≪RING OF DIAMONDS≫ ~大田区総合体育館~
▼WBC世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
挑戦者・4位 チャンピオン
井上尚弥(大橋) 〇 K O ● アドリアン・エルナンデス(メキシコ)
6回2分52秒
▼WBC世界フライ級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 挑戦者・8位
八重樫東(大橋) 〇 K O ● オディロン・サレタ(メキシコ)
9回2分14秒
ボクシングファンの注目を集めた昨日の『世界2大タイトルマッチ』。
試合の前には、
先ごろ死刑判決の再審請求が認められた元ボクサーの袴田巌さんに、
WBCから【名誉のチャンピオンベルト】が贈呈されました。
さて、
今回のタイトルマッチ。
メインとなった井上には、
6戦目での世界タイトル奪取という、
日本記録がかかりました。
まあ、
ボクシングにおける記録なんていうものは、
かのK三兄弟が『日本初の〇〇階級制覇』やら、
『世界初の3兄弟世界王者』なんていう、
まさに【ボクシングバラエティ】とでもいうようなフィルターを通して長年見させられたおかげで、
『どうにでもなる、空しいもの』
なんていう悲しい評価しかされなくなってしまっていますが、
『ホンモノ』の輝きは、
やっぱり違うということを認識させてくれる、
昨日のタイトルマッチでしたね。
井上の相手は、
経験十分のメキシコのファイター、エルナンデスでした。
手数が止まらないブルファイターだそうで、
このペースにはまりこんだら、
逃げることは不可能だろうなあというのが試合前の見立て。
井上のポテンシャルが上回るだろうというのが大方の見方ではありましたが、
そこはまだ井上の『本当の強者との対戦』を見たことがないので、
なんとも『どうなるか』の予想がつきづらいという側面もありました。
しかしながら、
余裕綽々でリングに上がったこの若武者、
ゴングが鳴って1ラウンドを戦ったときには、
もうすでに会場中、
いや、テレビを見ている日本中のボクシングファンに勝利を確信させるという、
見事な戦いをやってのけました。
『相手には当てさせず、こちらは的確なパンチを当てていく』
教科書のような華麗なボクシングは、
『これから10年は、俺たちを興奮させ続けてくれる存在になる!』
というのを確信させてくれるファイトでした。
圧倒的劣勢なチャンピオンが中盤ギアを思いっきりあげてきたとき、
井上は太ももに違和感を感じていて、
そう余裕があったわけではないと語っていましたが、
最後は6R,
見事な右で相手に膝をつかせ、
そのまま立ち上がらせずにKO勝ち。
文句の言いようもない見事な『KO戴冠』となりました。
見ているものを震撼させてくれるような、
見事過ぎる世界チャンピオンの誕生です。
『本当に強い!!』
としか、言いようがありません。
いや~~~~強い!!
現在の日本のチャンプである、
山中も内山も井岡も強いのですが、
彼らとはまた違った強さを持つ、
【超ド級の】王者の誕生ですね。
今後の防衛ロードが、
楽しみでしょうがないです。
ぜひ、
強い他団体の王者との、
統一王座戦が見てみたいですね。
そして現役チャンプの八重樫。
彼もまた、
存在感を見せてくれました。
八重樫東というボクサーは、
自らを『強くもないし、無器用』と定義づけ、
『しかしたたき上げて、強くなる』
事を胸に刻んで戦い続ける、
【男が惚れる男】
とでもいうボクサーです。
昨日の興業でも、
現役チャンピオンでありながら、
同じジムの若手のホープである井上に、
メインイベントの座を譲って自分はサブで試合をするという、
前代未聞のことをやってのけました。
『好漢』
という言葉しか浮かばない、
『思わず応援したくなっちまう』ボクサーです。
その八重樫、
今回のタイトルマッチの前に、
このクラスで世界的な強さを誇るも、
強すぎてチャンピオンが逃げ回って誰も挑戦を受けてくれないという、
すでに【伝説のボクサー】になっているニカラグアのローマン・ゴンザレス選手と、
『今回勝てれば、次はロマゴン選手の挑戦を受けます』
と表明したもんだから、
日本のボクシング界はハチの巣をつついたような大騒ぎになっています。
この人気、実力ともに世界屈指のロマゴン選手、
昨日は前座でノンタイトル戦を行い、
見事なKO勝ちでその恐るべき強さを誇示しました。
そんな、
『とにかく、強い奴と戦いたい』
という、
”昭和の匂いのするボクサー”八重樫の3度目の防衛戦は、
序盤から苦しい試合となりました。
前の試合で、
難敵を見事に足でさばき切って、
『いろいろな(戦い方の)引き出しがある』
事を見せつけた八重樫。
しかし昨日は、
『不器用な戦士』という戦いそのものの試合となり、
中盤まではなんだかハラハラしました。
4R終了時点での公開採点でも、
3人のジャッジのうち2者が、
挑戦者有利のジャッジを下していました。
まあ、
焦りはなかったものの、
『判定まで持ち込まれるかな?』
というのがワタシの見方でしたが、
このあたりから徐々に八重樫の飛び込んでのボディがヒットするようになり、
挑戦者はズルズルと後退し始めました。
しかし攻防は一進一退。
”もしも”の被弾があれば、
”まさか”の結果もあり得るという様なドキドキ感が、
リングを支配していたと思います。
しかし迎えた9R。
八重樫の右が一閃、
挑戦者のあごを捕らえると、
挑戦者はもんどりうってキャンバスに。
そして立ち上がったものの、
戦意は完全に失われており、
そのまま10カウントを聞いて、
チャンピオン・八重樫の2度目の防衛がなったのでした。
ハラハラさせてくれましたが、
やはり八重樫は『確実に成長しているな』ということを実感させてくれる、
昨日の戦いぶりでした。
試合後リングに上がってきた子供たちに、
またまた『強いお父ちゃん』を見せることができて、
よかったね、チャンプ!!
さあ、
次はロマゴン戦に向けて、
環境が整備されていくことでしょう。
たぶん、
この日と同じで、
井上の初防衛戦との同時興行となることでしょう。
正直に言うと、
ロマゴンは強すぎます。
まったく次元が違うボクシングをしているとしか見えません。
『八重樫に付け入るスキはあるのか?』
とみても、
『いまのところ、ない』
としか言いようがないです。
しかし、
同じように『完全な劣勢』が予想されたミニマム級の井岡との『世界統一戦』の時も、
八重樫は【魂のこもったどつきあい】をしてくれて、
本当に感動を通り越して、震えがくるような思いでした。
『敗れてなお強し』と、
試合には敗れたものの、
八重樫の評価はグ~ンと上がりました。
しかし、
その時の井岡と比較しても、
ロマゴンは正直『次元が違う』という感じがします。
だが、
八重樫だって、
井岡戦の時よりもずっとずっと、
強くなっています。
『八重樫なら、何とかしてくれる』
『八重樫なら、何かをやらかしてくれる』
そんな思いを、
強く持っています。
己を信じて、限界に挑戦し続ける八重樫東という男。
やっぱり、
応援したくなっちゃいます。
『ボクシングは、記録より記憶だ!!』
そんなファンの叫びが、
聞こえてくるようです。
井上は、
【記録も記憶も】
という”偉大なボクサー”への道を歩いていってくれる気がしますが、
まずはこの八重樫が、
『軽量級世界最強』とも言われるロマゴンを迎え撃つ一戦、
楽しみに待ちたいと思います。
絶対に見に行くからな~~!
頼むぞ~八重樫!!
そして井上!!
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