≪ダイヤモンドグローブ・スペシャル≫
◇WBC世界フライ級タイトルマッチ
チャンピオン 挑戦者・同級1位
八重樫 東(大橋) 〇 12R判定 ● エドガー・ソーサ(メキシコ)
117-111・116-112・117-111
◇ミドル級8回戦
村田 諒太(三迫) 〇 8R TKO ● デーブ・ピーターソン(アメリカ)
◇東洋太平洋・Lフライ級王座決定戦
同級1位 同級2位
井上 尚弥(大橋) 〇 5R TKO ● ヘルソン・マンシオ(フィリピン)
『主役は誰だ!』
と銘打って行われた昨日のダイヤモンドグローブ・スペシャル。
メインの3試合は、
どれもその強打と技術に酔い、
いい夜となりました。
まずは『怪物』井上尚弥の東洋太平洋のベルトをかけた王座決定戦。
プロ4戦目で日本タイトルを獲得した井上が狙うとは、
プロ5戦目での東洋戴冠。
その先はもちろん、
日本最速となる6戦目での世界タイトルです。
その試金石ともなるこの日の試合。
井上のファイトを初めて目にするワタシにとっても、
『いったいどれくらいの【怪物】なんだ?』
と興味津々のファイトでした。
相手も力、実績共にあるフィリピンのマンシオでしたが、
井上は初回から自分のパンチを相手に的確にヒットさせ、
さっそく主導権を奪いました。
2Rには相手からダウンを奪い、
タフで鳴る相手に対して【理詰め】でじわじわと追い詰めていき、
5R終盤にはパンチをまとめ、
試合の幕を引いてくれました。
井上のパンチの『当て勘』、
素晴らしいと思います。
しかもパンチ力もこのクラスにしてはあると思われ、
やはり相当の【怪物】であることがはっきりとしました。
あとは『打たれ強さ』をどのくらい持っているかを見てみたいところですが、
現時点の実力でも、
このクラスで彼に勝てる世界チャンピオンはそうはいないと思います。
もうすでに、
世界チャンプ級の実力を備えていると思いますね。
出来ればですが、
将来井岡一翔とのタイトルマッチが見てみたいと、
切望します。
本人はさらに高い壁である、
ニカラグアの巨人、ローマン・ゴンザレスとの対戦を希望しているとも言われています。
その意気、買ったあ!!!
『強い相手とこそ、ファイトしたい』
というボクサー本能を持っている井上を、
今後もずっと見ていきたいと思います。
どうか『テレビ局やら関係者やら』の思惑にまみれて、
その今の意気を忘れちゃわないようにしてもらいたい!
これがワタシの願いです。
次はオリンピック金メダリスト、
期待の村田諒太が登場しました。
やはりミドル級はでかい。
リングに立った立ち姿も、
決まってますね。
デビュー戦同様、
いい意味で緊張していないように見える村田。
しかしゴングが鳴った前半戦は、
相手に圧力をかけて追い込んでいくものの、
なかなかそこからパンチが出ない状態が続きました。
もちろん優勢に試合を進めてはいるのですが、
先に仕掛けるのは必ず相手の方。
このレベルの相手だったからよかったのですが、
この戦い方は今後の強豪との対決を見据えると、
一抹の不安を持たざるを得ないものでしたね。
しかしながらラウンドが進んでくると、
徐々にその強打がさく裂し始めます。
相手は『今まで一度も倒れたことがない』と豪語するだけあって、
ものすごいタフさでしたが、
最後は最終の8Rでスタンディングダウンを奪うと、
その後は左右の連打を集めてレフェリーストップ。
無事に『デビュー第2戦』を飾ってくれました。
この日の試合は、
村田という選手の『強み』と『弱み』、
両方が垣間見えた試合でした。
ゲストの香川照之さんも言っていたように、
村田については群雄割拠のミドルクラスに席を置いていますし、
『決して焦らず、じわじわと実力を蓄えていってほしい』
と思っています。
まだまだプロの試合というものになれていないところも見えましたが、
何戦もこなすうちに、
『すっかりプロらしい戦いぶりになった』
と進化していくことでしょう。
持っているものは、
間違いなくワールドクラス。
その真価が発揮されるのは、
早くとも2年後ぐらいかな?
じっくり熟成させて、
その深みを楽しむような、
『ウィスキータイプのボクサー』
になってください。
今後の一戦一戦が、
とても楽しみです。
そしてトリを飾ったのはWBCフライ級タイトルマッチ。
チャンピオンの八重樫東が、
Lフライ級で10度の世界王座防衛を果たした伝説の男、
エドガー・ソーサの挑戦を受けました。
八重樫はいつも試合前、
相手をたたえつつ謙虚なコメントに終始します。
”大言壮語”の『ボクサーにありがちな』タイプでは、
決してありません。
しかしその面構えは、
『どんな相手でも、かかってこい』
という強い意志を感じさせてくれます。
今回、
こんなに強い相手との≪指名試合≫であっても、
それは変わりませんでした。
そして、
試合が始まって1ラウンドで、
ワタシは八重樫の勝利を確信しました。
それは、
八重樫本来の”鋭い足を使っての早い出入り”のボクシングが、
見事に展開されていたからです。
ベテランのソーサは、
何とか八重樫の懐に飛び込んで・・・・・
と何度も試みますが、
八重樫はそれをまったく寄せ付けない、
本当に速い出足から、
ワンツーをソーサに的確に当て続け、
『明確な』ポイントを積み重ねていきました。
WBCルールでの、
4R、8R終了時の採点発表では、
ほとんどフルマークに近い大差をつけていましたので、
ソーサは本当に何もできずに追い込まれていきましたね。
そして最後の数ラウンドは、
『そのまま逃げ切る』態勢をとらずに、
リスクもありながら果敢に打ち合いを挑み、
そこでもソーサを圧倒しました。
打ち合いについては、
井岡と戦った【究極のどつき合い】で、
自分の打たれ強さにもかなり自信を持ったのではないでしょうか。
会場は盛り上がりましたね。
八重樫はここ数戦で、
自分の中の『引き出し』がかなり増えて、
一段上のボクサーに進化したように見えますね。
これからどんどん、
『強いチャンピオン』として、
日本中を沸かせてくれることを確信しました。
3人の子どもたちのためにも、
頑張れ、世界で一番強いお父ちゃん!!
そしてその前に行われた椎野vs岩佐の、
『次のバンタム世界挑戦は俺だ!決定戦マッチ』
も面白かった!
岩佐のいいところが、
たくさん出ました。
いよいよワタシ期待の岩佐選手、
2014年は本格化の予感大ですね。
それにしても、
世界タイトルマッチは一つながら、
こんなにも盛り上がるんだあ・・・・
というような、
楽しい興行でした。
6時から10時半までの4時間半、
まったく長さを感じさせませんでした。
ワタシは今年、
これでボクシング観戦は終了。
今年もいいファイトがたくさんありました。
来年もまた、
村田、井上、岩佐ら、
ホープの登場と相まって、
たくさんのグッドファイトが繰り広げられる予感は大です。
願わくば、
まだ一度も生観戦したことがない内山チャンプの試合が、
大みそか開催とか地方開催とかGW開け初日だとか、
ワタシにとって『行くことができね~』日程にならないで、
この日のような行きやすい興行になってくれることを、
切に望んだりしています。
勝手なんですが。。。。。。。。
ということで、
『満足、満足』
とホクホク顔で家路についた、
楽しい夜でした。
*ところで、帰ったらまた『なんだかなあ』のニュースが。
興起お兄さん、”強豪”との誉れ高い指名挑戦者との対戦が避けられないとわかると、
さっさとベルトを置いて『王座返上』を発表したらしいですね。
なんだか怒りの感情は、
すでに湧きません。
苦笑いとともに、
『かわいそうな人だなあ』
という感情だけ。
ほかの階級に転級しても、
『負けても防衛』の弟ともども、
まだ『ギネス認定の世界王者~~~~』
として追い続けますか、TBSさん。
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