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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

怪童・中西太 天へ

2023年05月19日 | プロ野球

~日刊スポーツより~
西鉄ライオンズの黄金期を支えた中西太氏(日刊スポーツ評論家)が11日午前3時38分、心不全のため東京都内の自宅で死去した。90歳。


あの怪童・中西太さんが、
天に召されました。
90歳ですから大往生ではありますが、
長くプロ野球界にその名前をとどろかせた人物の訃報に、
深く頭を垂れます。


中西さんといえば、
ワタシが初めてその名前に触れたのは、
高校野球の本「甲子園 熱球物語」という本の中でした。

この本はワタシの幼少期のバイブル的存在の本。
中西太さんはその中で「怪童 中西」と紹介されていて、
高松一高時代の雄姿が紹介されていました。

何しろその本で一番新しい甲子園優勝校は大分の津久見ですから、
いかに古い本かわかろうというものです。

ワタシの中に刷り込まれたのは「怪童」という枕詞。
なんだかものすごい選手に思えて、
実際の何倍もの大きさで「中西太」という名前がインプットされました。

何しろ「太」という名前です。
インパクトは絶大でした。


その後阪神の監督をやり、
なんだかさえない姿を見せてくれたのですが、
中西太選手が中心として活躍していた「西鉄ライオンズ」という球団に、
なんだか心惹かれていたという覚えもあります。

何しろ西鉄、
まさに「野武士軍団」という風情が強くて、
投の稲尾、打の中西・豊田は、
ものすごいサムライだったんだろうなあ・・・・・なんて子供心に思ったものです。

阪神ではその豪快さを見ることはなかった中西さん、
ワタシが最も印象に残っているのは、
仰木監督の下コーチをやっていた近鉄時代の姿です。

特にあの昭和63年の、
ロッテとの伝説のダブルヘッダーの時の姿は、
よくよく覚えています。
というより、
忘れようと思ったって、忘れられるもんじゃありません。

あのときの近鉄は、
まさに西鉄ライオンズをほうふつとさせるような野武士軍団。
それいけ、やれいけのイケイケ野球で、
管理野球で一時代を築いていたチャンピオン・西武ライオンズに、
鋭く迫っていた時代でした。

そして西鉄の前身のチームが、
管理野球の西武だったってところも、
面白いコントラストを描いていました。

西武vs近鉄

西武は広岡監督・森監督の下常勝を続ける、
まあ行ってみれば「レオの衣を着た巨人の野球」でした。

一方の近鉄は、
仰木監督、中西ヘッドの元、
「西鉄と見まごうような、古き良きパ・リーグのサムライ野球」で、
この両者の対決はなんというか、
「セとパの代理戦争」のようなたたずまいで行われていましたっけ。

その昭和63年のダブルヘッダー、
連勝するしかない近鉄は第1試合、
8回まで2点ビハインドに追い込まれていました。

しかし8回に同点に追いついた近鉄は、
9回2死2塁でこの日限りでの引退を決めていた梨田を代打に送ります。
梨田は「現役最後の打撃」と覚悟した打席で、
乾坤一擲のタイムリーを放ちます。
逆転!!!

日本全体が、
盛り上がりに盛り上がって、
大きく波打った瞬間でした。

そしてホームに還ってきた鈴木に対し、
中西コーチがベンチを飛び出して、
歓喜の雄たけびを上げながら抱き留めたシーンは、
忘れられません。

もちろんワタシ、
西武を応援していましたから、
その瞬間は目の前が真っ暗になった覚えがあります。


その後のことは・・・・・
まあ、いいでしょう。


中西さん、
本当に熱い、それもとびっきりの熱さの、
好漢でした。

あの日からもう、
年号がふたつも変わって35年。

仰木監督も、
そして同点のホームを踏んだ鈴木選手も今は亡く、
近鉄バッファローズも球界の大きなうねりの中、
姿を消してしまいました。

川崎球場も、
今はその姿を見ることができません。

しかし今でも、
あのうねりのような歓声は、
耳を突いて離れません。

古き良きプロ野球の、
最後の咆哮だったのかもしれませんね。

そんなこと、
何だか思い出していました。


弾丸ライナーがサードの上に飛んで、
サードがジャンプして捕れませんでしたが、
その打球がそのままスタンドに飛び込んだ。。。。。。。

なんて逸話も残した「怪童 中西太伝説」。

伝説は静かに、
その幕を閉じようとしています。

しかし、
古き良き、パ・リーグの匂いを色濃くまとった侍・中西太のことは、
忘れることができません。


自称「純パの会」会員として、
たくさんのありがとうを贈ります。

合掌。



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