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3億円賠償の代償1(全2回)

2006年10月04日 12時22分06秒 | 社会経済の20
飲酒事故加害者に3億円賠償命令 家族が独自に証拠集め (朝日新聞) - goo ニュース

この判決を聞いて正直かわいそうにと思った。
何故?と思うかもしれない。そう、判決の裏にあるもの、つまり実態を知らないという事実。この辺りを少し暴露しよう。

この裁判長は大変熱心にこの事件を調べ、今後被害者の介護にかかる費用を丁寧にはじき出してトータル3個円という高額の賠償命令を言い渡した。

日常、普通に生きる権利を奪った事実は何事にも変えられない。捌きを受けるのは当然。それに対して文句は無い。しかし処罰は3つに分かれていることは頭に入れておいてほしい。

まずは行政処分。行政処分とは起こったことがその資格にどう違反しているかを判定する。この件の行政処分は飲酒運転、業務上過失致傷などによる交通運転免許に対する処分。つまり免許取り消し。それだけのことだ。

次は刑事処分。細かいことはあまり覚えていないが2年4ヶ月程度の服役。これが刑事処分。軽いとするか重いとするかは法の定める範囲。

そして今回の判決。民事裁判。民事処分は刑事事件のような犯罪認定に関する闘争を行うことはない。既に刑事処分として確定した後に民事裁判が行われるのが通例で民事では刑事裁判で認定されたことを元に算定する場といえる。

今回事件の重大性をかんがみて、かなり高額の判決を出したのは裁判長の感情移入が大変大きいと思う。今後こうした高額の判例が増えていくのは間違いない。
もちろん慰謝料請求の計算方法は多岐にわたっていて、被害者の職業や収入、年齢、経歴による生涯獲得賃金(ホフマン係数なんかが有名※1)などに慰謝料などがかみされる。今回介護にかかる費用と多分に請求しているのが特徴。

極端な話、見せしめとかそういう判断をするのであれば3億といわず何十億、何百億という金額を言い渡すことも可能なわけ。裁判官の度量の範疇とも考えられる。

私は民事裁判を20年前に経験している。今もって裁判制度は大きな改革を迎えて折らず、裁判の中身自体は劇的な変化をみない。
経験者としてこうした民事裁判の落とし穴を、あまり知られていないという事実を次回。

※1ホフマン係数
逸失利益の現在価額を算定するための方式(詳しくはリンクに飛んでください)

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