≪ラグビー日本選手権≫
【２回戦】
神戸製鋼 ４５－２９ コカコーラ・ウェスト
パナソニック ５４－２１ 帝京大
快晴微風の絶好の天候の下、
ラグビー日本選手権の２回戦が秩父宮ラグビー場で行われました。
今回は２回戦。
勝ったチームが、
来週の準決勝でトップリーグの２強、サントリー、東芝と戦います。
第１試合は神戸製鋼が前半４トライを次々に上げて一方的に試合を展開させますが、
前半の中ごろからコカコーラウェストのサイド攻撃が功を奏し始めて、
前半終了間際には４点差まで追い上げ観衆を沸かせてくれました。
後半は神戸製鋼が貫録を見せて突き放しましたが、
なかなかの試合でした。
第２試合は、
注目のカードでした。
トップリーグ屈指の攻撃力を誇るパナソニックに、
大学選手権を圧倒的な力で制した帝京大が挑むという対戦。
帝京大は先週のクラブ覇者・六甲戦で、
なんと１００点ゲームで圧勝。
『今年の帝京、今大会でもコンディションを落としていないぞ』
ということを満天下に示し、
『本気で勝ちを狙っている』との監督の言葉通り、
面白い試合になるのではないかとの期待が高まりました。
しかし。
試合は前半一時１９－１４と５点差まで迫りましたが、
後半は何もできずにパナソニックの猛攻を受け続け、
最終的には２１－５４と完敗に終わりました。
『今年の帝京ならばなんとか・・・・』
とワタシも思っていたため、
試合後はある種のあきらめに似た感情を抱かずにはいられませんでした。
かつては全日本選手権といえば、
社会人王者vs学生王者
の一騎打ち。
内容も拮抗したものが多く、
新日鉄釜石のＶ７時代も、
神戸製鋼のＶ７時代も、
学生王者は毎年果敢に攻め、守り、
観衆を沸かせてくれたものです。
しかし、それも今は昔。
９０年代半ばから『社会人と学生の実力のギャップ』が顕著になってきたため、
大会方式が改められ、
社会人vs学生の一騎打ちから、
社会人、学生の上位が参加してのトーナメント方式になりました。
その後学生にとっては、
この大会はまさに『参加することに意義がある』大会と化し、
【優勝を狙う】なんてとんでもないこととなりました。
正直学生ラグビーという競技自体のレベルは、
かつてと変わるところはないと思います。
それどころか、多少レベルアップしているとも言えるでしょう。
しかしながら、
トップリーグ発足以降、
ラグビーのトップリーグ各チームの競技力のアップは、
学生の何倍もあるというのが本当のことろ。
それゆえ、
年々学生とのギャップは広がっていくばかり。
このところの学生との対戦を見ると、
その体格、当たりの強さ、速さ、そして選手層、戦略にいたるまで、
同じカテゴリーでは語れないぐらいの”差”を感じられるまでになってしまっています。
今日の帝京は力が学生としては”破格”だったので、
それでも大善戦したほうで、
先週、学生準Ｖの筑波大はまさに何もできずに、
トップリーグでは下位のコカコーラ・ウェストに蹂躙されました。
これだけ実力差があると、
このトーナメントをやっていること自体が疑問視されてきますね。
大会方式の再考をする時期なのかもしれませんね。
そうしないと、
ミスマッチの『意義を見出せない』試合を毎年行っていくことになってしまうでしょう。
毎年トップリーグの４強が形を変えてまた対戦ということになっているのも問題で、
果たして【トップリーグのプレーオフ】と【日本選手権】、
どちらが重要な大会なのかということも分かりづらくなってしまいますね。
ラグビーに詳しくない人にとっては、
例えば東芝とサントリーの対戦がまた日本選手権の決勝であたった場合、
『あれっ この対戦って、確か年末やってたんじゃ・・・・。この前もやってたよねえ。またなんですか？今度は何の大会？』
なんて思われてますよ。
ＷＢＣの日本と韓国じゃないんだから、
いったい何回やればいいんだよ～とか、
いったいどの試合が一番大事な試合なんだよ～とか、
思われちゃうと思うけどなあ。
Ｊリーグみたいに、
ちょっと時期をずらしてトーナメントの『日本選手権』やればいいのになあと思うのは、
ワタシだけでしょうか。
それこそ『春のシーズン』とかにして、
そのトーナメントはトップリーグ・地域リーグ・主要大学リーグ全部が参加するってえのはどうだ！
高校ラグビーにゃあ、
春の選抜ってえのもあるでえ。
いずれにしても、
『今のままじゃあ、駄目だよなあ』
という思いを強くした、
今日の観戦でした。
