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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

松坂大輔引退

2021年10月20日 | プロ野球

西武の松坂大輔が昨日、
最後の登板と引退会見を行いました。

ワタシはその模様は手元の動画配信で観戦。

横浜高校時代、そして西武に所属していた時代、
松坂の大ファンでその投球に心躍らせていたファンとして、
昨日の最後の登板には感慨深いものがあるかと思っていましたが、
不思議と胸に迫るものは何もありませんでした。

思い出すのは遠い昔の思い出という感じで、
松坂大輔がまだ現役のユニフォームを着て投げているという事が、
何だか現実感を伴っていないというか、
そんな感じを持ちましたね。

長嶋さんや王さん、
イチロー、松井秀喜、
そして清原までも含めて、
スーパースターの引退の時には「やめないでほしい」と思ったものでしたが、
不思議と松坂には現実感がありませんでした。

なんだか「ずっと昔に辞めた人がリバイバルでマウンドに登っている感じ」を感じてしまって。。

ワタシ、中日の試合は見ないもので、
松坂が1年だけ復活した年の投球は、
ハイライト映像で何度か見たっきり。

そんなこともあってか、
ワタシの中に「現役バリバリで投げていた松坂大輔」は、
もう10年近く昔の話という感じでしたから、
現実感を喪失していたのかもしれませんね。

2年前に西武に再度入団すると決まった時も、
「引退興行のための入団」
だと思っていましたので期待などは何も持っていませんでしたし、
「せめて若手にいい影響を与えてくれたらいいなあ」
ぐらいにしか思っていませんでした。

彼には引き際の美学がなかったので、
興味を失っていたのかもしれませんね。
そういう意味では「惜しい引退」だと思っています。
「惜しまれる引退」ではないですよ。


引退を発表した時も書きましたが、
彼は完全に「早熟の天才」で、
20代で花を咲かせ、
そこが野球選手としてのピークでした。

あらゆる記録を塗り替えるのではないかと思われた西武時代、
本当に彼はすごいピッチャーでした。
そして存在そのものに華があり、
まさに「日本のエース」そのものでした。

それまでワタシが見てきた「日本のエース」は、
どこかに暗い影を背負い、
「孤高のエース」感が強い「勝負師」的な人が多かった気がします。

近鉄の鈴木、
阪急の山田、
巨人の江川、
阪神の江夏。

次の世代の、
巨人の斎藤、桑田、
近鉄・野茂やロッテの伊良部などもそんな感じでした。

なにも背負っているもの感がない”新人類のエース”(当時はそんな言われ方をしました)は、
西武の工藤、渡辺、日ハムの西崎ぐらいだったかなあ。

そんな時代にあって、
松坂大輔というのは、
本当にあっけらかんと明るくて、
にっこり笑ってズバッと斬るという、
なんだか「次元の違うエース」という感じがしていました。

しかし本気になった時はものすごいピッチングをする。。。。
そんな凄みを盛ったピッチャーでしたね。

その凄みを存分に見せたのが、
伝説となった98年の高校野球選手権大会でしたね。

今ではもう見ることができなくなった延長17回というPL学園との死闘は、
松坂のすごさが凝縮された試合でした。

横浜高校はこの試合先攻。
8回に同点になってから、
松坂は常に「サヨナラ負けの恐怖」と戦い続けながらの投球になるはず・・・・・でした。

しかし松坂は、
序盤に打ち込まれて5点も取られているとは思えないような、
ギアを上げた投球を見せて、
全く危なげなく投球を続けました。

9回、10回。

軽くPLを抑える投球の松坂を見て、
ワタシは心底「こいつはすげー奴だ」
と思ったものです。

11回に横浜が1点をもぎ取るとその裏、
今度はPLが松坂に襲い掛かり2死から同点に追いつきますが、
その後12、13,14,15回と4イニングをパーフェクトに抑えるピッチングを見せて、
見方の攻撃を待ちました。

この4イニングの松坂、
まさに神が乗り移ったかのような凄みのあるピッチング。
しかし16回に横浜が1点を勝ち越すと、
またまたその裏PLが反撃を見せて同点。

PLの追い詰められてからの気迫も、
その昔の「逆転のPL」が再現されたような迫力で、
この試合はホント、
「高校野球最高試合」の一つに数えられるのがわかる試合内容でした。

松坂の気迫、
そしてPLの気迫。

さらに両者の技術の高さ。

高校野球の頂点ともいえるような、
そんな試合でしたね。

延長17回に飛び出した常盤の勝ち越し2ラン。
その弾道をベンチ前でのキャッチボール中に見た松坂の、
思わず涙ぐんでしまった顔。

そして次の試合、
先発を回避していたものの、
終盤の大反撃を引き継ぎブルペンでバンテージを引きちぎってマウンドに勇躍向かったその姿。

そして決勝ではまさかのノーヒットノーランを達成し、
最後の打者を三振に取り笑顔で万歳をした姿。


そんな松坂は、
まさにこの夏「日本中のヒーロー」となり、
誰もが夢を託したものでした。

斎藤佑樹もすごかったが、
実力で圧倒したこの松坂大輔も、
本当にすごかった。

やっぱりワタシ、
松坂と聞いて思い出すのは「あの夏」の事ばかり。

それからプロ野球にも足跡を残し、
MLBでも活躍しましたが、
やっぱり松坂は「横浜高校の松坂」というのが、
いまだにしっくりきます。

プロでの松坂ではなく、
『甲子園のヒーロー列伝』の中の松坂として、
ワタシの心に深く刻んでおくことにします。

作新学院の江川卓、
早稲田実の荒木大輔、斎藤佑樹、
そして横浜高校の松坂大輔。

プロで活躍した選手たちではありますが、
ワタシの中では「永遠の高校球児」です。


もうあの夏から、
23年という月日が流れ、
「松坂世代」もほとんどが引退しました。
まあ、四十路ですから、
致し方がありません。

しかしこの世代を引っ張り続けた松坂、
彼の引退は、
この世代の人たちや、この世代の活躍に励まされてきた人たちには、
非常に感慨深いものがあるでしょうね。

今後どのような道で活躍していくのかわかりませんが、
とりあえずお疲れさまでした。
ゆっくりと疲れを取って、
またその姿を見せてほしいと思っています。




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