きいろをめでる

黄瀬、静雄、正臣の黄色い子達を愛でる同人二次創作短編小説中心。本館はAmebaです。

Someday,I will #3(火黄)

2010-06-23 07:02:10 | 小説―黒子のバスケ
暫く髪を弄んでいた指が、髪から降りてきた。

そして急に、唇に触れられる。

予想していなかった行動に、今度は抑え切れなくて反応してしまった。
でも、それでも寝たふりを続行する。


「おい、黄瀬、起きてんだろ」
(やっぱりばれてるー!!)

しかし、ここまで寝たふりを決めていたら、逆にどう起きればいいのかわからなくて、そのままでいた。

(どうしよう・・・・・・)

「・・・起きねぇんなら、キスすんぞ」
「!!!!????」

突然の発言に、飛び起きてしまった。

「やっぱ起きてんじゃねーか」
「か、火神っち・・・!!」
まだ心臓がバクバクいっている。


「なんで寝たふりなんかしてたんだよ」
「ど、どーやって起きればいいかわかんなかったんスよ・・・」
「別に普通でいいんだろ」
困ったように返されてしまったが、ごもっともだ。


「とりあえずまあ・・・あの様子じゃあ、今頃死にかけてんじゃねぇかと思って、様子見がてら飯でも作ってやろうと思ったんだよ」
「火神っち・・・」

優しい。
言い方はぶっきらぼうなとこもあるが、優しいのだ、彼は。


・・・でもその優しさが、心の傷には沁みすぎて痛かった。



「火神っち」
「何だよ」
「帰ってくれないっスか」



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