資産の家族信託の契約で、公証役場へ行って手続きしてきました。
手続きといっても、公証人が契約書を読み上げて、彼の目の前で実印を押印するだけ。
まあ、儀式ですね。
契約書そのものは、公証役場とは関係ない、司法書士が作成したものです。
公証人はただ音読するだけ。
ところどころ間違えたり、つっかえたりしながら。
それだけで、3万〇千円のお金を取られます。
遺言状とかだともっとかかるみたい。
ちなみに、公証人はどれくらいお金をもらっているのかと調べてみたら、年収にして少なくても2千万。3千万円以上の収入が普通らしいです。
仕事の内容は先に書いた通り誰でも出来ること。
では忙しいのかと思ったら、どうもかなりヒマらしい。
公正証書の作成(の立ち会い)と、ゴルフの予定が被ったら、ゴルフ優先でも全然大丈夫、という身分らしいです。
そして、司法書士や弁護士からは「先生、先生」と呼ばれて、すごく気を遣われていて、とてもエラそう。
そんなラクで儲かる仕事、どういう人がどうやってなるのかと思ったら…
やっぱり、一種の天下りみたいなものらしいです。
元裁判官とか、元検事とか、元法務省の官僚とかを引退した人がほとんどのようです。
(すべてではないにしても)
ただ、大企業の役員だの監査役だのに天下ると、仕事は忙しいし、責任は一応重いでしょう?
なので実際は、天下りしてまだお金は欲しいけど、もうラクしたい、という人の受け皿になっているようです。
道理で、士業の人たちが下へも置かず平身低頭するわけだ、と納得しました。
まあ、今回立ち会ってもらった公証人本人は、感じ悪い人物ではなかったですけれどね。
クレージーキャッツの植木等さんなら、さしずめ…
♪公証人は~気楽な家業と来たもんだ!なんて歌うところでしょうか?
というわけで、能力次第で誰でもなれる職業ではないみたいです。
そうでしょうね、ラクで収入がすごくてエラそうにできる、そんな夢のような?仕事、既得権を持つ人でなくてもなれるものなら…
将来は公証人になりたい!って、目指す人がいっぱいになるはずですから。
でもこんな役目、この時代に本当に必要なんですかね。
本人確認だって、印鑑と印鑑証明を、事務員さんが目視で見比べるだけだし。
こんなアナログにしてアナクロなことやってるから、IT後進国なんて言われて、そっちの分野で周回遅れになるんでしょう。
今どきハンコだなんて。
日本にその文化を伝えた中国大陸や朝鮮半島でも、もう廃れた習慣なのに。
ほんと何から何までガラパゴス。
いやガラパゴスでもいいんですけど、それなら「我が道を往く」で開き直って…
経済だビジネスだ、科学だテクノロジーだ、という方面で、外国と競争するのをやめるなら、問題ないんですよ。
このグローバル化した世界の、しかもITのシステム技術の優劣が何にでも物を言う時代。
ガラパゴスな因習は保存したい、競争にも勝ちたいというのは無理なんですよ。
どっちかを諦めないとね。
印鑑だの公証人立ち会いのもとでの「儀式」だの、私個人としては、要らないと思っていますけれど。
でも「既得権益」にすがりたいエラい人たちを追い出して、社会の立て付け自体を根幹から大改革する根性、いまの大衆にはないでしょう。
変えたいと思っても「誰か大改革してくれるヒーローが現れないかな」と願うのが関の山。
前にもブログで書きましたけれど、そんな、王子さまを待つシンデレラみたいな、受け身専門、人任せ一辺倒の姿勢では…何も起きない。
この国の主人公は国民ひとりひとりなんだ、ということをただのタテマエだとして済ませている限り、社会全体の衰運を変えることはできないですよ。これはホント!
ただまあ…個人的にはカネ持ち国でなくても強い国でなくてもいいから、特権階級の人たちばかりでなく…
あらゆる意味で小さく弱くされている人たちが、自分らしく安心して生きられる国になれば、それだけでいいなと思います。