≪第99回全国高校野球選手権大会≫
【大会総展望】
”絶対王者”大阪桐蔭の春夏連覇を止めるチームはあるのか!
投手力の秀岳館、打力の横浜ら10数校が入り乱れて追う大混戦の大会か?!
今年1年、高校野球の中で常に話題の中心になってきたのは早実の清宮。
その清宮が西東京大会で敗れて、
甲子園は目玉を失った大会になるのではと言われていますが、
まったくそんなことはないと断言できます。
過去も『スーパースター』が予選敗退で登場しない大会は何度もありましたが、
その都度新たなスターが甲子園に出現。
そして数々の心に残る激闘が、100年もの間ファンの心を鷲摑みにしてきました。
”夏の甲子園”とはそんな大会です。
さて、今年は大阪桐蔭が春の選抜で史上初の『大阪決戦』を制して紫紺の大旗をつかみました。
誰もがその強さを目の当たりにしている大阪桐蔭。
過去10年にわたり、
高校野球界の盟主であり、スーパーチームとして君臨し続けています。
その強さは、
あの80年代のPL学園全盛期の強さをほうふつとさせ、
大会毎に各校は『ストップ・ザ・大阪桐蔭』を合言葉にしているといっても過言ではないでしょう。
その大阪桐蔭はこの夏、
2度目の春夏連覇に挑みます。
かつて2度までも春夏連覇を達成したチームは皆無。
前人未踏の頂へのチャレンジとなります。
その大阪桐蔭。
大阪府大会では準々決勝、準決勝、決勝と苦しみ抜きましたが、
『最後はきちんと勝っている』というところにこのチームの強さ、たくましさを感じさせます。
『地位がひとを作る』とはよく言われることですが、
大阪桐蔭については『地位がチームを作る』とでも言いましょうか。
かつての大阪桐蔭は『圧勝するときは本当に強いが、競ってくると必ずもろさが顔を出す』と言われていましたが、
そのかつての面影、現在のチームではどこにも探すことができません。
『負けていればいるほど、追い詰められれば追い詰められるほど』信じられない反発力を発揮するチームカラーは、
まさに『高校野球史上最強』と言われた全盛期のPL学園の強さそのもの。
大阪桐蔭は、まさに今『輝ける時』を迎えていると言っていいでしょう。
そんな大阪桐蔭。
今年も打線は『大阪桐蔭の打線』そのもの。
大阪大会は準々決勝から投手陣が打たれる苦しい展開だったものの、
ことごとく終盤に打線が相手投手を打ち砕いて栄冠に駆け上っていきました。
その力を見せれば、連覇にはおのずと近づいて行けることでしょう。
もはや全国のどのチームに対しても『顔と名前、ユニフォームですでに優位に立っている』状態を試合前から作れる大阪桐蔭というチーム。
更に言うならば、舞台が地元・甲子園ということで”ホームチーム”として大きなアドバンテージを得ての戦いになるため、今のところ死角は見当たりません。
今年の99回大会、最大の注目点は『果たして大阪桐蔭を倒すチームは現れるのか?』その一点にかかっているのではないかと思われます。
甲子園常連校が、大阪桐蔭に挑戦状をたたきつける。
大阪桐蔭の弱点をあえて探すとするならば、やはり投手力か。選抜でも好投した徳山に春以降台頭してきた柿木、そして抑えには150キロの剛腕根尾も控えるが、連打を浴びるケースが多かったのがやや気になる。しかしそれを補って余りある猛打線の破壊力はすさまじい。来年のドラ1確定かと言われる藤原を1番に、福井、中川、山本、山田と硬軟自在の打者が並び、あの根尾が6番を打つに至っては、『どうやって止めるの?』と他校が震えるのも無理はない。敗れる時はこの打線が抑え込まれたときだけだろうが、そんなときが果たして訪れるのか?
さて、しかし大阪桐蔭ばかりが代表校ではない。ほかの有力チームも虎視眈々と頂点に狙いを定めている。そんな中でまず名前が挙がるのが、過去3季連続、甲子園で4強進出を果たしている秀岳館か。このチームは今年に限って言えば完全に投手力のチーム。打線の振りも鋭いが、好投手に当たると攻略できるまでの破壊力はない。しかし左腕の二枚看板、田浦と川端はいずれも大会屈指の好投手。それが2枚揃っているのだから、投手陣の力は今大会屈指。打線が目を覚ます展開になれば、十分に大阪桐蔭に対抗できる力を持っていると言えるだろう。
関東では、ディフェンディングチャンピオンの作新学院と、力のある前橋育英が上位を狙っている。作新学院は打線の力が夏を迎えて例年通り上がってきたのが好材料。連覇ということで重圧もかかる大会にはなるが、投手陣も大関、篠原とそこそこ投げられる2枚が揃っており、組み合わせ次第では大きく浮上することも考えられる。前橋育英は投手陣の厚みが自慢。皆川、吉沢の2枚看板が先発で試合を作り、締めるのは左腕の丸山。この継投がピタッとはまった時は強さを発揮する。打線はやや大振りが目立ち破壊力はいまひとつなものの、足も使えるようになってきて得点力も徐々に上がってきている。1戦目、2戦目をしっかりとって上位に進出してきたときは、分厚い投手陣で波乱を起こすかもしれない。明徳義塾は、選抜で早実に敗れた悔しさから、チーム力を一段上げてきた。エース北本頼みだった投手陣が、市川の台頭で後半しっかり勝ち切れるようになったのは全国上位を狙うには心強い。打線は大物打ちこそいないが相変わらずのキレ味を持ち、守備の精度は大会屈指。何しろ甲子園での勝ち方を知るだけに、スルスルと上位まで上がっていく可能性は十分だ。神村学園も候補の一角に上げていいだろう。九州では春からトップチームに君臨。強豪校を一枚上回る戦力を擁しており、期待は高い。分厚い投手陣が相手を抑え、強打で後半に勝負をかける。
決め手を持つチームが波に乗ると、とんでもない力を発揮するかも。
更に有力校が差なく続いている。広陵は平元ー中村の超高校級バッテリーが軸。名門復活の大会としたいところだ。面白いといえば、東海大菅生の戦いぶりにも注目が集まる。何しろ日大三、早実と今年注目を集め続けた両校に完勝しての甲子園。エースの松本は素晴らしい球のキレと制球力で勝負する。打線とかみ合えば、十分に優勝候補に挙げてもいいぐらい、今チームは乗っている。レベルの高い沖縄を勝ち抜いた興南は、1年生左腕・宮城が『真夏のヒーロー』になる予感を漂わせ期待が大きい。打線は鋭さを増しており、もともと投手陣にも分厚さを持った戦力だけに、どういった戦いを見せてくれるのか、興味深い。選抜では例年通りのレベルの高さを見せつけた近畿勢では、神戸国際大付が2度目の夏。もともと力は持っているチームだが、選抜は近畿勢大躍進の陰で期待されながらの初戦敗退。悔しさを胸に夏を勝ち切った反発力に期待が高まる。岡野、黒田の投の2枚看板は大会でも上位にランクされる。毎年優勝に近づきながらまだ深紅の大旗を握っていない東北勢では、やはり11年連続出場の聖光学院の動向が気になる。県大会では苦戦もしたが、甲子園での戦い方はお手の物。投打ともにしっかりとした野球ができて、簡単には負けることがないチームだけに期待は高い。苦しい戦いを抜けて甲子園にたどり着いた東北王者・仙台育英の力も水準より上。苦しい戦いを戦い、チームの結束力は強まった。もとよりチーム力はかなり高く、今年東北初の大旗がもたらされても、何ら不思議ではない。例年『レベルが高い』と言われる神奈川からは横浜が2年連続。神奈川大会で昨年に続いて14本塁打とど派手な勝ち方をしてくるので期待されるが、今年はさほど総合的なチーム力は高くないとみる。ここまでのチームの県外チームとの対戦を見ると、キッチリした野球をやられるとチームの粗さが露呈される状況が続いており、この夏その弱点を突き破りブレークできるか。関東では、昨年に続く連続出場組がなかなかの戦力を整えている。花咲徳栄は打線の力は昨年より明らかにうえで、網脇ー清水のリレーが決まるようだと上位も視野へ。木更津総合は、昨年のエース早川を引き継ぐエース山下がすっかり成長。こちらも打線は昨年より数段上で、チームとしての期待は高い。智弁和歌山は近年甲子園では結果を残せていないが、波に乗った時の打線の破壊力はまだまだ全国レベル。高嶋監督も残り少ない現役生活の中、何とか頂点を狙っているだろう。
ダークホースも多士済々。まさに全チームに、優勝の”資格あり”だ!
ダークホースを北から挙げていくと、実にたくさんのチームが上位を狙う力を備えている。まずは昨年の準優勝校・北海。去年は大黒柱の大西が八面六臂の活躍だったが、今年は切れ目のない打線を前面に北海伝統の攻撃野球で勝負をかける。青森山田は投手力が充実。打線がつながればかなり面白い。選抜8強の盛岡大付も甲子園での戦い方に自信を持った。昨夏、今春ともに2勝づつを上げて、この夏はそれ以上を狙う。打線の破壊力は東北でも屈指の力を持ち、打ち勝つ野球に投手陣の頑張りを絡めたい。山梨学院は連続出場の夏。ライバル東海大甲府戦で見せた打線のつながりは見事だった。昨年からの経験十分の投手陣がどこまで踏ん張れるか。東海勢では、中京大中京と大垣日大がいい戦力を整えた。両校ともにスキのない野球で、新たなウェーブを起こしたい。公立の名門、彦根東は2年生左腕・増居が注目。見事なプレースメント投球がはまれば全国の強打線にも十分に対峙できるはず。平安、大阪桐蔭を抑えた実力を見せつけたい。四国では鳴門渦潮と済美の力が上回る。鳴門渦潮は強打が自慢。『四国NO1』と言われるスケールの大きさは侮れない。済美は4番エースの八塚がどこまで活躍できるか。ポスト上甲監督で初の夏だけに、期待も大きい。
その他で楽しみなチームとしては、公募監督として結果を出して甲子園初采配になる、輿石監督の明桜に注目。なかなかのチーム力を備えている。二松学舎大付は3年前の『感激の夏』を超え、今回は結果を残したい夏。打線の破壊力はチームの伝統で、投手陣の踏ん張り次第では上位も狙えそう。ベテラン・大井監督最後の夏に気合十分の日本文理は、1,2勝では満足しない腹づもり。一番長い夏を目指す。高岡商は今年の北信越地区では最も力を持つチーム。土合だけでなく山田も成長した投手陣で、波乱を巻き起こしたい。京都の熱い夏を制した京都成章は準優勝以来18年ぶりの夏。オールドファンの胸を熱くする。名門・天理はライバル智弁学園に後れを取っていたここ数年を払しょくする気迫で臨む。粘り強さが売りのチームで、これまでの淡泊さは微塵もない。県大会を圧倒的な強さで駆け抜けた明豊は、かなり力を持ったチーム。大会への入りが万全なら、過去最高も望める戦力だ。
初出場、久しぶり・・・・・すべてのチームが『じぶん史上最高の夏』を目指す。
その他のチームも、さすがに全国の舞台にコマを進めてきただけに、一筋縄ではいかなそうなチームばかり。まずは1勝、そしてその後は上位を狙ってコンディション調整に余念がない。聖心ウルスラは2回目の夏。聖地での1勝を目指す。波佐見は攻守に穴の少ないチーム。安定感と同時に爆発力が出せれば面白い。WASEDAのユニでさっそうと登場は早稲田佐賀。早実が敗れたので、今年はこのユニでは唯一の甲子園。それだけに全国のファンの注目を集める。東筑のサブマリンエース・石田は強豪を次々に抑え切った油断ならないエース。強豪としては、大会前半戦での対戦は何としても避けたいと思っているはず。三本松のエース佐藤も注目の好投手。東筑と並び、公立の意地を見せて旋風を巻き起こせるか。開星・米子松陰・下関国際は県大会通りの戦いぶりを見せ何とか勝利をつかみ取りたい。おかやま山陽は初出場。侮れない攻撃力で校歌を響かせたい。坂井は春江工で甲子園の土を踏んで以来。新校名では初の聖地だ。日本航空石川は北信越NO1の戦力を誇る星稜に逆転勝ち。勢いに乗って乗り込みたいところだ。名門復活の松商学園、初出場の津田学園の戦い方にも注目。藤枝明誠は、初出場ながら活発な打撃力は全国レベル。準決勝、決勝で43安打を放つ。土浦日大は久々の甲子園。初出場時は東海大相模と延長16回の激闘。木内監督の弟子でもある小菅監督が率いる。日大山形は厚みのある投手陣で、県勢初の決勝を目指す。最北端の地からやってきた滝川西は、かつてのゴリラ打線ではなく投手力の安定したチームに変身。ブルーのユニが甲子園の土に映える。
また今年も、始まりますね。
昨年の優勝は、優勝候補に挙げられていなかった作新学院。
ビッグ3と言われたプロ注目の剛腕も、8強を待たずにあえなく姿を消していった大会でした。
今年もまた、各県の決勝などを見ていると、
ほとんどそのレベルに差はないと思われるほど、レベルが上がってきています。
もうかつての、代表の地区だけを見てレベルを判断できるなんてことは、まったくなくなりました。
投手もレベルが上がり、『投手』というよりも、ここまでくる各校はしっかりした『投手陣』を形成しています。
打線の破壊力は言うまでもなし。どのチームの打線からも、いや、その各校のどこからでも、
長打が飛び出してくるのは当たり前です。
最近の夏の大会をレビューしてみると、
必ず波に乗ったチームが上位まで駆け上がってきています。
昨年は作新学院が優勝まで駆け上がりました。一昨年は早実、関東一が前評判の低さを覆し4強入り。
3年前には三重の大躍進、4年前には前橋育英の優勝や延岡学園の準優勝。
ここ数年、本当に甲子園の野球はわからなくなりました。
今年はどのチームが、大会の波に乗っていくのでしょうか。
それとも『ゴリゴリの優勝候補』大阪桐蔭が、
2012年の再現を起こして優勝まで駆け上がっていくのでしょうか。
99回目の夏。
なんか物凄いことが起こりそうな、
そんな予感もしています。
いったいどんな大会になるのか。
誰が『じぶん史上最高の夏』で頂点に駆け上がるのか。
プレーボールは、もうすぐです。
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