≪ワールド・プレミアムボクシング VOL２０≫ ～代々木第2体育館～
【ＷＢＣ世界バンタム級タイトルマッチ 12回戦】
チャンピオン 挑戦者 同級1位
山中慎介 （帝拳） 〇 １２回 判定8R ● スリヤン・ソールンビサイ （タイ）
１１４－１１０
１１６－１０８
１１５－１０９
先月、八重樫東とローマン・ゴンザレスとの死闘が繰り広げられた代々木第2体育館で、
昨日WBC世界バンタム級タイトルマッチが行われました。
登場したのは『神の左』を持つチャンピオン、山中慎介。
この試合は、
『６試合連続KO防衛』というあの具志堅用高チャンプが持っている記録に並ぶのかと期待された一戦。
山中は、
毎回チャンピオンとしての強さを見せつけて防衛を重ねるという、
ワタシの中ではもう充分に【伝説のチャンプ】なのですが、
世間での知名度はなかなか上がってきていないという状況に悩まされています。
現在のボクサーは誰もが持つ悩みなのですが、
『テレビ局と組んで”作られたボクサー”となって安全な相手を選び防衛を重ねる』
という道を取らなければ知名度が上がってこないという状況に、
なんとかカツを入れてほしいといつも願っているところです。
先の八重樫や井上、
そしてこの山中など、
昔ながらの『心を揺さぶる戦い』をするチャンピオンたちの試合が、
どうにかして一般のスポーツファンの目に留まらないものか・・・・・・
そう思いながら昨日の試合を眺めていました。
この日の相手は、
元スーパーフライ級の王者、タイのスリヤン。
かつて彼の試合を確かに見た事があるのですが、
さほど印象に残っているボクサーではなかったため、
昨日はまっさらな気持ちでこの相手を眺めていました。
試合は開始のゴング早々、
スリヤンが間合いを詰めて頭を低く、
いきなりの右を放ってくるという展開。
山中はどうも距離が合わず、
しかも頭を下げて突っ込んできたうえに打ち終わりで露骨に抱きついてくる相手に、
なんだかとてもやり辛そうな動きに見えました。
序盤の４Ｒ終了時、
やや劣勢に見えた山中でしたが、
５回ぐらいから相手が正面に立つシーンが増えて、
山中の左が当たりだしました。
そして７回。
会場に詰めかけたファンの誰もが『待っていた』山中の左が一閃。
これまでＫＯ負けを経験したことがないスリヤンをキャンバスに這わせ、
『これで決まったか』
と思わせてくれました。
このダウンでは、
スリヤンはレフェリーの”ロングカウント？”とゴングに救われましたが、
次の８回、そして９回と、
山中の左がようやくスリヤンをとらえ続け、
合計３度のダウンを奪いました。
それでもその都度立ち上がっては果敢に前に出続けてくるスリヤンに、
山中チャンプはついに最後まで仕留めきることは出来ず。
しかし明確な判定勝ちで、
７度目の防衛を見事に果たしてくれました。
記録がかかっていたということを抜きにしても、
昨日の山中チャンプは、
これまでの試合と比較して『噛みあわない感』がかなり出ていたように感じましたね。
しかしそれでも『圧勝』と言える内容で勝つあたり、
チャンピオンとして防衛を重ねていくごとに、
『いままでより一段上の』負けない戦いができるようになっていると言えるでしょう。
しばらくはこの快進撃、
続いていきそうな感じですね。
昨日の試合を見ながらワタシ、
『そういえば、１か月前の八重樫の戦いの時には、【デング熱にも気を付けなきゃ】なんて思ってたっけなあ』
なんて思っていました。
わずか１か月と少しで、
季節は確実に進んでいっていますね。
昨日の試合後外に出た時の、寒かったことったら。。。。。。。。
山中チャンプ、
次は≪統一戦≫も視野に入れて試合の交渉を行っていくそうです。
まだまだ底を見せたとは思っていないこのスーパーチャンプ。
次の戦いが、
とても楽しみです。
ファンの一人として言わせてもらえば、
『彼には世界が興奮するようなビッグマッチを』
と思っています。
日本のスーパーチャンプから≪世界のヤマナカ≫へ。
その歩みを一緒に見届けていきたいと、
強く思っています。
おめでとう！！山中チャンプ！！
