きいろをめでる

黄瀬、静雄、正臣の黄色い子達を愛でる同人二次創作短編小説中心。本館はAmebaです。

Someday,I will #1 (火黄)

2010-06-17 07:21:21 | 小説―黒子のバスケ
汗も涙も、出てこなくなった。

体も心も、渇いてしまったらしい。


一昨日の出来事は、黄瀬をそうするのに十分過ぎるほど、彼の感情を揺さぶった。


・・・・・・元チームメイト、そして勝利を誓った男への敗北。

チームのために、信頼してくれる仲間のために、と戦った。

だからこそ、仲間と共に戦おうとしたのに。

『俺のバスケは------』

昨日の言葉が蘇る。

自分が誓った方法とは全く逆な意味。
それは、かつて最も憧れた男からの発言。


「・・・・・・・はぁ」

大きなため息をついて、動く気力もなしに、部屋の静けさに、目を閉じ意識を落とした。
眠くはないが気怠い体を、ベッドに横たわらせたままでいる。


どうせ今日も、誰も来ない。
家の鍵は開けてあるままだが、眠る気もないし、いざとなったら起きれば大丈夫だ。


とにかく今は、何もしたくはなかった。




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