今週末、
14日(土)より、
野球の明治神宮大会が開幕します。
14日より5日間、
熱い戦いが繰り広げられるこの大会を、
ちょっと展望してみましょう。
そもそも、
この大会はどういう位置づけの大会なのか。
そのあたりから。
【大学の部】
春の全日本大学選手権と並んで、
2大全国大会の位置づけです。
出場チームは、
東京6大学、東都大学を除くと、
各地区のリーグで優勝し、
しかも他リーグの優勝チームとの代表決定戦に勝利しないと、
出場権が得られません。
出場チームはわずかに11。
春の全日本大学選手権が26代表ですから、
この秋の明治神宮大会がいかに【狭き門】か分かるでしょう。
すべての大学4年生にとって、
最後に目指す大会です。
≪大学野球の甲子園≫
そのものの大会です。
扱いは小さいのですが、
かける思いは特大の大会です。
【高校の部】
新チームになって始動した秋の大会で、
各地区を勝ち抜いたチームが集う大会。
≪秋の全国NO1を決める≫大会です。
しかし、
その位置づけは非常に微妙なもの。
というのも、
この大会に出場した各チーム、
まず間違いなく来春の【センバツ高校野球大会】に選ばれます。
したがって、
≪プレセンバツ≫
の様相の濃い大会なのですが、
・地区大会を終えてほっとしているところ
・勝ち抜くと連戦になって、無理をさせてしまう
・寒い時期なので、故障が心配
・観客も少ないので、モチベーションが今一歩
というような状況があるため、
今までの大会を見ているといまひとつ盛り上がりませんね。
そもそもこの高校の部は、大学の分の付け足し的要素の濃い≪招待大会≫で、各地から≪推薦≫されたチームが出場する大会でした。
東京は地元なので≪秋の大会の優勝チーム≫が出場するのがお約束でしたが、
そのほかの地区では北海道、東北がかろうじて地区優勝のチームを出してくる以外は、『地区予選早期敗退、または県大会での敗退』チームが推薦されるのが常。したがって、ある時期までは東京代表が強さを発揮していた大会です。
しかし、95年から制度を改正。各地区の優勝校を集めた大会となりました。
そして現在、数年前から高野連がなにをとち狂ったか、この明治神宮大会で優勝した地区にセンバツの1枠を与えるという『明治神宮枠』なるものを創設し、大会を盛り上げようと必死になりましたが、あまり盛り上がらないのは相変わらず。
こんな枠が出来たおかげで、『勝ちに行かざるを得なくなった』代表校こそ、いい迷惑でしょうね。だって、優勝したからといっても、同地区のライバル校に枠をひとつ作ってあげた、というだけの成果しかないんですからね。
近年を見ても、この大会で活躍した学校は、あまりセンバツで好成績は残していません。
ここ5年間の優勝校のセンバツ成績を見ると、
20年 慶応 ⇒ 初戦敗退
19年 常葉菊川 ⇒ 2回戦敗退
18年 高知 ⇒ 初戦敗退
17年 駒大苫小牧⇒ 出場辞退
16年 柳ヶ浦 ⇒ 初戦敗退
と、全くいいところはありません。
≪秋の日本一≫とおだてられ、
春のセンバツでは≪優勝候補の筆頭≫と挙げられるのが常ですから、
この明治神宮大会を勝つことで『無用なプレッシャー』を背負わされ、
センバツに力を出せないケースがほとんどです。
そういうことからも、
各代表校の監督さんからも、
全く『この大会にかける』といった威勢のいいセリフは聞こえてきません。
ワタシも、
この大会は『ご褒美大会』『強豪との練習試合』
程度に考えてもいいのではないかと思っています。
課題を見つけて、
冬場の練習の糧にできれば、
それが一番だと思っています。
ということで、
この明治神宮大会は、
大学と高校では、
全く違った意識を持った大会ということが言えるでしょう。
『熱い思い』をもった『熱戦』を期待するなら大学の部へ。
『先物買い』『好選手・チームのチェック』をするなら高校の部へ。
何はともあれ、
いい天気になって欲しいものです。
≪組み合わせ≫
【高校の部】
http://www.student-baseball.or.jp/game/jingu/2009/2009jingu_highschool.html
【大学の部】
http://www.student-baseball.or.jp/game/jingu/2009/2009jingu_college.html