イスラエル軍による、ガザ地区への地上侵攻が迫っています。
ガザ地区は全体が8メートルのコンクリ壁で囲まれ「屋根のない刑務所」と呼ばれています。
そこに戦車が入る。
入る前には徹底した空爆を行い、建物を破壊し、街をさら地にしてから進撃するでしょう。
そうでないと建物の屋上から、戦車の弱点である上面に、ロケット砲を撃ち込まれるかもしれないから。
エジプトが、ガザとの境界を開放して、避難民を受け入れるとしていますが…
エジプトには既に、シリアなどから来た数百万人の難民がいて、国家財政も逼迫し…
これ以上の難民を受け入れることが、現実的に可能なのかどうかさえもわからない。
イスラエル軍は一般人は南部へ避難しろと言っていますが…
220万人の住民が、短期間に生活の全てを捨てて、逃げるのが可能なのかどうか。
それにイスラエルの首脳自らが、軍に対して…
「やつらは人間の顔をした動物だと思え。女も子どもも関係ない」と訓示しているのですから…
侵攻が始まったら、パレスチナ人はたとえ幼な子でも、ネズミやゴキブリのように…
イスラエル兵から見たら「駆除」の対象にされるのでしょう。
何千人何万人、もしかすると十万単位の無辜の民の命が、あの壁の中で失われることになるかも。
80年前、ナチスによるユダヤ人が対象のホロコーストがありました。
今度はユダヤ人が「ホロコースト返し」をすることになるのでしょうか。
それを避ける方向に、世界各国は動かなければならないのに…
米国は大統領がイスラエルに乗り込んで、逆に莫大な資金援助を約束したりして火に油を注ぎました。
その額、なんと15兆円とも。
火に油どころか、ガソリンかケロシンをぶち込むようなものです。
ガザで大量殺戮が行われたら…
アメリカとそれに追随する「西側諸国」への、アラブ・イスラム世界の人々の、憎悪の炎は…
もはや消しようのない、恐るべき猛火となるでしょう。
すぐに「第五次中東戦争」が起きることはないかもしれませんが…
イスラム世界の人々の恨み憎しみは、貧者の暴力=各地で頻発するテロとなって「西側諸国」を…
恐怖と混乱のどん底に突き落として行くことになるのではないかと。
米国の、世界における政治経済面での支配力低下が目に見え始めているところで…
それに加えて米国自体が、既にウクライナ支援で疲弊しかけているのに…
イスラエルとの「二方面支援」を強いられたなら、さらに国力が消耗します。
加えて今回のことで米国と「西側」に世界の批判が集まることによって…
さらに米国の信用と指導力が落ちることがきっかけとなって…
「西側諸国」全体の、世界に占める地位自体が、ガタガタと崩れ始めるかも。
そんな中で、この危機を回避するためには「第三者」の仲介が絶対的に必要です。
米国のように、片方だけに肩入れするというか、せざるを得ない事情を抱えた国でない勢力によって。
アラブ・イスラム世界から、欧米人ほど憎まれ疑われていない、表面的に中立で…
しかも国際的影響力が強い国々、といったら、東アジアしかなくなります。
インドは、パキスタンとの紛争を抱えていますから、イスラム世界からの信用はそこまでないし。
ここでもし日本が、アメリカの制止を振り切って、能動的な独自外交を展開して…
パレスチナ側=ハマスやファタハ、イランやヨルダン、レバノン、エジプトと…
イスラエル側=米国と西側諸国との仲介役を買って出ることが出来たなら…
そしてこの危機を収めることが出来たなら…
今の「衰退国」の汚名は一気に返上されて、アメリカに代わって世界世論をリードし…
ついでに国力も回復できるかもしれない。
それを、日本再興の起爆剤にできるかもしれない。
でも今の政権に、あの爺さん、おっさんたちにそんな外交力がありますかね。
国民から預かった金が入った財布を開けて、ばらまいてみせることしか知らないあの人たちに。
あるいは、すっかり政治家の下僕になった外務省に、そんな外交事務能力がありますかね。
日本が駄目ならあとは、出来るとすれば中国だけです。
(韓国は小さ過ぎるので)
習近平政権に、それができるか。
アメリカが、もはや東アジア、台湾になど構っていられない状況になったとみて…
(まあ実際そうなるでしょう)
一気に東アジアでの覇権を握ろうと動く可能性は、確かに捨てきれないです。
でも私がもし習近平だったなら、東アジアだ台湾だと、小さいことを言っている場合でないと悟り…
中東情勢を収める役割を全力で担い、結果、国際社会の英雄となって…
発展途上国と経済新興国の支持を一身に背負って、その勢いに乗って…
世界全体の「覇権国家」の地位を、一気にアメリカから奪う、という戦略を選びますね。
とにかく、新しい混乱、動乱が始まるスイッチは、もうオンになってしまいました。
この状況で米国は、世界の二か所でケアしなければいけない政治・軍事問題を抱え…
いまや、お金がいくらあっても足りない状況に陥りつつある上に…
経済の好調がストップし、むしろ危機が迫っている様子。
バイデンにもトランプにも、このピンチから脱する道を主導する力はないでしょう。
このままだと、どこからか思いがけないヒーローが登場しない限り、米国の国際的なプレゼンスは…
この後、ガタガタと落ちて行くのではないか。
米国の「忠犬ポチ」である、旧来の保守勢力に支配されている日本も「ご主人様」が落ちぶれ始めたら…
それと共に、今よりさらに加速しながら、下降と衰退の道をたどることでしょう。
食べるものとエネルギーがぜんぜん自給できない、という致命的弱点を持つ日本。
国家としての凋落がさらに進んだら、グローバル大企業は、もう日本がどうなろうと打ち捨てて…
自分の企業だけの生き残りを図るようになると思います。
だから安穏な日々にあぐらをかいていないで、もっと早く…
みんなで、大事な国の、社会の問題に向き合って来なければいけなかったのに。
誰もが自分のこと、うちのことだけにかまけて、社会というものを真面目に考えて来なかったから。
たぶんもう遅いです。どうします?
それにしても……パレスチナの罪なき人々の状況が、本当に痛ましいです。
交戦が始まってからシャワーは浴びてない。食べ物は5日食べてない。水も3日飲んでない、など。
そして明日生きていられるかどうかわからない。
今回も、イスラエルによる「百倍返し」の犠牲になるんでしょうか。昨日のグラフをまた上げます。
個人の暴力に対する防御にしたって、法的に「過剰防衛」というものが存在するわけですから。
「百倍返し」なんて、人道的に正当化できるわけがない。
「ハマスが悪いんだから民衆は諦めるしかない」という非情な人々が、ネットにわんさかいます。
彼らは、日本政府がしくじったら、自分がゴキブリみたいに扱われても文句を言わないんでしょうかね。
では、東京大空襲で亡くなった9万の人々も、原爆で亡くなった併せて25万超の人々も…
みんな「仕方がない」と?
それとも、同胞の悲劇は許せないけれど「敵」ならいくら死んでも仕方がない?
そんなダブルスタンダードに開き直る人もいるでしょうけれど…まあ、人間の心を失ってる。
そもそも、いつからパレスチナ人は「敵」になったんですか?
彼らを敵扱いして、イスラエルを、どちらかというと味方と思うなら、その根拠は?
アメリカが支援しているから?
米国がこの世の正義の基準なんですか?
なぜそうなる?日本政府の「親分」だから?国内的には政府与党が絶対的な正義?
そういう「権力迎合中毒」の人も、たくさんいるのは分かってますけれど。
そして、マスコミが権力迎合の報道しかしないのも、よくわかってますけれど。
長い物には巻かれろ。寄らば大樹の陰。お上に逆らうものじゃない。
そういう状況は、国をあげての、カルト宗教みたいなものにしか見えないです。
カルトってむつかしくなくて簡単。自分で考えなくていいし。
それに洗脳されるのは、とっても気持ちよくて、安心できるらしいですからね……
怖い怖い。
私はそれでも、むつかしくてもつらくても、人間でありたいです。