オて欲しいな。それより、読んでいないKirbyの1960年代後半の作品の方が良いか。
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