東大が勝った！

今年は晴天の日が続きますね。

各地で行われている野球のイベントも、
例年に比べると『雨天順延』はすごく少ないように思われます。

特に土・日に雨が少ないので、
アマチュア野球関係者はほっとしているのではないでしょうかね。


大学野球界は、
この4，5，6月の春の時期は、
リーグ戦もあるし大学選手権もあるし・・・・・・ということで、
ひとつのピークを迎える時期。

各リーグで熱戦が繰り広げられています。
特に地方の大学などは、
この春季リーグ終了を持って4年生が引退となるところも多く、
『このまま終われるか！』
という気迫がグラウンドいっぱいに飛び交っています。


そんな中、
その気迫を神宮球場に炸裂させたのが東京大学。

日本の最高学府にして、
野球の世界では踏みつけられまくってしまうこのコントラストで、
世間の関心をひかずにはいられないチームです。

東京六大学という、
日本の野球発祥のリーグとも言うべきこのリーグに属する東大。

周りを見渡すと、
日本のスポーツ界のリーダーである早稲田、慶応の両大学をはじめ、
強豪の誉れ高い明治、法政、
そして長嶋の母校である立教と、
まあ揃いも揃って強豪ばかり。

その各大学は近年、
以前にも増して高校のスーパー選手のリクルーティングに余念がなく、
実力をアップさせています。

東大は、
ワタシの見たところ、
さほどかつてと比べて実力を大きく落としているわけではないと思いますが、
他チームの実力アップに押されて、
2000年を超えたあたりからはなんだか『旗色が悪い』状況が続いていました。

70年代、80年代など、
かつては『1年に2，3勝はあげることはできるだろう。あわよくば勝ち点も。そして目標は最下位脱出。』
そんな感じの立ち位置だったと記憶しています。

しかしそれが近年では、
1勝を挙げるのすら、
とても難しくなりました。

特に付属高校から強化し始めた慶応や、
アスリート選抜を始めた立教など、
かつては選手の獲得に熱心ではなかった大学が強化を図ったのを機に、
『試合展開さえはまれば、勝てるかも』
というチームが皆無になってしまったのが、
東大が一人置いてきぼりを食う状況を作ってしまった要因です。

それでもなんとか厳しい授業の合間を縫って練習を重ね、
強豪から勝ちをもぎ取ろうというあがきこそ、
『スポーツの原点』
であると思われ、
ワタシも密かにこの東大の野球部に注目し続けているのです。

彼ら、
何しろエリートの集まりですから、
別に野球なんて、しなくてもいい人たちの集まり。

それでも野球に情熱を傾け、
まさに文武両道を実践している姿には、
教えられることが多いです。


そんな東大ですが現実は甘くはない。

2010年秋から、
連敗に次ぐ連敗で、
積み重ねた試合数は94．

なんと94連敗、
4年半にわたり、
『勝つ』ということを知らないトンネルが続いていました。

今季も最終週の法政戦を迎えるまで8連敗。
『いよいよ100連敗という大記録の達成へカウントダウン』
と言われていましたが、
土曜日に行われた対法政1回戦で、
延長10回の激闘の末6-4で勝利。

まさに『待望の』1勝を掴み取りました。

8回に2点差を追いつき、
延長10回に勝ち越しての勝利。

素晴らしい1戦となりました。


よく高校野球の監督などが言う言葉に、
『どんなに相手が強くとも、100回やれば1回ぐらいは勝つ自信がある。』
なんていうものがあります。

まさに東大。

その100回目前に、
『勝つ１回』
を出しましたね。

おめでとうございます。


高校野球好きのワタシとしては、
この両校の『出身校』を見れば、
『東大が勝てる道理はなし』
と思わざるを得ません。

しかし勝っちゃうところが、
野球という競技の面白さだと思っています。

テニス、バスケ、バレー、卓球・・・・・・・

同じボールゲームでも、
得点を積み重ねないと勝利に到達しない競技は、
何回試合しても、
大きな差のあるチームは勝つことができません。

が、
野球やサッカーなど、
『１点の重みが大きい』ゲームでは、
こういうことがいつ起こっても不思議ではない。

そんなところが、
観客のココロをとらえて離さないところなんでしょうかね？！


これで自信を持って、
どんどん５校にひるまず向かっていくことが出来れば、
秋以降は面白い戦いをしてくれるのではないかな？

そんな期待を、
東大野球部には抱いちゃいます。


いずれにしても、
今年の秋のリーグ戦が楽しみです。


野球部や大学の関係者にとっては、
思い出に残る土曜日になりましたね。