元大関・貴ノ浪の音羽山親方が突然この世を去ってから1週間。
日に日にショックが大きくなってきて、
本当に残念でなりません。
まだ43歳という若さ。
お相撲さんはやはり現役時代に体に負担をかけ続けているために短命だと言われますが、
にこやかな笑顔と軽妙な語り口でNHKの大相撲解説でも好評だった音羽山親方。
その死はさぞ、無念であっただろうと思います。
貴ノ浪が活躍していた時代、
本当に相撲人気が高かったし、
それに二子山部屋の勢いがすごかったのを思い出します。
貴乃花、若乃花の両横綱にこの大関貴ノ浪。
そして一癖も二癖もある安芸乃島、貴闘力の両力士。
『ものすごいけいこ量と、常にガチンコ相撲』
が売り物だったこの二子山部屋。
故・先代貴ノ花の実直な人柄がよく表れた部屋だったと思います。
貴ノ浪は、
部屋頭は若貴兄弟に任せて、
自らは実力のある大関として、
2度の優勝を飾った名大関でした。
脇が甘く、
よく相手に懐に入られてもろ差しを許していましたが、
そこから相手の腕を決めて豪快につり出したり寄り切ったり。
そんな相撲の印象が強いですね。
体も大きかったので、
勝つ相撲は本当に『豪快無比』の一言でした。
今の力士では、
新大関の照ノ富士が、
全盛期の貴ノ浪に似た相撲を取りますね。
そんな豪快で大きな相撲を取る貴ノ浪でしたが、
大型力士にありがちな足腰の脆さと、
そして持病の心臓疾患などで晩年は苦しみ、
大関陥落の憂き目にあいながらも真摯に土俵を務めあげました。
『平成の名大関』の、
なんとも早すぎる死に、
本当にショックを受けています。
まだまだ活躍してほしい人でした。
朗らかな人柄そのものの相撲解説は、
舞の海と並んで私の最も好きな解説者の一人でした。
最近の相撲中継でも、
音羽山親方が解説と書いてあると、
『おっ 今日は貴ノ浪か!』
と楽しみでした。
ちなみに最近の解説者は、
魁皇にしても琴欧洲にしても栃東にしても、
弁舌さわやかな人が多くて、いいですね。
新しい時代を感じることができます。
遠く昭和の時代の、
神風さんと玉の海さんの時代も懐かしいですけどね。
いずれにしても、
惜しい人をなくしてしまいました。
返す返すも、
残念でなりません。
人気V字回復の相撲界を、もっともっと盛り上げていってほしかったです。
天召された今、
どうか大相撲の行く末を、
あのにこやかな笑顔とともに、
見守っていてほしいと思います。
合掌。