NHK-BSで、
『あの負けで私は強くなった』
というドキュメンタリー番組が放送されました。
ボクシングの世界チャンピオンのまま昨年末引退した、
長谷川穂積選手のドキュメントです。
”あの負け”とは、
2010年4月に行われた
『世界バンタム級 WBC/WBO統一タイトルマッチ』
のこと。
その試合で戦ったメキシコのモンティエル選手を訪ね、
自分の運命を変えたともいえるこの試合に、
自分なりにケリをつけるという趣旨での『旅』でした。
あの試合、
本当に今でも鮮明に記憶がよみがえります。
その当時のブログ ⇒ http://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/a425c4a95d6d79f80ccd0c895ae94ad3
『真剣での切り合い』のような試合だと書いていますが、
まさに武道館全体が『あんな雰囲気になるんだ・・・・』というくらいの、
息をするのもはばかられるぐらいの空気感。
数多のタイトルマッチを見てきていますが、
この長谷川の試合はワタシの中で3本の指に入る、
素晴らしい試合として記憶の中に刻み込まれています。
この番組の中で現WBCバンタム級チャンプの山中慎介選手が
『こんな空気を作り上げることができる長谷川さんに、本当に憧れた』
と言っていますが、
まさにその通りですね。
そして4R残り10秒での、
まさかの・・・・そして壮絶なKOシーン。
『語り草になる』
とはまさにこのことというような、
ものすごいシーンでした。
長谷川のボクシング人生を語るとき、
このモンティエル戦の4RのKOシーンと、
昨年9月、魂の”引退試合”となったウーゴ・ルイス戦の9Rの壮絶な打ち合い、
これはもう、外すことができません。
日本ボクシング史に残る、
壮絶なシーンでした。
しかしその戦いが壮絶であればあるほど、
実際に拳を交えた二人の間に去来するものもまた深く、
その絆は結ばれているのでしょう。
今回の番組でメキシコを訪ねた長谷川。
それを迎えるモンティエルとの僥倖は、
それはもう見ている者の胸を熱くする、
本当に『男としてこれほどうらやましいものはない』と思わせる、
素晴らしいものでした。
モンティエルの自宅を訪問する前には、
同じ街に住むウーゴ・ルイスも、
笑顔で長谷川を訪問してくれました。
そして数々の思い出を語り、
最後は軽くスパーリング。
『こんな風に、踏み込んだんだよな』とか、
『こんな気持ちで、このシーンは向かっていったんだ』とか、
映像を見ながら語り合う二人は、
まるで映画のロッキーとアポロのようでした。
最後に長谷川が、
『拳を実際に交えたもの同士にしかわからないものがあるんだ』
とつぶやいていましたが、
本当に再度ワタシ【うらやましい】と思ってしまいました。
スポーツの素晴らしさ
それ以外に語る言葉が見つからない、
そんな番組でしたね。
見てよかったなあ。。。。。
長谷川選手、そしてモンティエル選手、
これからの活躍も、
祈っています。
あなたたちのファイト、
終生忘れることはありません。