ポケットの中で、携帯が規則正しく震える。
取り出してみると、一人だけ個別に設定されたランプの色が、メールの送り主を示していた。
顔が、一瞬綻んでしまったらしい。
「あら、メール?なになに彼女~?」
「えぇ!?火神、彼女いんの!?」
隣に、カントクと小金井先輩がいた。
・・・全く気付かなかった。
ぼーっとしていたせいで、好奇心の対象になってしまったことが悔しくなる。
それと同時に、横に来た先輩二人に気付かないほど、自分はそんなに、メールに舞い上がっていたのかと、情けなくも感じた。
「っか、彼女なんていねーよ!ですよ!!」
また妙な敬語を使ってしまった。
日本語はどうにも難しい。
「ふぅん・・・彼女、は、いないのね」
カントクは、やたら含みのある言い方をする。
カントクにはメール相手がバレてんのかな、と思ったが、幸いにも小金井先輩は気付いてないらしい。キョトンとしていた。
「バカガミにもとうとう春がきたか・・・まあバスケバカ同士通じんのかしらね」
想像通り。
バレている。
やっぱり日本語は難しい。
上手くごまかすこともできないときた。
とにかく、長居するとまた冷やかされかねない。
「・・・んじゃ、俺はこれで」
「あっ!火神逃げんなよ!!」
別れを告げたら、何も気付けていない小金井先輩がいろいろ叫んでいたが、気にせずその場を離れた。
・・・メールの内容も気になるしな。
○●○●○●○●○●○●
いつものようにテンションが高めのメールを読んで、思いっ切り顔がゆるむ。
自分でもはっきりわかるほどに。
「しゃあねぇな、今度スポーツショップでも連れてってやるか・・・」
デートの催促への返事にしてはそっけない場所だが、そこが1番、お互い話が合うところだろう。
それにもし、モデルであるコイツのファンに、うっかりテーマパークで二人きりなんてところを見られたら、何が起こるかわからない。
日本語は難しいが、拙くとも気持ちが伝わるように。
返信を、打つ。
やはり、難しいけれど。
同時に、別のことも考えていた。
(アドレス伝えてくれた黒子に、感謝しなきゃな。
やっぱし黄瀬のこと、
好きだ。)
取り出してみると、一人だけ個別に設定されたランプの色が、メールの送り主を示していた。
顔が、一瞬綻んでしまったらしい。
「あら、メール?なになに彼女~?」
「えぇ!?火神、彼女いんの!?」
隣に、カントクと小金井先輩がいた。
・・・全く気付かなかった。
ぼーっとしていたせいで、好奇心の対象になってしまったことが悔しくなる。
それと同時に、横に来た先輩二人に気付かないほど、自分はそんなに、メールに舞い上がっていたのかと、情けなくも感じた。
「っか、彼女なんていねーよ!ですよ!!」
また妙な敬語を使ってしまった。
日本語はどうにも難しい。
「ふぅん・・・彼女、は、いないのね」
カントクは、やたら含みのある言い方をする。
カントクにはメール相手がバレてんのかな、と思ったが、幸いにも小金井先輩は気付いてないらしい。キョトンとしていた。
「バカガミにもとうとう春がきたか・・・まあバスケバカ同士通じんのかしらね」
想像通り。
バレている。
やっぱり日本語は難しい。
上手くごまかすこともできないときた。
とにかく、長居するとまた冷やかされかねない。
「・・・んじゃ、俺はこれで」
「あっ!火神逃げんなよ!!」
別れを告げたら、何も気付けていない小金井先輩がいろいろ叫んでいたが、気にせずその場を離れた。
・・・メールの内容も気になるしな。
○●○●○●○●○●○●
いつものようにテンションが高めのメールを読んで、思いっ切り顔がゆるむ。
自分でもはっきりわかるほどに。
「しゃあねぇな、今度スポーツショップでも連れてってやるか・・・」
デートの催促への返事にしてはそっけない場所だが、そこが1番、お互い話が合うところだろう。
それにもし、モデルであるコイツのファンに、うっかりテーマパークで二人きりなんてところを見られたら、何が起こるかわからない。
日本語は難しいが、拙くとも気持ちが伝わるように。
返信を、打つ。
やはり、難しいけれど。
同時に、別のことも考えていた。
(アドレス伝えてくれた黒子に、感謝しなきゃな。
やっぱし黄瀬のこと、
好きだ。)