自民党内に深く根を張っていたことが判明しただけでなく…
「保守」系の思想を持つ多数の野党政治家も、関係していたことがわかってきた旧統一協会。
その実態は、神や仏、自然崇拝や先祖崇拝でもなく、亡くなった人間を神格化するのでさえなく…
生きている文鮮明やハン・ハクチャ氏個人を、救い主として崇拝させる教義に加えて…
日本を、韓国に対して「金を貢ぐ」べき存在と規定したり、北朝鮮の金家とつながっていたり。
信者の財産を根こそぎすべて、協会に差し出させるような悪辣な行為をしていたり。
もはや、宗教や、通常の信仰とさえ呼ぶことができない。
実質的には、反社会的勢力の、悪質なカルト詐欺集団だと言えるのではないかと。
実際、第二次安倍政権のもとで名前を変えて擬態に成功する以前は、公安からもマークされていた集団です。
そして、故安倍晋三氏をはじめ、日本の「保守」「愛国」思潮をけん引してきたような政治家たちが…
裏ではあのような、日本人から金を巻き上げて、韓国の協会にどんどん流すような…
いわば「売国」カルトと付き合い、そのマンパワーを政治利用していたことは…
彼らを「信じて」いた人々にとって、本来は、到底許しがたい裏切り行為だったはずです。
ところが「右派」「保守」「愛国」界隈の人々から、その裏切りへの怒りの声は、あまり聞こえて来ません。
人間は、目の前に現実を突きつけられても「信じたくないものは信じない」で…
目をそらしたり、話をすり替えて考えないようにせずには、いられないものなのかもしれません。
人やイズムを「信じる」という行為の中に、そもそも潜んでいる危うさを、まざまざと見せつけられる思いです。
日本の「保守」「愛国」というものも、宗教やイズムと同じ性質の「信仰」の一種であるような気がします。
それを唱え、活動することによって、脳内に快楽物質があふれてくるようなもの。
それは人間にとって、依存性があるもの、アディクションを引き起こすものです。
だから、宗教…のようなもの、によって洗脳されていた人に、それが持っていた欺瞞の証を提示しても…
簡単に脱洗脳することはできません。
そもそも日本の「愛国」は、敗戦までの「神国」大日本帝国という、完全なる宗教国家による洗脳が…
完全に解けていない、というか、むしろほぼ温存された状態の中で生まれてきたものです。
それを敢えて温存したまま放置したのは、戦勝国アメリカでした。
大戦後の東アジアで、中国共産党、南下を狙うソ連、北朝鮮という、コミュニズム勢力の脅威が高まる中で…
アメリカは、CIAの工作によって「反共」の思想を育て、コミュニズムに対抗させようとしました。
二十世紀最強のイズムであった、コミュニズム=共産主義に対抗できる思想は、宗教ぐらいしかありません。
なのでアメリカは、日本では「天皇を中心とした神の国」の信仰を、そのまま利用しようと考えました。
朝鮮半島では、文鮮明の思想を利用できれば、と考えました。
そして、その二つが合体し、コインの表は「国際勝共連合」裏面は「統一協会」という構造ができたのです。
その際には、文鮮明と、安倍晋三氏が崇敬してやまなかった祖父の岸信介氏とが手を結んで…
民間からは、戦前からの日本の右翼の大物、笹川良一氏や児玉誉士夫氏が協力して、この仕組みを構築しました。
ちなみにこれらの戦前の右翼の大物は、岸信介氏以外にも…
鳩山一郎氏(鳩山由紀夫氏の祖父)、大野伴睦氏、河野一郎氏(河野太郎氏の祖父)らと…
政治資金提供、あるいは日本の労働運動や学生運動つぶしなどを通じて、深い関係を結びました。
自民党の前身となった政治勢力、および自民党そのものの立ち上げにも資金面で協力したほか…
現在も存在する、代表的な日本の暴力団のいくつかとも、切っても切れない関係を結んでいました。
また、韓国では文鮮明ともつながりがあった、パク・チャンホ初代大統領とも協力関係にありました。
統一教会、初代韓国政権、自民党、日本の大物右翼、やくざ、そして経済界の一部、これらがすべてつながって…
そして、そのすべての背後にはアメリカ合衆国政府がいて、全体を監視し、コントロールしながら…
東アジアにおける「反共の砦」を構築していたのです。
こういう一連の「陰の同盟」が、戦後早い時期から出来上がって…
私たちが育ってきた戦後日本は、その表舞台には見えない連合体の暗躍の上に立って、建設されたものなのです。
だから、自民党を中心とする保守系政治家たちが…
「統一教会なんかと、ここまでズブズブだったのか!」
と今になって驚くのは、本当はあまりにも歴史の真実を知らない、純情すぎることなのかもしれません。
まあ、学校では教えないし、大マスコミも表立っては取り上げない、戦後史の裏側なわけですから…
純情過ぎる、というのはいささか酷なことでしょうけれど。
いちばん純情で気の毒なのは、若いネトウヨみたいな、まんまとだまされている人たちでしょう。
実際に、このからくりを知って怒りを募らせ「売国右翼」に天誅を、と考えた…
自称「愛国右翼」が、1976年に、小型飛行機で児玉誉士夫氏の私邸に「特攻」するというテロ事件が起きました。
「特攻」実行者の、ポルノ男優だった男は死亡しましたが、児玉誉士夫氏は怪我もしませんでした。
そして、今後また「だまされていた」ことに気づいて、怒りを募らせる人間が出て来ないとは限りません。
今般の安倍晋三氏射殺事件は、こうしたテロとは違って「私怨」が起こした、思想性のない犯行のようですが…
今後、日本の「愛国」の裏側にあった「売国」の状況が、さらにあからさまになったら…
ネトウヨみたいな人が、今度はどこかで、誰かを狙って本当のテロ事件を起こす可能性もあります。
公安警察は、もはや大きな事件を起こす実力もなく、高齢化が著しい左翼過激派などをマークするより…
右派テロの方を警戒したほうが、現実的な治安管理になるのではないでしょうか。
もっとも日本の組織化された右翼は、ほとんどが「体制側」の右翼ですから…
テロ事件を起こすとしたら、組織化されていない、フリーのネトウヨみたいなやつでしょう。
でもそういう連中は、今増えている「死刑になりたい」と言って、通り魔的に凶悪犯罪を犯す…
いわゆる「無敵の人」と同じように、あらかじめ見つけ出すのは、ほぼ不可能です。
山上徹也容疑者が、社会の片隅で、誰にも知られずあんな計画を着々と進行させていたのと同じように…
右翼過激派のテロリストは、市井のどこから湧いて出て来るか、誰にも分らないのですから。
恐ろしい時代になる…かもしれない。
心当たりがある人は、身辺警護を強化したほうが良いのかも。
安倍元首相殺害のときのような、危機感のかけらもないユルユルな警護は、もう通用しないでしょう。
なんだか背筋の寒い話になってしまいましたので、最後にお笑いを。
赤ふんどしで世相をぶった切る、ユーチューバー「せやろがいおじさん」の動画です。