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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

東京は剛腕&強打線

2011年08月01日 | 高校野球

いよいよ予選も最終盤戦。

この週末で49代表のうち48代表校が決まりました。
あとは大トリで、
大阪の決勝を残すのみとなりました。

力があって、
出場すれば優勝候補に名を連ねるであろう大阪桐蔭の動向が、
気にかかるところです。

さて、
週末は東西の東京でも決勝が行われました。

土曜日は西東京。
決勝は日大三vs早実の、
【東京夏のクラシック】といえる戦いでした。

ご存じのとおり、
早実は東京一の名門。
春19回、夏28回の出場に、
春・夏それぞれ1回ずつの全国制覇も経験しています。

対する日大三も、
高校野球の世界で知らない人はいない老舗の強豪。
春18回、夏13回の出場を誇り、
こちらも春・夏それぞれ1回ずつの全国制覇を経験しています。

そんな両校、
古くは早実が高田馬場、日大三が赤坂にあったころから、
ライバル関係にあります。

早実は『三高を倒さなければ甲子園はない』と言い、
日大三は『あの紺碧の空を、球場に流さないように戦う』と、
両校ともにそのライバル意識はものすごいものがあります。

しかしながら、
1974年に東京が東西に分かれて2代表を送り出すようになって以来、
両校の【夏の対戦】はありませんでした。

両校が別地区になってから、
昭和40年代に圧倒的な強さを誇った日大三の時代から、
昭和50年代は早実が【王国】を築きました。
都会的なスマートな野球と大ちゃん人気で、
早実が名実ともにNO1となった時代でした。
昭和60年代から平成10年ぐらいまでにかけては、
圧倒的な帝京のパワーに、
両校ともに影が薄くなった時代といえましょう。

しかし世紀をまたぐ頃になって、
がぜんまた、
日大三が『王政復古』を果たしてきます。

実績もあり、脂の乗り切った小倉監督の采配のもと、
今までの野球とは全く違う『パワー野球』を標榜し、
日大三は東京の王者から全国のトップ校へと階段を上がり続けます。

2001年には、
悲願の夏の全国制覇。

その後の歩みも、
順風満帆といえるでしょう。

そこに殴り込みをかけてきたのが、
2001年に高田馬場から国分寺にキャンパスを移転し、
それに伴い東東京から西東京へ地区を鞍替えした、
早実でした。

このあたりから早実は新たな入試制度のもと、
従来以上に好選手が続々と集結するようになり、
一時の低迷を完全に脱して、
また覇権争いに顔を出してくるようになりました。

そしてその集大成が、
2006年の斎藤佑率いるチームでした。

その年の決勝であいまみえた両校。
早実移転以来初の、
決勝での対決でした。

センバツ出場は早実に譲ったものの、
直後の春季関東大会では圧勝した日大三。
二度目の全国制覇が視界に入っているようなパワフルな総合力の高いチームでした。

戦前の予想では完全に日大三有利。

しかし試合は、
斎藤が魂のピッチングでピンチを防ぎ、
打撃陣が奮起して、
延長でのサヨナラ勝ちでした。

早実としては西東京に移ってから初めての、
通算でも10年ぶりの甲子園切符でした。

その後のことは言うに及びません。
今なお続く『斎藤祐樹伝説』の始まりともいえる大会となり、
早実悲願の全国制覇を達成したのは、記憶に新しいところです。



さて、
そのことがインタビューなどでもたびたび登場する小倉監督。
あの敗戦は本当に悔しかったらしく、
その時以来5年ぶりの決勝決戦を迎えても、
『あの時の悔しさは忘れない』
という気概が、そこかしこに見え隠れしていました。

『決勝は絶対に勝たなければならない』

このコメントは、
小倉監督にしては珍しい、
決意を感じさせる強気なコメントでした。

それだけ、
この試合にかける気持ちが強かったのだと思います。

試合はその監督の気迫が乗り移ったようなエース吉永のピッチングを柱に、
厳しい試合になりましたが日大三が逃げ切って甲子園のキップを取りました。

小倉監督。
今年のチームには相当な手ごたえを感じている模様です。
どんなチームにも力負けすることはない今年のチームで、
狙いは二度目の全国制覇です。



東東京でも、
鮮やかな復活劇がありました。

先日も記事に書いた帝京のエース・伊藤が、
関東一のしぶとい打線をわずか1失点に抑えて完投。
しっかりとした足取りで、
最後の甲子園切符を手にしました。

伊藤、松本という投打の看板を擁する今年の帝京。
周りをサポートする選手たちはほとんど下級生が占めますが、
軸がしっかりしているだけに上位を十分にねらっていける戦力です。

そして、
昨日の試合のみならず今大会で目立ったのが、
1年生捕手・石川の好リード。

臆することなく剛腕の先輩をリードする姿、
程なく【全国屈指の捕手】に成長する可能性を秘めていると感じました。
必見です。

優勝インタビューでは、
前田監督がホッとした表情を浮かべていたのが、
印象的でした。

剛腕・伊藤を擁しながらふがいない負け方が続いていた帝京が、
最後の最後で力を蓄え、
甲子園に戻ってきます。

伊藤の投球は、
スピードよりも安定感重視に変貌しました。
その分だけ、
安定感は抜群です。

打線も持ち前の長打が、
大事なところで炸裂する『ポイントを抑えた』好打線です。

甲子園で勢いがつけば、
ひょっとしたらと思わせてくれるチームだと思います。


今年の東京大会。
震災の影響で春のブロック戦が中止になり、
そのため夏の予選はノーシード(シード制なし)で行われました。
帝京は、
経験のない8試合を戦うという厳しさでしたが、
力のあるチームの終盤の決戦は、
見ごたえがありました。

優勝校の日大三、帝京ともに、
全国制覇を十分狙えるだけの力を秘めています。

東京球児の戦い、
甲子園では輝くのでしょうか?!

注目の抽選は、
8月3日です。


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